2013年9月18日水曜日

育林系実習

9月9日から9月13日にかけて、新潟大学農学部生産環境科学科の育林系実習が行われました。今回は、実習の前半部分を紹介しまーす。

 実習前半に行われたのは、森林、特に人工林の手入れ方法です。

 皆さん、人工林ってご存知ですか?人工林とは、木を切った跡地や木の生えていない場所に、人の手で木の苗や種子を蒔いて、育てた森林の事です。日本では、ヒノキやスギなどの人工林が多いです。人工林を造る目的は、家や家具などの材料(木材)として使用する木を育てるためです。

 では、この人工林、どうやって育てるのでしょう?人工林の木は、家の柱などに使用する事が多いので、出来るだけ真っ直ぐに、そして柱にしたときに見目麗しい木目があるものに育てる必要があります。

 今回の実習では、人工林での植栽(木を植える)から伐採(木を切る)までに必要な主な手入れや作業を行いました。

まずは、実習の指導をして下さる技術職員さん達の紹介。
現在、佐渡ステーションには、5人の技術職員さんが勤務しております。
使用する道具(ナタ、ノコギリ、柄の長い鎌)の手入れから行います。

刃物を扱うので、皆さん、真剣です!

ナタ(上)と鎌(下)を粗さの異なる2種類の研ぎ石で研ぎます。
明日からの作業の効率は、この研ぎにかかっております。

しかし、ほとんどの学生は刃物研ぎは初体験。
技術職員さん達から研ぎ方の指導を受けつつ、研いでいきます。
皆さん、納得できる仕上がりになりました?
ここからは、実際に行った作業の順序とは異なるのですが、分かりやすくするために、植栽(木を植える)から紹介していきます。

植栽:鍬を使って、木を植える場所の地拵え(じごしらえ/木を植えやすいように、
草を刈ったり、地面に落ちている枝などを片付ける事)を行った後、苗木(今回はスギ)を植えます。
下刈り:苗木に十分な光、養分が届くように、苗木がある程度育つまで、
定期的に雑草を鎌で刈ります。(上)草刈り前、(下)草刈り後
除伐:人工林で、育てる木(今回はスギ)以外の木を取り除いて行きます。
ナタやノコギリを上手に使っていきます。つる性の植物も以外と手強いぞ!

枝打ち:木に梯子をかけて昇り、枝をノコギリなどで、付け根付近から除去します。
この作業によって、無節性の高い材を計画的に生産する事出来ます。
また、森林内の光環境を調整することにもつながります。

間伐:木が空を覆う程育ってから、伐採するまでの間に、林の木の密度や成長を
調整するために、成長不良木や枯死木などを除きます。
さすがに、ここまで育ったら、伐採にはチェーンソーの出番です!

木を伐採する方法の一つとして、まず、木を倒す方向に三角状の受け口を作ります。
木を倒す方向は、周囲の木の状態、斜面の角度、空間などから最適な方向を決めます。
その後、受け口の反対側、受け口よりちょっと高い位置(追い口)から
チェーンソーで水平に切り込みを入れて行くと、受け口の方向に木が倒れます。


絵で現すとこんな感じ。
ちなみに、切り株の表面は真っ平らではなく、段々になります。


 チェーンソーを使った、伐採は、技術職員さんのお手本では簡単そうに見えますが、実際にやってみると難しいです!思った方向に倒せなかったり、受け口を上手く作れなかったり・・・

 学生の皆さん、本当にお疲れさまでした!そして、技術職員の皆さま、お忙しい中の技術指導、ありがとうございました!

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