2020年6月20日土曜日

シイタケほだ木に生えたキノコ

佐渡演習林では、シイタケの原木栽培も行っています。

毎年、春と秋には多くのシイタケが発生し、それを職員さん達が丁寧に摘み取って乾燥させて売っています。
肉厚でとてもおいしいですよ。

春にはシイタケがもりもり生えます

実は、シイタケ菌を植え付ける原木(ほだ木)には、シイタケ以外のキノコもたくさん発生します。
森の中で自然栽培しているので、他の菌も入ってきてしまうのですね。
そのうち、「シイタケほだ木に発生する菌類の多様性」なんて調べてみたい…と思いつつ。

今回はその一つ、オオシトネタケ(Gyromitra parma)をご紹介します。
チャワンタケの仲間で、ほだ木の切断面に多く出ているようでした。

これはチャワンが反り返ったような状態ですね

一見キクラゲの仲間のようにも見えますが、毒キノコらしいので絶対に食べないでくださいね!
5月末、ほだ木の切断面にたくさん発生していました。

近縁種のフクロシトネタケとは肉眼でほとんど区別がつかず、顕微鏡で胞子の観察を行う必要があるとのこと。
ちょうど先日ブログで研究状況を報告してくれた学生さん用に顕微鏡カメラシステムを整備していたので、試してみることにしました。
(今までは接眼レンズ越しに撮影するしかなかったのです)

その結果…

子嚢胞子の表面には、網目模様がくっきり


無事に撮影成功!
サイズも測れるようになりましたよ。

これはかなり美しい部類の胞子ですね。
偶然選んだ材料でしたが、観察が楽しい被写体となってくれました。
表面の網目模様と、両端に飛び出た複数のとげが同定ポイントのようです。

こちらは子嚢の中に入ったままの胞子と側糸

これからますます顕微鏡観察が楽しくなりそうですね!


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