妙見山、金北山、雪をかぶっています。
平地に積もる日も近そうです。
11月2日に高千家畜市場で行われている牛の競り市に行きました。
この競り市は大正時代から続く伝統行事で、今年も県内外から多くの業者が黒毛和牛の買い付けに訪れていました。
今回初めて牛の競りを見に行きましたが、佐渡の伝統に触れる良い機会となりました。
先日、環境省モニタリング1000の一環として毎年実施している佐渡演習林と豊岡集落の毎木調査を行いました。
モニタリング1000は環境省の事業のひとつで、日本全国に設置した約1000か所の調査サイトで植生や生物のデータを集める取り組みです。
当演習林でもリタートラップによる樹木の種子の採集やピットフォールトラップによる地表徘徊性昆虫の捕獲が定期的に行われています。
今回の行った毎木調査ではプロット内の樹木の内、胸高周囲長が15cmを超える個体について、片っ端から太さを測定し、前年度からの成長量を記録しました。
天然スギの胸高周囲長を測定する学生
今回の調査は天候にも恵まれ比較的スムーズに作業を終えることができました。
自分はいつも毎木調査が終わると調査シーズンが終わったなという感じになります。
これからはデータの解析や卒論の執筆など室内の作業が多くなりますが、ラストスパートで頑張ってもらえればと思います。
9月22~24日の日程で新潟大学農学部の生態系管理演習及び実習(佐渡実習)が実施されました。
この実習では、小佐渡周辺の里山や野生のトキの観察をしたり、実際に里山林の管理計画を作成し現場で実践したりするなど、人間が自然の手入れをする上で必要な知識や技術を学びます。
1日目
初日は小佐渡周辺の里山の見学からスタートです。
見学開始数分で飛行する野生のトキを見ることができました。
以前は野生のトキを観察するために早朝から車で周辺の里山をぐるぐる走り回ることも少なくありませんでしたが、最近の小佐渡周辺ではトキを見ない日の方が珍しいくらいです。
午後からは天王川の里山林に移動して毎木調査をしました。
里山林を管理するにあたり、対象となる森林の特性を知ることは非常に重要です。
夜の作業では天王川周辺の森林を「トキが利用しやすい林」にするための管理計画について班ごとに意見をまとめました。
2-3日目
この日からは初日に作成した計画に沿って実際に樹木の切り倒しなどを行いました。
育林実習に参加した学生も多く鉈鋸の扱いはお手の物です。
「林床に密生している常緑低木を伐採して林内の光環境を改善する」、「林縁部のハンノキを伐採してトキが林内に侵入しやすい森林を造成する」など、班ごとに目的をもって作業をしていました。
作業後の森林の様子
作業前の写真を撮るのを忘れてしまったのですが、林床の低木を除伐したことで森林がうっそうと茂っている感じはだいぶ改善されたのではないかと思います。
間伐せずに残した気が横方向に太い枝を伸ばしてくれればトキも利用するのではないかと思います。
今年の2月に佐渡に漂着し、演習林の敷地内に埋めていたキタオットセイの死骸の掘り起し作業を行いました。
埋めてから8ヶ月程度しかたっておらず骨サンプルを回収するにはちょっと早い気もしましたが、演習林の車庫の建て替えに伴い前倒しでの掘り起しとなりました。
埋めたときと同様にユンボを使って掘り起こしていきます。
ある程度姿が見えてきたら手掘りに切り替えます。
ついに姿が見えてきました。
ある程度予想はしていましたが臭いは強烈でした。
掘り起こした後は地道に骨を拾っていきます。
この時点で鼻はだいぶ麻痺していました。
キタオットセイの肩甲骨と背骨の一部
回収した骨サンプルはまとめて水槽に沈めて微生物による細かな肉片の分解を待ちます。
これらの骨が標本になるまでにはさらに数ヶ月かかるそうです。
今後の作業については続報が入り次第紹介をしたいと思います、個人的にはすべての骨を並べて骨格標本にしてみたいと思いました。
10月18-21日の日程で農学部の村上先生の研究室の学生が演習林の天然スギ林のドローン撮影をしに来ました。
事前の予報では大荒れの天気となる見込みでしたが、天候にも恵まれ無事に調査を終えることが出来ました。
ドローンをセットする学生
ドローンの操作はiPadで行うそうです。
佐渡研究室にはないハイテクさがありました。
実際に飛ばすとこんな感じ。
離陸した後は事前に設定した撮影ルートを飛行しながら自動で撮影してくれるとの事でした。
今後は卒論テーマとして撮影した写真合成などを行うそうです。
今から結果が楽しみです。
佐渡研究室修士1年のWです。
9/21~24日と9/27~30の2回に分け、農学部のフィールドワーカーのためのリスクマネジメント実習が実施されました。
本実習は、卒業研究など野外調査におけるトラブル等を予防、安全に対処する技術や知識を身につけることを目的に実施されています。
コロナ禍ということもあり、テント泊を複数回行う等ありましたが、学生は楽しそうに実習に参加していました。
A日程、B日程と天候のため実習日程が入れ替わったところもありますが、無事、実習を終えることができました。
初日は佐渡市消防署内において救急法の講習、そして2日目に登る山の地図読図法の解説、準備、そしてテントの設置を行いました。国土地理院地図とトレッキングマップを見比べながら、実際に当日歩くルートはどの程度急なのか、どの方向に分岐を曲がるのか、皆さん班員と話し合いながらシミュレーションを行っていました。テント設置は順調に終わりましたね。
2日目は実際の山(A日程:演習林、B日程:ドンデン山)を地図とコンパス、高度計を頼りに上っていきます。スマートフォンに頼ってはいけないとのことで、皆さん不安そうでしたが、無事に登り切ることができました。
A日程:演習林内で2年ぶりに立派なマイタケが採れました。担当教員のうれしそうな顔は忘れられません。
3日目はロープを使った垂直降下と崖・木のぼり、そして緊急時の車対応法についてです。
皆さん怪我なく終えることができました。高いところが怖い学生と、スリルを楽しめた学生がいるようで、ほほえましかったです。
車対応法についても、車載道具の位置確認やタイヤの交換など、みんなで協力しながら無事終えることができました。これで野外調査も大丈夫ですね。
4日目は包帯の使用方法や、野外での重体者の対応について学び、フェリーに乗って新潟へと帰着しました。
参加した学生のほとんどが3年生であり、来年からは卒業研究が始まります。
今回の実習を生かし、安全に野外調査を行ってもらいたいです。