2026年10月28日水曜日

令和8年度新潟大学公開講座 「佐渡演習林 公開林間実習」を開催しました!

 新潟大学では、地域社会に生涯学習の機会を提供することを目的として、毎年公開講座を開講しています。

 10月24日(土)、この公開講座の一つとして佐渡演習林にて公開林間実習を開催しました。島内外から10名の方が参加されました。


演習林の教職員と佐渡研究室の学生が案内しました

 あいにくの雨模様でしたが、予定通り演習林に向けて出発し、まずは林内に生息する動物(ネズミ・昆虫類)の観察を行いました。

 林内に生息する野生ネズミを直接観察するために、前日のうちに40個の罠(シャーマントラップ)を仕掛けておき、これを参加者の皆様に回収してもらいました。全てのトラップを回収しましたが、今回は残念ながら野生ネズミを捕獲することができませんでした。過去の実績から言えば、アカネズミやヒメネズミが観察できたところでしたが、野生ネズミの個体数は年によって変動することが知られ、今年は個体数の少ない年だったのかもしれません。野生ネズミを直接目にして観察することは叶いませんでしたが、演習林長の阿部教授が、種子散布など野生ネズミが森林生態系において果たす役割を詳しく解説してくださりました。

解説する阿部教授

 気を取り直して、こちらも前日のうちに昆虫類、特に地表を徘徊する昆虫類を捕獲するために仕掛けておいたピットフォールトラップ(コップを地中に埋めた落とし穴の罠)を回収しました。こちらは、ゴミムシ類、ヨコエビ類、ワラジムシ、サワガニ、ザトウムシが捕獲できました(ちなみに、このうち昆虫はゴミムシ類のみです)。それぞれの生き物の特徴を解説してくれた蕪木助手の話に聞き入りました。

生き物の特徴を丁寧に解説してくれます

 続いては、演習林の天然スギ林に向かいます。佐渡演習林は大佐渡山地の主に稜線部分に位置しますので、技術職員さんたちが整備してくれている急峻な斜面ある林道を車で進み、どんどん標高を稼いでいきます。稜線にでると、天然スギ林が見えてきます。

 スギと言えば、スギ花粉症を引き起こす厄介な存在として認知している方が多いかもしれませんが、その背景の一つには戦後の木材需要に応えるために国策として推し進められた拡大造林によって日本の全国各地にスギ“人工林”(人間が苗を植えるなどして育てた林)が増加したことがあります。一方、現在、人の手がほとんど入っていないスギの天然林は少なく、佐渡島の演習林を中心に大佐渡山地にはこの貴重なスギの天然林が存在します。実を言うと、近年まで佐渡のスギの天然林はそこまで有名ではありませんでした。しかし、写真家の故・天野尚氏が撮影した天然スギの写真が2008年に開催された洞爺湖サミット晩餐会会場に展示され、これが各国首脳から称賛され、佐渡の天然スギを一躍有名にしました。

 今回の実習では、この洞爺湖サミット晩餐会会場に展示された写真に写っていた「金剛杉」を見学しました(「金剛杉」というのは天野氏がつけた名称)。金剛杉の幹直径が3m近くにもなる巨木で、この地で相当な年月を見続けてきた風格があります。

巨大な金剛杉

 他のスギの巨木もお見せしたかったですが、天候が悪いため、今回の現地見学はここまでとさせていただき、演習林施設に引き返しました。

 施設帰着後、希望者の方には、蕪木助手を講師に、「佐渡島の自然環境とその変遷」と題したオプショナル・レクチャーを開催しました。佐渡島の成り立ち、植生の特徴・面白さ・不思議さなどをわかりやすく解説していただきました。解説後も活発な質疑応答が行われ、あっという間に時間が過ぎ、閉会となりました。

 天候が悪い中でしたが、ご参加いただいた皆様、ありがとうございました!演習林の魅力は今日一日ではお見せできなかった部分がたくさんありますので、ぜひまたの機会にご参加いただければと思います。

 また、演習林はガイド付きのエコツアーを除けば一般に公開されておらず、今回の実習のように車を使って楽に、そして演習林の研究者の解説を聞いて見学できる機会は他にはありません。この記事をご覧の皆さまも、次の機会の公開林間実習に参加されてみてはいかがでしょうか?ご参加お待ちしております。

2026年10月21日水曜日

第三報!満員御礼!イルカ・クジラ掘り起こしイベントの受付を終了しました。

 10月9日の第二報にて、参加申し込みの開始を発表しておりましたイベント「佐渡島でクジラ掘り起こし!?」につきまして、参加申込者多数となりましたため、新規申し込みを終了したいと思います。たくさんの申し込みありがとうございました!

なお、今後も当イベントに関するお知らせを発信していきますので、惜しくも参加できなかった方もぜひブログでの続報をお楽しみください!!🐋

(K.S.)

2026年10月9日金曜日

第二報!11月28日(土)にイルカ・クジラ掘り起こし!(佐渡演習林)

 11月28日(土)に行うイルカ・クジラ掘り起こしイベントの詳細が決定しました!
日時:11月28日(土)9:00集合
集合場所:新潟大学佐渡自然共生科学センター演習林宿舎
     新潟県佐渡市小田 94-2(駐車場あり)
対象:小学生以上
定員:15 名程度 ※多数の場合は抽選もしくは先着順
参加費:500 円

行程:
9:00       演習林宿舎にて掘り起こし開始
10:30 骨洗い作業
12:00 昼食(各自でご持参ください)
13:00 施設内で骨格成形作業
14:00    解散

申し込み:以下のURLよりお申込みください。締め切りは11月13日までです。
                        https://forms.gle/bN89z4sQkPsJ6ULp8

イベントポスターも完成しました!!こだわりのつまった一枚に仕上がりましたので、ぜひご覧ください!
(K.S.)

一般向け公開林間実習(10/24)の募集期間を延長しました

 年に1度、一般の方向けに演習林を公開する「佐渡演習林公開林間実習」ですが、今年はまだ人数に余裕があるため、募集期間を延長して追加の参加者を募っています!詳細は以下のとおりです。

日時:2026年10月24日(土)9:00~15:00
会場:新潟大学佐渡自然共生科学センター演習林(佐渡市小田94-2)
内容:佐渡島の自然に関する実習(森林性のネズミの観察・昆虫類の観察、天然スギ林の観察など)
定員:20名(先着順)
受講料:1,100円(大学生以下は無料)
申込締切:10月16日(金)
募集要項はコチラ↓
公開林間実習案内
申し込みはコチラから↓
 新潟大学HP「公開講座」

過去の実習の様子は以下の動画にもまとめていますので、ぜひご確認のうえ、どしどしご応募くださいね!
 (K.S.)



2026年10月5日月曜日

着任のご挨拶(中野陽介先生)

10月1日付けで新潟大学佐渡自然共生科学センターの助教として着任しました中野陽介です。

 新潟大学の出身で、大学院の修士課程まで演習林で多くの時間を過ごしながら調査研究をしておりました。修士課程を修了後は、福島県の西端に位置する豪雪地帯の只見町に移住し、役場の公務員として奉職しました。その間の主な業務は、人と自然との共生を目指すユネスコMAB(人間と生物圏)計画の生物圏保存地域(正式名称 Biosphere Reserves、国内呼称 ユネスコエコパーク)の登録申請、関連する事業(自然環境・生物多様性の保護・保全、調査研究・人材育成、地域資源を持続可能な形で利活用した地域振興、管理運営協議会の事務局など)のほか、町営の博物館施設の管理運営に携わってきました。

豪雪地帯にある福島県只見町

只見地域のユネスコエコパーク登録・管理運営業務に携わりました

野生動植物の保護・保全をしたり...

研究者の調査研究を支援したり...

アーティストさんと子供向けのアートワークショップをしたり...

地域の学校の環境教育を支援したり...

只見町認定ブランド産品の開発・販売、展示も携わりました
(只見ユネスコエコパーク:https://tadami-br.jp
只見町ブナセンター:https://www.tadami-buna.jp)

また、在職中に、新潟大学大学院博士課程に進学し、多雪環境下でのサワグルミの生態研究で博士号を取得しました。

研究対象である多雪地のサワグルミ(演習林内)

只見町では多様な分野の業務に携わりながら、調査研究もしてという濃い14年6ヶ月を過ごし、この度、ありがたいことに母校に採用いただき、佐渡島に戻ってまいりました。

専門は、森林生態学、樹木学、森林科学ですが、主には多雪環境下での樹木の生態や森林の維持機構について研究しています。今後は得られた知見を活かして、多雪環境下での適切な森林の育成管理や利用も目指していきたいと思います。また、只見町での人と自然との共生を目指す取り組みの経験を活かした教育にも取り組んでいきたいと思います。

只見町の豪雪環境下の渓畔林(サワグルミ・トチノキ林)

調査研究中の偽高山の矮性ブナ林

自然と人の関わりに関心があり、只見町では豪雪環境の影響を受けた自然環境、野生動植物、人の暮らしについて写真撮影し、それらの関係性について考えてきました。いわゆる、写真家的な活動もしています。

只見の写真作品群の展示(2025年、田淵行男賞受賞作品展示)

演習林や佐渡島は私の調査研究・写真活動の原点です。自身の活動を通じて、演習林はもちろん、佐渡自然共生科学センター、新潟大学、そして佐渡島に貢献できるよう頑張りたいと思います。

今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

個人のInstagramもやっています。よろしければフォローしてみてください。
https://www.instagram.com/nkn.yhsk

2026年9月28日月曜日

リスクマネジメント実習B日程(9/15-18)

 9月15日~18日には、フィールドワーカーのためのリスクマネジメント実習のB日程が開催されました。内容は月初に紹介したA日程と同様のもので、2つの日程にわけて実施しています。ただし今回は、実は参加者側が少し異なっていて、新潟大学だけでなく他大学の学生も参加する共同利用実習としての実施でした。


フィールドワークに欠かせない地図読みの講義の様子。参加者の多くは2年生で、フィールドワークの経験が浅い人も多く、真剣に受講しています。



こちらは2日目の登山実習の様子。ルート探索や安全な登山行動の実践はもちろん、植物調査として道中でのサンプリングも行います。



毎年この時期に美しく咲いているアケボノシュスラン。他にもサワフタギの実やルリボシヤンマを見ることができました。

午後からは木登りの実践も。スズメバチが大量にいたため、場所を変えつつ行いました。


宿泊施設に戻ると、樹木同定大会が行われました。初めての作業にかなり苦戦しているようです。



3日目は自動車に関する実習。パンク、バッテリー上がり、脱輪などで役立つテクニックがレクチャーされました。

盛りだくさんな実習でしたが、皆さんついてこれていたでしょうか?各々のフィールドワークに生かして研究頑張ってください!
(K.S.)

技術補佐員Oさんの送別会

技術補佐員Oさんが25日の出勤をもって退職されることになりました。ゼミの前に学生さんが簡単に送別会を開催しました。
色紙の贈呈

お花の贈呈
オンラインで五十嵐からも参加!
Oさん、長い間、学生さんのサポートや実習のサポートありがとうございました!!