2020年11月12日木曜日

2020/11/9 東邦大学理学部との連携オンライン講義を実施しました

新型コロナウイルスの影響により、大変残念なことに、今年度はこれまで学外からの実習受け入れは無しという状況になってしまいました。

毎年10件以上の実習で30以上の機関に利用していただいていたので、寂しい限りです…。


そのような折、東邦大学理学部生物学科の教員との連携により、同大の実習科目の一部の講義をオンラインで佐渡演習林の教員が担当するという試みが実施されました!


今回は、新潟大学の農学部で実施されている「フィールド安全論」や「フィールドワーカーのためのリスクマネジメント実習」をベースとして、野外調査の初心者に向けた安全対策の重要性や具体的な注意点を学ぶことができる内容です。

過去に起きた実際の事故事例の紹介から始まり、野外活動の際の詳細なスケジュールや連絡先の共有方法、保険手続き、天候や地図の読み方、オフロードでの自動車走行、傷病時の手当てなどなど、実践的に役立つ知識が中心です。

1ターム分の講義&実習から重要な部分を2コマ(90分×2回)にぎゅーっと凝縮したため、盛りだくさんの講義となりました。

東邦大学からは教員1名、大学院生2名、学部生12名の計15名が参加してくださいました。

教員も一人ずつ、個別のパソコンから参加します

受講者の学生さんの多くは、まだフィールド経験が少ないようでした(コロナウイルスの影響がなければ今年から野外でばりばりと作業する予定だったとのこと)。

受講後の感想では「大変参考になった」「危険はすぐ近くにあるということを頭に入れながら調査を行っていきたい」などの声が多く聞かれ、これから実際の自分の活動と結び付けて活用してくれることを期待しています。

早く野外に出たいとうずうずしている方も多いと思いますが、今回の内容を思い出しながら安全に楽しい調査を行って下さいね。

別室から講義中のH先生

…確かに自分が学生の頃の調査活動を思い出すと、調査に出る前には考えてもいなかった危険に遭遇することも多かったですね(熱中症で人気のない林内で動けなくなったり、スズメバチの巣にニアミスしていたり…)。

ヒヤリハットの積み重ねから後付けで対策してきたことばかりで、意外と安全に野外調査を行う方法を体系的に教えてもらう機会はなかったように思います。

楽しい野外調査と重大事故の発生の差は、きっと紙一重なのでしょう。


「絶対に安全な野外調査などない」

この言葉を忘れずに、今一度装備の安全性や道具の使い方などを確認しておこうと思いました。


全国的に対面授業も再開し始めたようですが、いきなり元の水準には戻せないため対面とオンラインを組み合わせたハイブリッド形式で実施する大学も多いようです。

そのようなときに、オンライン講義でも佐渡と遠隔でつながったり、こちらが現地の生物や自然景観を映像でお届けしながら説明をする、といった連携講義も今後行われるかもしれません。


この新型感染症の全世界的な収束の目処はまだ立っておらず、当演習林でも来年度以降の学外実習の受け入れ可否は不透明な状況が続きそうです。

(以前のような定員もスケジュールも密状態での受け入れは難しくなりそうですね。少しずつでも回復できれば良いのですが…)

今後もこのような新しい形式での共同利用や教育研究活動の方法を模索していく必要があります。

直接、佐渡の演習林に来て生の森林や自然環境を体感していただけないのは残念ですが、オンラインであるからこその利点を生かした方法も考えていきたいと思います。


利用機関の皆様からも、ご提案やご相談があればお気軽に連絡していただければありがたいです!

利用者のニーズに合った「新しい共同利用形式」を一緒に考え、作っていきたいですね。


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