20231201-03に愛知県青年の家で開催された種生物学会で、島のシンポジウムを様々な所属の企画者と開催しました。対面の久しぶりのシンポジウム。大勢の方に聞いていただけました。また、興味深い研究をご講演頂きありがとうございました!ご参加ありがとうございました。
趣旨説明 |
総合討論 |
和文誌編集委員会企画シンポジウム
「古くて新しい島の生物学:島に生きる動植物の織りなす物語を読み解く 」
12月2-3日(土・日)
企画者:渡邊謙太(沖縄高専)・阿部晴恵 (新潟大学)・水澤玲子(福島大学)・安藤温子(国立環境研)・平岩将良(近畿大学)・丑丸敦史(神戸大学)
島は進化の実験場ともいわれ、古くから生態学・進化生物学において重要な題材を提供し、関連分野に大きな影響を与え、数多くの理論を生み出してきた。近年、この島嶼生物学(Island Biology)分野では、世界中の島嶼域を対象とする大規模な比較研究が増えており、国際共同研究の重要性が増している。2023年には島嶼生物学の国際学会が正式に発足するなど、全球規模の情報共有が進みつつある。また様々な技術の進歩によって、新たな研究の展開も可能となってきた。
一方、日本でもこれまでに、伊豆諸島、小笠原諸島、琉球列島、佐渡ヶ島など、様々な離島において優れた島嶼生物学的研究が行われてきた。日本は大陸辺縁に南北に連なる1万を越える島々からなり、複数の島弧を内包する複雑な構成で、比較研究が可能な島も多い。そのため大陸からの分散やその後の分化過程、島ごとに異なる組み合わせの種間関係など、島嶼研究に最適な環境であるといえる。日本が島国である以上、離島に限らず日本列島における生態学・進化生物学的研究は、すべて島嶼生物学的研究として捉えることも可能なはずである。
このような日本発の「島嶼生物学」研究は現在の世界の“Island Biology”の中では、その内容相応には認知されているとは言い難い。しかし、動植物の生活史や種間関係などを丁寧に観察し追求していく、自然史的・種生物学的研究は日本の研究の持ち味であり、世界の“Island Biology”に与えるインパクトは大きいと考えられる。本シンポジウムでは、日本発あるいは日本人研究者による様々な「島嶼生物学」研究を紹介し、日本の生態学・進化生物学的研究がこれからの“Island Biology”の中でどのように展開しうるか考えたい。
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趣旨説明 「古くて新しい島の生物学/島研究の実際」
渡邊謙太 (沖縄高専)/ 阿部晴恵(新潟大学)/ 水澤玲子(福島大学)/ 安藤温子(国立環境研究所)/ 平岩将良(近畿大学)/ 丑丸敦史(神戸大学)
「海洋島固有植物の分岐による種分化と分岐によらない種分化」
高山浩司 (京都大学 理学研究科)
「ヤポネシアゲノムプロジェクトの成果」
斎藤成也 (国立遺伝学研究所)
「日本列島と琉球列島の植物地理」
中村剛 (北海道大学・植物園/環境科学院)
「小笠原西之島の噴火により失われた昆虫相と現在」
岸本年郎 (ふじのくに地球環境史ミュージアム)
「島ごとに違う捕食者に適応したトカゲの防衛戦略」
栗山武夫 (兵庫県立大学 自然・環境科学研究所)
「陸産貝類の殻色による海洋島環境への適応進化」
伊藤 舜 (伊豆大島ジオパーク/東邦大学理学部)
「島の淡水性回遊魚の分散と生態:佐渡と沖縄の例から」
飯田碧 (新潟大学 佐渡自然共生科学センター臨海実験所)
「日本で行う島の鳥類標識個体群の長期研究」
澤田明 (国立環境研究所)
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