2020年7月31日金曜日

カメムシタケ軍団の襲来!

1か月が経つのは早いですね。
まだ湿気が多くぐずついた天候ではありますが、今月も菌類調査の週がやってきました。

例年は梅雨が明けて高温+乾燥のため、一度キノコの発生も減少する時期のはずなのですが…
今回は梅雨が終わらない上に気温が低い状態が続き、「梅雨時期に発生する種類」と「初秋に発生する種類」が共に観察され、予想以上に多様性が高い状態になっている印象を受けます。

その中でも、林内で多数観察されたのがこちら。

総勢 22本!

前々回のブログ記事でもご紹介した、冬虫夏草「カメムシタケ」です。
今年の長梅雨の影響なのか、佐渡で元々多いのかは、まだわかりません。
暗い林床でひっそりと生えていることが多いため、あまり注目されていなかっただけかもしれません。
調査もまだ行程の3分の1しか進んでいませんので、来週さらに標本が増えそうです。

様々な種類のカメムシに寄生するそうですが、よく見るとこのカメムシの中にも違う特徴があるため複数の種類が混ざっていそうです。
(カメムシの種同定はできていません、ごめんなさい)

お尻に大きなツノがあったり

肩幅がごつかったり

また、通常はキノコ先端がオレンジ色でぷっくりと膨らむのですが、2個体だけは赤く細長いものが観察されました。

ちょっと変わった形のタイプ

ちなみに、演習林の宿舎にも毎年カメムシが大量発生しますが、そのカメムシ遺骸と比べても種類は違うようでした。

…カメムシの種類や発生環境に傾向はあるのか?
…カメムシにいつ、どうやって寄生して生活しているのか?
…先端が太くならないものは未成熟なだけ?同じ種類?
気になることはたくさんありますね。

臭いにおいで厄介ものなカメムシですが、カメムシタケはにおいがしませんのでご安心を。

部屋の中で遺骸を掃除するのは少々気持ち悪くて苦手なのですが、なぜかカメムシタケの状態になると気にせず触れてしまいます(笑)
少しかわいいとさえ思えてくる…?

身近な人工林の林道沿いなどで見つかることも多いので、気になる方は探してみてくださいね。


2020年7月30日木曜日

佐渡でも豪雨…倒木(+キノコ)にもご注意を!!

九州での豪雨に続き、今週は東北地方を中心に再び豪雨被害が起きてしまいました。
佐渡市内でも、大規模な道路の落盤があったようで心配ですね。
被害に遭われた皆様に、心よりお見舞い申し上げます。

幸い演習林の林道では、現時点まで大きな被害は確認されていないようです。
しかし、大雨の後では複数の倒木や落石が発生していました。
直接的な水害だけではなく、雨が止んだ数日後までこのような二次被害にも気を付ける必要があります。


今回倒木した樹木の一部(ハリエンジュ/ニセアカシア)では、倒れた幹の内部が白っぽくすかすかの状態(白色腐朽)になっていました。
そして、根際にオレンジがかった大きなサルノコシカケ型のキノコが発生していました。

こちらは「ベッコウタケ」というキノコだと思われます。
(胞子は大雨で流れてしまったのか確認できませんでしたが、子実体の形状から同定しました)

都市部でも街路樹の急な倒木の原因となりうるため、「有害菌」として注意喚起されていることが多いようですね。

幅約15cmほどの子実体…これより一回り大きいものも一緒に生えていました

材の内部は、樹皮近くぎりぎりまで普及が進んでいた様子

木材を腐らせて分解する「木材腐朽菌」の仲間は、森林の物質循環を維持するためには欠かせない存在です。
しかしこのベッコウタケが厄介なのは、まだ生きている樹木の内部に侵入し、樹木が見た目には元気に育っているまま内部だけを腐らせるという点。

一見すると葉が生い茂り弱っていそうにもない樹木なので、倒木するまで腐っていることに気が付かなかった…なんてことも多いようです。


この倒木ケースでは、知らず知らずのうちに内部で菌(キノコ)による腐朽が進み、また樹上ではつる性の植物が巻き付いて重みが加わっていたところに、大雨が最後の一押しをしてしまった…というような、複合的な要素もあったようです。


いずれにしろ、このキノコが発生してしまった樹木は既にちょっとした刺激で倒れやすい状態になりやすくなっています。
今後も台風などで似たような事故が起こりかねませんので、どうぞ防災の参考としてキノコにも注意してみてください。



2020年7月25日土曜日

4連休もキノコ三昧

今週も周辺の山で菌類の材料探しをしていたところ…
とてもおもしろいキノコたちを続々と発見しました!

他にも多数のキノコを動画として記録したのですが、個人的ベスト3(+1)はぜひ見ていただきたい!
というわけで、動画を作り終えるまで待てないので一気にご紹介します。

①美しい朱鷺色!!佐渡にぴったりな「トキイロヒラタケ」
②地味な普通のキノコ…と思いきや、裏返すとびっくり鮮やかな「ウラムラサキシメジ」
③謎のもふもふ「オニイグチ属幼菌」

④おまけの「カメムシタケ」 

どれも一押しのインパクトが強いキノコです。


①トキイロヒラタケ
まずは、とにかく写真を見てください。
森の中に鮮やかな朱鷺色!

佐渡にぴったり!

胞子紋までピンク!

実は食用キノコとしても人気があり、昔栽培品は食べたことがあるのですが…
野生株を見たのは初めてでした。
朽ちたつる(フジ?ツルアジサイ?)に生えていました。
「トキ」を冠するキノコが佐渡で見つかったというのも嬉しいですね。

さっそく、分離培養にも挑戦中。
菌糸はどのような色なのでしょうか?


②ウラムラサキシメジ

道端の草むらに茶色い傘の群生を発見したときは、「お、でかいイグチが出てるなー」くらいにしか思っていなかったのです。

ハート型にも見える

それが…裏返してびっくり。

予想外にムラサキ!そしてイグチじゃない

こちらも初めて見ました。
発生が比較的稀な種のようで、「日本のきのこ(新版、山と渓谷社)」には掲載されていません。
先日「北陸のきのこ(特別版、橋本確文堂)」を眺めていたときに初めて認識した種で、ちょうど頭の片隅に残っていました。

胞子は白く、まきびしのような特徴的な形

まさか、こんなにすぐに出会えるとは。
しかも大量発生。
実は佐渡では稀ではなかったりするのかも…?
興味は尽きず、もう少し詳しく調べている最中です。


③オニイグチ属幼菌

こちらは、教材用にチチタケ属菌を探していた時のこと。
倒木に沿うように、猫のしっぽのような細長いもふもふの塊を発見。

気持ちよさそうな毛並み!

意外と足(柄)が長い(12cmほど)

傘裏まで完全にもふもふに包まれいる

思わず、「…あなたはだあれ?」とキノコに話しかけてしまいました。
(一緒にいたA先生が「名前はまだニャイ」と答えてくれました笑)

実験室に持ち帰り、図鑑から「ワタカラカサタケ」の仲間だろうかと推測し、さあ胞子を確認しようと縦に割ったところ…。

断面がみるみる赤く変色

そして黒変、管孔!

これは…イグチ!?

図鑑のイグチ科のページを急いで確認すると、オニイグチが近いようです。
幼菌なので特徴が当てはまらない部分もあり、正確な種までは確定できませんでしたが。

胞子は網目模様があるが、とげがやけに長い…気がする


私が過去に見たオニイグチ(成菌)は、もっと黒くていかにも鬼のような猛々しいイメージ。
…まさか、幼菌の頃はこんなにもふもふと柔らかく、かわいらしい姿だなんて知りませんでした。

ただ、このグループはまだまだ隠蔽種が多いようです。
そのうちちゃんと成長した姿のキノコが見つかったら、改めて観察してみたいですね。


④カメムシタケ(おまけ)

こちらは前回に引き続いて冬虫夏草の一種、カメムシタケです。

土の中からマッチ棒のようなキノコがにょろり

直径数ミリの小さなきのこですが、蛍光オレンジの先端が異様(?)な雰囲気を出しているので慣れるととても目につきます。

カメムシ付きだとこんな感じ

佐渡では比較的簡単に見つけられます。
また、カメムシから延びる黒い棒の部分も硬く丈夫なため、掘り出すのも簡単!
元から乾燥気味なので標本にして保管するのも簡単!

そのため、見つけるとついつい掘り出してコレクションしてしまう一品なのです…。
そのうち研究材料にもなるかもしれないので、こつこつと集めていきましょう。

2020年7月24日金曜日

落ちるマムシ

世にも珍しい(?)コンクリート壁からマムシが落ちる瞬間です。
こちらの存在に気が付き、驚いてしまったようですね。

大倉川の岸壁の上から、川底方向に向かって壁沿いを覗き込んでいる状態です。

冒頭、他にシマヘビが2匹映っているように、シマヘビ・マムシ・アオダイショウが総勢7匹(確か)休んでいるヘビにとって居心地が良い場所のようでした。
まるでヘビマンションですね。



ちなみに、落ちたマムシはその後下の草むらを移動しており、無事なことが確認されました。

シマヘビとアオダイショウは調査のために捕獲しましたが、翌日同じ場所にリリースしに行ったところ、このマムシがまたほぼ同じ場所で休んでいました。
よほどお気に入りなご様子です。

2020年7月22日水曜日

オンライン動画教材の配布を開始しました(今後も更新予定!)

以前の記事でも紹介した「佐渡演習林 オンライン動画教材」の配布を開始しました。

佐渡演習林で実施している実習や講義の内容が、そのまま動画教材になりました。
非対面型講義や実習の一環としてだけでなく、佐渡実習の事前学習や悪天候時の代替内容などとしてもご活用いただけます。

現時点では、下記7本の動画コンテンツをご利用いただけます。
(一部はブログでも公開中)

①基礎農林2020 演習林 実習編  約45分
②基礎農林2020 演習林(佐渡の自然環境)講義編  約1時間3分
③基礎農林2020 里山 実習編  約14分
④基礎農林2020 里山 講義編  約1時間21分
⑤学びの森佐渡演習林  約20分
⑥基礎農林2020おまけ(短編)演習林 初夏の実習編  約10分
⑦(短編)佐渡島の早春の花2020  約5分

ご利用を希望される機関の担当者の方には、Youtubeの限定公開URLと利用報告書のファイルを送付致します。
sadoken2011@gmail.com または各教員までご連絡下さい。


また、現在も動画教材の作成は進行中ですので、ラインナップは随時更新予定です!
昨日紹介した菌類編なども、準備が整いましたら再度ご連絡しますのでお待ちください。


というわけで、先日も動画撮影のために演習林を散策していたところ…
サドマイマイカブリ(しかもペア)をオニグルミの幹の上で発見!
樹上に登ることもあるのですね。




2020年7月21日火曜日

菌類(キノコ)の動画教材も準備中

なかなか梅雨が明けません。
佐渡では晴れる日も増えてきましたが、来週辺りまでは曇りや小雨の日も交じるようですね。


暑く乾燥した真夏になってしまうと、観察できるキノコの種類も限られてしまいます。
そして、来月半ば以降は学内実習も再開される見込み。
そのため教材の材料集めや編集作業をできるのも、今のうち。

先週は月と金に2回、同じ場所で観察を行ったのですが、たった4日の間にもキノコの種類は入れ替わっていました。
一期一会ですね。
おかげで、種名を調べてから撮り直そうと思っていた動画は撮影できず…
編集でどうにかしようと格闘中です。


撮影の途中には、冬虫夏草(昆虫に寄生するキノコ)を掘り出すこともできました!

見事に背中から突き出しています

これはコガネムシの仲間の幼虫でしょうか。
宿主が幼虫系の場合は掘り返しても何も残っていない(あるいはアゴだけとか)ことが多いのですが、今回ははっきりと形がわかる状態でした。

別個体ですが、生えているときはこんな感じ


ちなみに…漢方で有名な冬虫夏草は、オオコウモリガというチベット~中国に分布する蛾の幼虫に寄生する種(Ophiocordyceps sinensis)のみを指すようですよ。
こちらのキノコも近縁種だとは推測されますが、同様の薬効があるのかどうかはわかりません。

その他にも、秋によく観察されるキノコも出始めていたようです。

シロスズメノワン...もふもふの毛で覆われた托外皮層と白く透き通る子実層が美しい


最後に、「動画だからこそ伝えられる菌類の面白さ」がこちら。
ホコリタケの仲間が胞子を噴出する瞬間です(指で押していますが)。
写真ではなかなかうまく表現できないのですよね。



子供の頃につついて遊んだという方も多いかもしれません。
教材では、詳しい説明とともにご紹介する予定です!


2020年7月20日月曜日

オオアカバナ咲きました!

オオアカバナ、咲きました!環境省レッドデータリストでは絶滅危惧Ⅱ類(VU)に指定されている希少種です。県のカテゴリ-ではもっと危急度が高くなります。自生地が少なくなっていることが要因の一つだそう。現在、新潟では確認されていないようです。佐渡でも自生地が少なく、とても心配です。
オオアカバナ
Epilobium hirsutum var. villosum
夏になると、カワラナデシコ、ミソハギなど、赤い花が目立つようになります。ミソハギは盆花と言われていて、お盆の時期にお墓に供えるそうです。

2020年7月19日日曜日

ネオワイズ彗星中毒

今日もネオワイズ彗星。毎日見ないとおさまらない、完全にネオワイズ彗星中毒(笑)
バックは金北山です。
北斗七星の下
うっすら尾を引いています
クリックして見ないと見えないかも
明るすぎても見えない。暗くなりすぎても見えない。20時15分くらいから20時40分くらいが良く見えました(今日は)。
佐渡は例年実習シーズンですが、今年はまだなし。実習中だったらみんなで見たんだろうな…と思うと、残念です。

2020年7月17日金曜日

佐渡の夜空にネオワイズ彗星

7/16日の夜20時過ぎ、佐渡でも「ネオワイズ彗星」が観察できました!

7月中は明るさが2~3等級程度で、なんと肉眼でも見えるとのこと。
特に7月中旬以降は、陽が沈んだ後の北西の低いところ(北斗七星の下、おおぐま座とやまねこ座の間あたり)にあります。


彗星(すいせい、ほうき星)とは、尾を引きながら(物質を流出しながら)太陽系の周りを回っている小天体のことだそうです。
すぐに消えてしまう流れ星とは違うものです。


私も長岡市で撮影されたという映像をニュースで見て興味を持ち、梅雨の合間に良く晴れた16日夜を狙って観察してきました。

このままだと見えづらいので、クリックして拡大してみてください

わかりづらいと思うので説明を付けました

↓は少しぶれてしまいましたが、シャッタースピードを長めにして明るめに撮るとこんな感じ。

星の撮影は難しい…

スマホのカメラでこれだけ写っているので、性能の良いカメラならもっとはっきりと観察できると思います。
1枚目の写真は、1時間以上粘って撮影した渾身の1枚です。
(夜の海辺で暗闇の中にじっとしていたので、地元の方には少し怖がられてしまったようです…)


このネオワイズ彗星は、2020年3月に発見されたばかりだそうです。
次に太陽に近づいて観察できる条件になるのは5000年以上先(!)とのことで、現代の人にとっては今が最後のチャンスですね。


肉眼では、写真よりもぼんやりと曇ったガスのように見えていました。
暗闇に慣れるまではなかなか苦戦したのですが、見つけたときには感動しました。
双眼鏡やズーム機能のあるカメラなどで観察すると、はっきりくっきり見えますよ。

まだ観察できるチャンスはあると思うので、ぜひ夏の夜空を探してみてくださいね。



2020年7月15日水曜日

北海道奥尻島弾丸調査(今度は北へ)

エゾ梅雨の合間を縫って、道南へ行ってきました。行きたかった奥尻島です。日本海側の島は、佐渡と比較すると面白い生物相があるはず!

コロナウイルス対策で、特に医療体制が脆弱で高齢者の多い島の人たちは外部の人が入ってくることに注意している時期です。ということで、公共交通機関は早朝など、あとはレンタカーで、最小限の人との接触になるよう配慮して行ってきました。

奥尻島の最高峰は神威山で標高584m。面積は143km²、周囲長約84㎞。2700名ほどの人口だそうです。全体的には300mちょっとの稜線が続く、平たい島です。ちなみに佐渡は標高1,172 mの面積855km²。

まずは奥尻島の風景から…
いざ、奥尻島へ
実は、帰りの船からです(行きは霧だったので)
球島山展望台から
さすが島です。晴れて気温が上がると、東側の海から霧が上がってきました。
こちらは幌内川
奥尻の川は人工物でコントロールされている川が多いですが、人家のない北西側はこんな感じの川があります。濁流なのは、前日までの雨のせい。島は流路が短いので、あっという間に濁流になります。
奥尻には田んぼも広がっています。特に南部。
佐渡と同じで山から海にそそぐ河川は多く、田んぼもあります。ワイナリーも酒造もあります。
そして、海岸沿いで目を見張るのは・・・!
ウニロード!
道路わきの塀の上には、
ウニの殻が永遠と置かれています
犯人はカラス。7月15日がウニ漁の解禁だそうですが、すでに身はたっぷり。カラスはそれを拾って、道路に落として、安全な塀の上で食べているそうです。早朝、カラスが落とすウニを横取りしようと待っていましたが、落としてもらえませんでした。

続いて海岸沿いの花。
エゾオグルマソウ
葉っぱが肉厚でいかにも海岸の植物
ハマハコベ
こちらも多肉
初めはマンネングサの仲間かと思いました…
ハマベンケイソウ
奥尻に来たら会いたい植物。バシクルモン。あっさり会えました。
バシクルモン
今回の目的の一つ。ツリガネニンジン。
ちょっと花が大きい感じもしますが、
いたって普通のツリガネニンジンでした
エゾフウロソウ
他にもエゾニュウ、エゾカワラナデシコ、エゾカワラマツバなどがいたるところで咲いていました。
こちらはエゾカンゾウ
佐渡のトビシマカンゾウはもう花終わりですが
エゾカンゾウは今も見ごろでした
つづいて、森の様子。
ブナ林の林床
チシマザサが多いです
林床はササが多く、佐渡のように低木はそれほど発達していません。ツルシキミやエゾユズリハ、ハイイヌガヤなどがひっそりありました。
ブナ
大きいですね。やはり、北のブナの葉は大きい!ほかには、ミズナラ、エゾヤマザクラ、ハルニレ、シナノキ、カエデの仲間(イタヤカエデ、アカイタヤ)、ナナカマド、ハリギリがありました。
佐渡と違うのはダケカンバがあるのとイチイやコシアブラがブナの林床に多いことでしょうか?あと、エゾアジサイがまったくありませんでした。
イチイ(北海道では多いですね)
続いて草本。佐渡と同様?に日本海側の草本は花が大きくボリューミーになるのが日本海草本アイランドシンドロームなのでしょうか?
クルマユリがたくさんあり
どれもボリューミーでした!
オトギリソウ
こちらもボリューミーです!
ウメガサソウ
のつぼみ
目立たないですが、よく見るとたくさん咲いていたのが
ジガバチソウ
ラン科クモキリソウ属です。こういう地味目なラン、可愛いです。奥尻はクロっぽいタイプしか見かけませんでした。
ツバメオモトもたくさん
実になっています
こちらも林床びっしりで、きれいでした。ツルアリドオシ。
ツルアリドオシ
小人のようです。
ギンリョウソウはかなりたくさん見られました。
美しい花の中
花終わりが多く、こんな感じ(通称目玉のおやじ)
こう見ると花っぽいですね
もれなくギンリョウソウも
ボリューミーでした!
最後に、忘れてはならないのが、津波の被害のことです。日本海側の人(佐渡の人)は、なぜかそんなに大きな津波が来ないと思っている人が多いのですが、日本海側にも2つの大陸プレートの重なり(北米プレートとユーラシアプレート)があり、サハリンから新潟沖へと続く日本海東縁変動帯といいます。もちろんプレート境界では大きな地震が起きます。1993年7月12日、奥尻沖で起こった地震は大きな津波となって、あっという間に島へ到達したそうです。早いところでは2-3分以内で29mの高さで到達し、何回も押し寄せたそう。甚大な被害が出ました。

奥尻と佐渡島での植生の共通点や違いを見ていきましたが、地震や津波被害に関しては共通して学ぶべきところが多いと感じました。他人事では決してないと肝に銘じないといけませんね。