今年も東邦大学理学部の皆さんが実習のため来島されました。4年目になる佐渡島での野外生態学実習Ⅱ、今年は教員、学生さん合わせ31名での実施、しかも2グループに分かれ(森川海班とカタツムリ-マイマイカブリ班)、異なる内容の実習を並行して行いました。
まずは、4年目になる森川海実習の紹介です(昨年度までの森川海実習もブログで紹介していますよ)。森と海をつなぐ河川生態系において、水生昆虫の流呈分布を明らかにすることを目的とし、野外調査、統計解析、成果発表を4泊5日で行うという、ちょっとハードな実習です。今年も、実習のために、佐渡島にある新潟大学の理学部附属臨界実験所、朱鷺・自然再生学研究センター、さらには外部の研究所の教員に協力していただきました。
2グループに分かれる前に、佐渡ステーションの崎尾先生から 演習林の自然についてのレクチャーを受けました。 |
いよいよ、川での調査開始です。胴長をはき、 現場で調査方法について細かく指導していただきました。 |
水生昆虫を採取しています(上)。 たくさん、採取できましたが(下)一日目の段階では、 何が何やらわかりません・・・ |
この他にも、水生昆虫の分布に関係があると思われる、 石の大きさ、流速、藻類のバイオマスなどを測定していきます。 |
今年の実習は天気に恵まれました。 気温も上がり暑い中、皆さん熱心に調査していまいた。 |
そんな中・・・、臨海の教員が見事に網でイワナをゲットしました! (網でイワナを捕まえるのは非常に難しいそうです) |
夜は室内作業が待ってます。水生昆虫とその同定の講義を しているのは、昨年度まで朱鷺・自然再生学研究センターに 在籍していた方で、今年は山梨の研究所から来てくださいました。 |
さっそく、同定作業です。しばらくすると、慣れてきて作業もスピードアップ!! ちなみに、今年は2グループに分かれての実習で、森川海班の講義室は 畳の部屋で合宿みたいな感じになりました。 |
同定作業が一段落すると、次は自分たちで立てた仮説を検証するために 統計解析(統計解析にはRを使用しました。)、そしてプレゼンの準備・・・ |
そして、いよいよ成果発表です。 どの発表も分かりやすく、上手にまとまっていました。 |
次は食う食われるの関係「カタツムリとマイマイカブリ」班(進化生態学班)です。20名以上の大所帯。この実習では、貝食性のマイマイカブリには狭頭型(主に本州のマイマイカブリ)と巨頭型(サドマイマイカブリ)の二型がありますが、なぜそのような進化が起こったのかを考察するために、行動観察を行います。さらに、カタツムリの形態計測実習も行います。そのためにも、まずは対象を探しに演習林の森へ・・・
林道沿いにマイマイカブリ捕獲用のトラップをかけ、 さらにカタツムリを林道沿いを歩いて探します。 晴天続きのため、カタツムリはあまり見つからず・・ |
ところが!歩いて探していると、 道でヒダリマキマイマイを捕食中のサドマイマイカブリを見つけました。 しかも、2匹!! |
こちらはマイマイカブリ捕獲用のトラップです。 ピットホールトラップといいますが、 コップを埋めた落とし穴だけで捕獲できます。 |
今年は花期が長く見られているサンカヨウ。 シラネアオイやタムシバも長々と咲いています。 |
ウワミズザクラにはたくさんの毛虫の巣 |
カタツムリ探しの合間にはクロサンショウウオも登場。 撮影会です。 |
さて、カタツムリ探しに戻ります。 落ち葉を丁寧にひっくり返しながらカタツムリを探します。 なかなか見つからず、どうなることかと思いましたが 最終的にはたくさんのカタツムリや、マイマイカブリが捕獲できました。 |
夜はカタツムリの形態計測をします。 |
さらにマイマイカブリの捕食行動を観察します。 上野写真の道端のマイマイカブリは、頭を突っ込んで捕食していましたが、 行動実験では、小さいカタツムリの殻を壊してから中を吸っていました。 |
さらに、たくさんの情報をを主成分分析するためのお勉強。 最後に形態データを主成分分析しました。 |
調査、勉強の合間のお昼は、息抜きに海を眺めながら・・・ 右端のカモメがみんなのお弁当をねらっている!? |
最終日は打ち上げのバーベキュー。 杉の皮と薪を使って炭を起こしていきます。 |
東邦大学の長谷川先生のねぎらいの言葉でバーベキュー開始!! 海の幸満載のバーベキューで、皆さん盛り上がりました! (写真が無くてすみません・・・) |
また、佐渡やどこかでお会いできるのを楽しみにしております!
PS.ブログで、佐渡研究室のブログは3並びになりそうです。