佐渡市内でも、大規模な道路の落盤があったようで心配ですね。
被害に遭われた皆様に、心よりお見舞い申し上げます。
幸い演習林の林道では、現時点まで大きな被害は確認されていないようです。
しかし、大雨の後では複数の倒木や落石が発生していました。
直接的な水害だけではなく、雨が止んだ数日後までこのような二次被害にも気を付ける必要があります。
今回倒木した樹木の一部(ハリエンジュ/ニセアカシア)では、倒れた幹の内部が白っぽくすかすかの状態(白色腐朽)になっていました。
そして、根際にオレンジがかった大きなサルノコシカケ型のキノコが発生していました。
こちらは「ベッコウタケ」というキノコだと思われます。
(胞子は大雨で流れてしまったのか確認できませんでしたが、子実体の形状から同定しました)
都市部でも街路樹の急な倒木の原因となりうるため、「有害菌」として注意喚起されていることが多いようですね。
幅約15cmほどの子実体…これより一回り大きいものも一緒に生えていました |
材の内部は、樹皮近くぎりぎりまで普及が進んでいた様子 |
木材を腐らせて分解する「木材腐朽菌」の仲間は、森林の物質循環を維持するためには欠かせない存在です。
しかしこのベッコウタケが厄介なのは、まだ生きている樹木の内部に侵入し、樹木が見た目には元気に育っているまま内部だけを腐らせるという点。
一見すると葉が生い茂り弱っていそうにもない樹木なので、倒木するまで腐っていることに気が付かなかった…なんてことも多いようです。
この倒木ケースでは、知らず知らずのうちに内部で菌(キノコ)による腐朽が進み、また樹上ではつる性の植物が巻き付いて重みが加わっていたところに、大雨が最後の一押しをしてしまった…というような、複合的な要素もあったようです。
いずれにしろ、このキノコが発生してしまった樹木は既にちょっとした刺激で倒れやすい状態になりやすくなっています。
今後も台風などで似たような事故が起こりかねませんので、どうぞ防災の参考としてキノコにも注意してみてください。
0 件のコメント:
コメントを投稿