毎年のように暖冬が続いている気がするのですが、今年の暖冬小雪は異常なほど。いつもより1か月以上早く、春植物が咲き始めました。いつもだと嬉しい春植物の開花も、今年は複雑な気分です。
花は咲き始めましたが、訪花昆虫のマルハナバチのクイーンは見当たりません。フェノロジカルミスマッチという現象ですが、劇的に変化する環境に動植物の共生系がついていけないのが恐ろしいです。動植物の共生系だけでなく、水豊かな佐渡島では、両生類も大きな影響を受ける気がします。
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オオミスミソウ。花弁も葯も白いタイプ |
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薄ピンク。花弁の枚数が多め |
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アラゲヒョウタンボク |
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ナニワズ |
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キクザキイチゲ |
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フクジュソウ |
最近の佐渡島での生物調査は、生き物同士の長い歴史を通じた本来の共生関係を調査しているのではなく、変化しつつある環境の中のスナップショットを切り取っているだけでなのかもしれないですね…
生物学の理論では、ルイス・キャロル「鏡の国のアリス」に出てくる、赤の女王がいった「同じ場所にとどまるためには力の限り走らなければならい」という話にちなみ、赤の女王仮説というのが知られています。ある生物種をとりまく生物的環境は、その環境の構成に加わる他種の進化的変化などによって平均的に絶えず悪化しており、したがってその種も持続的に進化していなければ絶滅に至る(日経新聞より引用)、という仮説ですね。今回の話とは意味が違いますが、環境の変化に追いつけない生物という意味として捉えると、考え深い仮説です。走っても走っても追いつけない生物が増えないことを祈ります。
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