2021年5月29日土曜日

東邦大学コウモリ調査その②

今週末もコウモリ調査に同行しました!(同行者は入れ替わっています)

学生の頃、雨の日で自身の調査が出来ないときはコウモリ洞窟を訪問するという伊豆諸島生活を送っていたので、久しぶりのまじかに見られるコウモリ、とっても楽しみにしておりました。

小さい洞窟ですが、なんと3種のコウモリが捕獲されました。

まずは今回の調査の目的である、キクガシラコウモリ科キクガシラコウモリ。鼻葉がとっても特徴的です。

カメラ目線を貫いてくれた美男子です!
つづきまして、ヒナコウモリ科のモモジロコウモリ。
ちょっとピントがボケていますが
口がとがって、ぱっかり開きます!
そして!同じくヒナコウモリ科のユビナガコウモリ。
クロ丸っこくて、
憎めない悪役のような可愛らしさです!
(ちょっとヒミズっぽい)
最後に、帰り道の登場したテン。
まだ冬毛!?(全身薄黄色)と思ったら、
背中が2か所ほど黒っぽく夏毛が見え始めていました

現在は植物中心の研究をしているので、哺乳類調査=休日!のような楽しさがありました。次は森林性のミニサイズのコテングコウモリが見てみたいです!

2021年5月23日日曜日

東邦大学コウモリ調査その①

 一昨日から東邦大学の学生さんが佐渡に来島しており、昨日は戸中の洞窟内のコウモリ調査に同行させていただきました。

まずは、実際の調査風景から紹介したいと思います!

調査地の洞窟です。中はいったいどうなっているのでしょうか?

ヘッドライトをつけて洞窟内に入っていきます。

調査ではコウモリを刺激しないよう赤い光のライトを使用します。

休眠中のキクガシラコウモリを発見しました!

休眠中は体温を低下させているため近づいても全く反応がありませんでした。

キクガシラコウモリの顔です!

鼻の周りが特徴的な形をしていますね。

通常のコウモリは口から発する超音波を頼りに飛行しますが、キクガシラコウモリは鼻から超音波を出して飛行するそうです。

顔の真ん中に鼻葉と呼ばれる突起があり、鼻から発する超音波を調整する役割があるのだとか。

翼はこんな感じです!

コウモリの指ってこんなに長かったんですね。

最後は妊娠経験のあるメスだけが持つ下腹部の小突起(擬乳頭)。

この突起は乳首ではなく赤ちゃんコウモリがしがみつくためのものだそうです。

赤ちゃんコウモリは頭を天井側に向けて親コウモリにしがみつくため、突起がこの位置に形成されるのだそうです。

私たちが普段何気なく見ているコウモリですが、詳しく観察するとまだまだ知らない生態がたくさんありそうですね。

今後どのような発見があるか楽しみです。

2021年5月11日火曜日

田んぼが空を映す季節

田植えが始まると、外海府側は海と田んぼが一体になったインフィニティ―プール状態でとても綺麗です。トラクターの耕起するうしろをカモメが追いかける風景が見られるのも、今年はあともう少しだけ。

風がないと夕焼けも田んぼに映り、思わず写真を写しました。

2021年5月9日日曜日

佐渡ステーション裏の田んぼにトキが来ました!

ゴールデンウィークが明け、佐渡ステーションの周辺ではあちこちで田植えをする方々の姿がみられるようになりました。里山を対象に研究を行っている身としては、いよいよ調査シーズンが始まったなという感じです。

そんな中、佐渡ステーション裏の水田には嬉しい来客がありました。

買い物から帰りふと横に視線を送ると、田植えが完了した田んぼで採餌するときの姿が!

慌ててカメラを準備し撮影を行いました。 

くちばしを器用に使って餌生物を捕まえるトキ

何か捕まえたようです。

今回みられたトキは羽の色が黒く変化していることから、近くの林内で営巣している可能性があるとのことでした。ちなみに、この黒色は羽が生え変わったものではなく、首のあたりから剥がれ落ちた皮膚をこすりつけたものだそうです。このまま大佐渡にもトキが定着し、個体数が増えていってくれたら嬉しいですね!

2021年5月8日土曜日

葯が花びらみたいなユキツバキ

ヤブツバキやユキツバキからは様々な園芸品種が交配によって作出されていますが、野生集団からも園芸価値がありそうな花を見つけることがあります。今日はこれ、

葯が花びら見たいなユキツバキ
葯が大きくピンク色の花びらみたいです
同じ個体
一部葯が変形
同じ個体
葯が変形していません
ということは、何かの感染でこのようになっているのでしょうか・・・(ABCモデル?)
最後に花の中の世界
ショウジョウバエやアリが蜜を舐めに

2021年5月4日火曜日

新宿主発見!ユキツバキにもツバキキンカクチャワンタケ

毎年恒例のユキツバキ調査。例年は花中心で訪花昆虫など採取していましたが、今年は地面ばかり・・・。それは、

ユキツバキの木の下にツバキキンカクチャワンタケ!
Ciborinia camelliae
ユキツバキにもツバキキンカクチャワンタケが‼ちなみに北限の集団まで、全集団で見つかりました。ただ、ヤブツバキのツバキキンカクチャワンタケと異なり、雪解けすぐの蕾の段階では見つかりませんでした(ヤブツバキのツバキキンカクチャワンタケは晩秋くらいから出てきます。)多雪地では冬越しすることが出来ず、花が咲くくらいの時期から一斉に出てくるのかもしれないですね。果たしてヤブツバキに発生するツバキキンと同じ種なのか、こうご期待です!
ちなみに写真のツバキキンカクチャワンタケは、ユキツバキン調査史上一番早く見つかった奇跡の菌(笑)。1分かからずでした。

ツバキキンカクチャワンタケについては以前のブログをご覧ください!
http://sadoken.blogspot.com/2020/04/blog-post_23.html
ホストのユキツバキさんです。
雪と一緒に撮影するのは難しいのですが(雪解け後開花なので)、なんとか撮影できました!
もちろん、訪花昆虫調査もしました。こちらは初対面のユキツバキ訪花昆虫。
ユキツバキの蜜をなめるウスバカミキリ?
こちらのユキツバキはツバキキンカクチャワンタケ(花腐菌核病ともいう)に罹患しているのか、ただ単に枯れる前なのか、花びらが茶色っぽくなっています。

色々面白そうな研究が展開できそうですね!