2013年9月24日火曜日

大阪教育大学、共同利用実習 (9/17〜9/20)

 今年度最後の共同利用実習です!

 大阪教育大学より教員1名、学生4名、神戸大学より学生1名、計6人の方達がいらっしゃいました!参加した学生さん達は、将来、学校の先生などを目指しているそうです。

前日まで、台風がきており、どうなることかと心配していましたが
台風一過で、実習中は快晴でした!!
山は、すでに秋の気配が・・・
実習では、山をトレッキングしながらの植物観察、森林生態の調査を主に行いました。
もしかすると、山歩きが初めての学生さんもいたかも?

何の木の葉か分かる?


 今回は、森林生態の調査の一環として、佐渡研の学生さんが行っている、ハナイカダの調査に加わりました。

予備知識として、佐渡研の学生の研究発表も行いました。
『林縁植物ハナイカダの生活史戦略』(修士2年 戸塚聡子)

これが、ハナイカダ。葉の中央に花、実をつけます。
葉を採取中。違う葉を取らない様にね!
葉を採取した後は、根堀りに挑戦。鍬を使って、根を傷つけない様、慎重に・・・
しかし、手で掘った方が、早かったです・・・
見事に、根が掘れました!
今回の調査によって何が明らかとなるのか、乞うご期待!?
Tさん、ファイトー!!

 そして、この日は、中秋の名月!
打ち上げのバーベーキューでは、厨房のKさんから、サプライズのお月見セット!
ススキだけでなく、演習林の植物がふんだんに飾られました。
 今回の実習が、大阪教育大学、神戸大学の皆さんの、自然科学教育に少しでも役立つ事ができれば幸いです。これを機会に、まだ佐渡に来て下さいね!

2013年9月18日水曜日

育林系実習

9月9日から9月13日にかけて、新潟大学農学部生産環境科学科の育林系実習が行われました。今回は、実習の前半部分を紹介しまーす。

 実習前半に行われたのは、森林、特に人工林の手入れ方法です。

 皆さん、人工林ってご存知ですか?人工林とは、木を切った跡地や木の生えていない場所に、人の手で木の苗や種子を蒔いて、育てた森林の事です。日本では、ヒノキやスギなどの人工林が多いです。人工林を造る目的は、家や家具などの材料(木材)として使用する木を育てるためです。

 では、この人工林、どうやって育てるのでしょう?人工林の木は、家の柱などに使用する事が多いので、出来るだけ真っ直ぐに、そして柱にしたときに見目麗しい木目があるものに育てる必要があります。

 今回の実習では、人工林での植栽(木を植える)から伐採(木を切る)までに必要な主な手入れや作業を行いました。

まずは、実習の指導をして下さる技術職員さん達の紹介。
現在、佐渡ステーションには、5人の技術職員さんが勤務しております。
使用する道具(ナタ、ノコギリ、柄の長い鎌)の手入れから行います。

刃物を扱うので、皆さん、真剣です!

ナタ(上)と鎌(下)を粗さの異なる2種類の研ぎ石で研ぎます。
明日からの作業の効率は、この研ぎにかかっております。

しかし、ほとんどの学生は刃物研ぎは初体験。
技術職員さん達から研ぎ方の指導を受けつつ、研いでいきます。
皆さん、納得できる仕上がりになりました?
ここからは、実際に行った作業の順序とは異なるのですが、分かりやすくするために、植栽(木を植える)から紹介していきます。

植栽:鍬を使って、木を植える場所の地拵え(じごしらえ/木を植えやすいように、
草を刈ったり、地面に落ちている枝などを片付ける事)を行った後、苗木(今回はスギ)を植えます。
下刈り:苗木に十分な光、養分が届くように、苗木がある程度育つまで、
定期的に雑草を鎌で刈ります。(上)草刈り前、(下)草刈り後
除伐:人工林で、育てる木(今回はスギ)以外の木を取り除いて行きます。
ナタやノコギリを上手に使っていきます。つる性の植物も以外と手強いぞ!

枝打ち:木に梯子をかけて昇り、枝をノコギリなどで、付け根付近から除去します。
この作業によって、無節性の高い材を計画的に生産する事出来ます。
また、森林内の光環境を調整することにもつながります。

間伐:木が空を覆う程育ってから、伐採するまでの間に、林の木の密度や成長を
調整するために、成長不良木や枯死木などを除きます。
さすがに、ここまで育ったら、伐採にはチェーンソーの出番です!

木を伐採する方法の一つとして、まず、木を倒す方向に三角状の受け口を作ります。
木を倒す方向は、周囲の木の状態、斜面の角度、空間などから最適な方向を決めます。
その後、受け口の反対側、受け口よりちょっと高い位置(追い口)から
チェーンソーで水平に切り込みを入れて行くと、受け口の方向に木が倒れます。


絵で現すとこんな感じ。
ちなみに、切り株の表面は真っ平らではなく、段々になります。


 チェーンソーを使った、伐採は、技術職員さんのお手本では簡単そうに見えますが、実際にやってみると難しいです!思った方向に倒せなかったり、受け口を上手く作れなかったり・・・

 学生の皆さん、本当にお疲れさまでした!そして、技術職員の皆さま、お忙しい中の技術指導、ありがとうございました!

2013年9月17日火曜日

コブダイの弁慶!?

本日から20日金曜日まで、大阪教育大の実習です。実習内容は後日報告しますが、今回も初日から豪華な夕食が並びました!
郷土料理と季節の栗ごはんでお出迎えです!
ん?奥に見慣れないものが・・・
こ、これは・・・
大きな歯!
おでことあごがプニプニです。
プレイバック
コブダイでした!!
もちろん、先日お別れ会をしたという佐渡の有名なコブダイ「弁慶」ではありません。あしからず。。

台風一過

台風18号が日本列島を通り過ぎ、今日は台風一過の秋晴れです。被害にあわれた方には、お悔やみを申し上げます。
雲一つない青空ですが・・・
海の色が浅瀬から沖まで茶、青、濃い青と変わっています。
波が海水をシャッフルした影響もありますが・・・
流路・川幅が短く、高低差のある大佐渡の川では
たくさんの支流で氾濫し、土砂が流出し、
その土砂を含みながら、一気に海へと流れます。
(大倉川)
普段の大倉川はこちら→ http://sadoken.blogspot.jp/2013/05/527-31.html

道路が塞がり、稲刈り前のコメも倒れています。これらの影響を人間社会では「自然災害」と呼び、生態学では「自然攪乱」と呼びます。攪乱には、生態系の変化がもたらすプラスの効果もあります。しかし、いざ被害を目にすると、攪乱を含む生態系のプロセスに配慮した生態系管理を目指すことの困難さを感じます。一方で、被害を食い止めようとする防災だけでは抑えきれないことも確かです。まずは変化のプロセスを理解し、周知し、その上でどのような管理を行うのか、客観的に判断することが大事かと思います。

2013年9月12日木曜日

シャチホコガの幼虫

育林系実習中に学生さんが見つけたシャチホコガの幼虫です。サワグルミの葉についていましたが、クルミ科、ブナ科、ヤナギ科、バラ科、ミズキ科、シナノキ科、マメ科などなど、広葉樹の葉を食べて育つそうです。
歩いているところ
足を開いて震わせて、威嚇します
最終形態?足をたたんでシャチホコポーズ。
周囲の環境に溶け込みます。
口直しに?ゴマナの花です。

2013年9月9日月曜日

京都大学、共同利用実習(9/2~9/6)  Part. 3

 先週の京都大学、植物分類、生態実習のpart. 3(最後)です。

京都大学の実習と合わせて開催した、第10回佐渡ゼミの様子をお伝えします。

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第10回佐渡ゼミ
 9月5日17時00分〜(40分ほど)
 「乾きに耐える、世界自然遺産の小笠原樹木」
 京都大学 生態学研究センター 石田厚 教授
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 発表者の石田先生は、研究調査のため、これまで何度も小笠原諸島に渡航されているそうです。小笠原諸島の植物が乾燥に対し、いかに応答して生育しているのか話して下さいました。

発表の後の質疑応答も盛んに行われました。
  また、この後のBBQでは、小笠原での生活(小笠原までのフェリー、お買い物、などなど)についてもお伺いできました。こちらのお話も、大変興味深かったです!

石田先生、ありがとうございました!

2013年9月8日日曜日

京都大学、共同利用実習(9/2~9/6)  Part. 2

先週9/2-6の京都大学の植物分類・生態実習part2です。京大の先生が指導をしていたので、今回は写真を撮る時間がたっぷりありました。part 2では、主に生物写真をアップします。

まずは訪花昆虫と花・・・
オオマルハナバチ♂と
ヤマルリトラノオ(シラゲエチゴトラノオ)
サカハチチョウとオトコエシ
マルハナバチに擬態するアブ(オオハナアブ?)
セセリチョウの仲間はつぶらな瞳が大きくてかわいいです。
複眼ですが・・・
さらに右にはヒラタアブが吸蜜中。
アメバチの仲間
ナミアゲハとクサボタン
ヒョウモンチョウとマルバキンレイカ
マルハナバチに擬態したアブとハンゴンソウ
エゾリンドウとホウジャク
エゾリンドウとトラマルハナバチ
ヤブガラシとホウジャク
次は植物編です。
ミヤマナルコユリ(左)とオオナルコユリ(右)
秋の代名詞 ノコンギク
ドンデン山稜線ではヤマハハコが開花
ウメバチソウは風衝地に多く咲いていました
ミヤマコゴメグサ
光合成もしますが、他の植物から栄養を吸収して
生長する半寄生性の植物だそうです
ゲンノショウコ
下痢では温めて、便秘では冷やして飲む生薬
ダイモンジソウ
花弁が大の文字に見えます
こちらは光合成をおこなわない無葉緑ラン
巨大なツチアケビの株です
そして、海岸の大岩、大野亀のシシウド

注目を集めたのが・・・
よく見かけるミゾソバですが・・・これは開放花です。
そして・・・地中には閉鎖花があります。
流れが速いところでは自家受粉で種子を作り、水散布させるのでしょうか?
最後に・・菌類です。
このオブジェのようなものは・・・
チャダイゴケ(拡大)でした
他にもたくさんの花や昆虫、菌類(冬虫夏草もありました)が観察できました。そして、興味深い話を聞くことが出来、大変勉強になりました。学生さんもいい経験になったのではないかと思います。いずれ佐渡生物図鑑としてホームページに整理したいと思います。