2020年7月14日火曜日

公開林間実習2020(日帰り形式)のお知らせ(佐渡島民限定/10月初週を予定)

新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、毎年佐渡島内外から多数の方にご参加いただいている公開林間実習(一般公開 1泊2日/新潟大学公開講座)は中止となりました。

上記に代わり、今年度は「公開林間実習2020(日帰り形式)」としての実施を予定しております!!

感染拡大防止への対応のため、参加人数や実施内容に制限をした上での開催となる見込みです。
また遠距離異動に伴うリスク低減のため、今年度は「佐渡島民限定」での開催とさせていただく予定です。

・日程
10月3日(土) ※同内容で10月4日(日)と2回に分けて実施する可能性もあります

・スケジュール予定
9時半ごろ(集合)~15時半ごろ(解散) ※内容は後日お知らせします

・注意点
佐渡島民限定、昼食は持参の予定


募集と実習内容の詳細については、8月末頃からブログ・HP等でお知らせする予定です。

遠出することが難しい時期ですので、この機会に佐渡島にお住まいの皆さんは「新潟大学 佐渡演習林」で普段は見られない森林の生物観察をしてみませんか。
ぜひご検討下さい。

2019年度 森林に生息するネズミの観察の様子


2020年7月6日月曜日

梅雨時のキノコ調査

梅雨らしく、毎日雨だらけでじめじめした日が続いています。
九州では災害級の大雨にもなっており、心配ですね。


卒研生の菌類相調査も、今回は大雨の中行われました。
宿舎に帰ってからも連日連夜の同定作業で、なかなかしんどい1週間となりました。

スギ倒木上のヒメカバイロタケの大群生を発見

特にベニタケとクヌギタケの仲間は図鑑を見ても種同定が困難で…しばらく見るのも嫌になったかもしれません(笑)。
おそらくまだまだ未記載の種が多く存在するのだと思います。

その分、菌類に関する知識と技術は蓄えられていることでしょう。
社会に出る前の今だからこそ、興味あることに没頭できる貴重な時間だと思ってめげずに頑張ってください!!

モモイロダクリオキン…白っぽいけどアカキクラゲの仲間でした

ワカクサタケ…幼菌は鮮やかな緑色ですが成長すると地色の黄色になる面白いきのこ

センボンイチメガサ…猛毒のコレラタケの仲間にそっくりなので注意!



↓こちらは調査とは別で観察したミドリスギタケ(有毒)というきのこです。
演習林の公用車の車庫裏で、朽ちた杉の材から発生しているのを技官さんが発見して教えてくれました。
傘の上にところどころ緑色の「しみ」ができます

ひだは鮮やかな黄色、膜質のつばあり

身近でも観察できるのがきのこの面白さ。
これから秋にかけては次々と多様な種類が入れ替わっていくので、ぜひ気にしてみてくださいね。


2020年7月4日土曜日

初夏の小佐渡の花

樹木の葉の色が深くなってくると、林床では白い花が目立つようになります。
暗い林床に美しく映えるドクダミ
実は白い花びらに見えるところは総苞片
花の部分は黄色の葯のあたりで、たくさん集まってできています
アジサイの仲間のイワガラミ
白い部分は、こちらも花ではなく、がく片
エゾアジサイも咲き始めました
アジサイの青い部分も装飾花
真ん中の塊が両性花が集まっている部分です
「花びらのようなもの」でディスプレイ効果ですね。ポリネーターを集めます。ディスプレイと言えば、こちらも忘れてはいけません。マタタビの白い葉。なぜ、白くなるのかというのにはいろいろな説がありますが、葉の裏にひっそりついている花の時期に白くなるため、ディスプレイ効果でもあるかと思います(同じような仕組みのハンゲショウではポリネーターに対するディスプレイ効果が明らかになっているそうです)。
マタタビの白い葉
マタタビの白い葉は空気を含む層が白く見えている 夏が過ぎるころには緑の葉に戻ります。
白い花と言えば、イチヤクソウもたくさん咲いていました。
イチヤクソウ
下からアップ
樹木の花がたくさん落ちているかと思ったら
ツルアリドオシの花が地表で満開でした
白い花と言えば、ホタルブクロも満開です。
林縁には大きな白い花
佐渡のホタルブクロは白くて、大きい
手のサイズで大きさが分かると思います
ガクががっちりしているので、ヤマホタルブクロかと思いきや
付属片があるのでホタルブクロ
佐渡にはホタルブクロとヤマホタルブクロと、その交雑のものがあります。
ヤマホタルブクロとホタルブクロの違いは↓
http://sadoken.blogspot.com/2020/06/blog-post_18.html
何かエビネのような葉の花序
きっとアオヤギソウ
ランではなくシュロソウ科
ユキツバキの結果
林縁では意外と果実が見つけられます
ただ、熟すとヒメネズミに食べられるようで、
実生はほとんど見かけません

キノコ組が同定に苦慮しているベニタケ科
小佐渡でもいくつか見かけました
 学生さんも言っていましたが、傘を裏返すと放射状のひだの間にアリエッティたちがたくさんいました(小さい虫たちのことです)。すいません。びっくりさせてしまって。
小さい虫がたくさん。食痕もあります
山はいつ来てもいろんな発見があり、やめられないですね。

2020年7月3日金曜日

モリアオ幼生を出待ちするサンショウウオの群れ(動画あり)

可愛いタイトルに見えるでしょうか?恐ろしいタイトルに見えるでしょうか?佐渡の山には池や水たまりがたくさんあり、カエル類やクロサンショウウオの産卵地になっていますが、当然、食う食われるの舞台でもあります。
浮いている黒い影はハンマーヘッドシャーク
ではなく、クロサンショウウオ幼生
狙いは上から降ってくる
モリアオガエル幼生
この時期の佐渡の池ではよくみられる光景です。クロサンショウウオの幼生は、この時期には水面に浮かび上がっていますが、普段はこんなには浮いていません。
よろしければ動画(you tube)もどうぞ↓

2020年7月2日木曜日

下甑島のコノシタウマ?モリズミウマ?

カマドウマ!にしては小さくてきれいだなと思って写した写真。調べてみるとカマドウマの仲間はまあまあいるらしいです。ギョッとした目で見られてしまうカマドウマ属マダラカマドウマ(大きめ)、や家屋に良くいる少し小さめのクラズミウマ属クラズミウマ。そして離島には屋久島のカマドウマの亜種ヤクカマドウマなど、分化しているようです。甑島のカマドウマもそんな感じなのかと思ってみてみると
カマドウマの仲間
足は模様がなく、背中に黒い筋があります。コノシタウマやモリズミウマに近いように見えます。とはいえ、離島なので、「コシキ」コノシタウマのように分化していそうですね。コノシタウマやモリズミウマの画像を見ても、こんなに体色が淡くすっきりときれいな色の個体は見当たりませんでした。離島、まだまだ知られていない進化というロマンが詰まっていそうです!
カマドウマは森林でもよく見かけ、ハリガネムシに操られて入水し、川魚のえさになったり、ギンリョウソウなどの種子散布をしたり、生態系の中でしっかり活躍しています。
甑島列島の最高峰の尾岳(おたけ)より
中甑島や上甑島を眺める

2020年6月29日月曜日

シマヘビの食性調査・行動実験

佐渡研究室学部生4年の者です。

今回は6月調査の様子を紹介したいと思います。

私の研究は水田地帯などでよく見られるシマヘビ(Elaphe quadrivirgata)の佐渡島における食性を調べること、さらに現在佐渡のみで確認されているハゼ食(魚食)のシマヘビには頭部形態などは魚食が確認されていない個体と違いがあるのか?、一方で魚食は確認されていない個体も飼育下では魚食行うのか?などをテーマに、研究を進めています。 

コロナ禍によって研究のスタートが大きく遅れてしまいましたが、今回の調査では多くのシマヘビを捕獲・測定することができました。

河川を上りながらの計測、いろいろな生き物も観察できました。

上図は素手で採れてしまった大きなイワナです。水流が少なかったので動けなくなっていたようですね。

 下図はオオイタドリの上で休んでいたモリアオガエルです。なかなか立派な、かわいらしい表情をしていました。

そしてめずらしいとされるカラスヘビ(シマヘビの黒化型)が2匹も捕獲されました…

共同で調査を行っている先輩にもこんなこと(一度の調査で2匹もカラスヘビが採れる)滅多にないとのお話でした…とても興奮しました…。

捕獲したカラスヘビ。同じシマヘビには見えませんね。

初めての計測でなかなかうまくいかず苦戦しました。画像はカラスヘビの胃内容物確認中のものです。

そしてなんとそのうちの1匹は目の前でアユの死骸の捕食を行っていました!!!初記録のとても貴重な瞬間を見ることができ、先輩も私も興奮をしばらく冷ますことができませんでした…。

また他の河川の調査でもさらにハゼ食(シマヨシノボリRhinogobius nagoyae雌)の個体、なんとアユカケ(Rheopresbe kazika)を捕食していた個体を捕獲することができました!!!アユカケの捕食記録は初めてのことで、こちらも大変うれしかったです。

そして同時並行で進めているのが飼育下でのハゼ食実験です。こちらはハゼ類の捕食方法に対応して頭部形態が変化しているのではないかと思い始めたものです。先日のブログで上がっていたシマウキゴリ(Gymnogobius opperiens)とスミウキゴリ(Gymnogobius petschiliensis)はこちらの実験で利用させていただくため捕獲しました。

どのようにハゼ類を捕食しているのか、うまく映像として残せるといいです・・・。

なんだかいろいろ興味深いことが盛りだくさんとなった6月調査ですが、まだまだ調査は始まったばかりなのでこれからも報告させていただこうと思います。

2020年6月27日土曜日

下甑島(鹿児島県)弾丸調査

梅雨に入って、毎日天気予報を眺めながら、よし!っと思い立って鹿児島県の下甑島に行ってきました。島なので、予定を立てて行ってみたところ波や雨風で調査中断となるよりは、天気のよさそうな時を狙っていく、というのも計画のうちです。
 下甑島、あまり聞いたことがないかもしれませんが、原作Dr.コトーのモデルとなった島のようです。今年に入って、どうしても下甑島が呼ぶので、行ってきました。
銀の龍の背に乗って、到着
(ドラマのほうの舞台は与那国島でした…)

早速林内へ。アサギマダラ!
佐渡島にも来ています
ウスコモンアサギマダラ、リュウキュウアサギマダラ、タイワンアサギマダラなど、色々いるらしいのですが、おそらく佐渡でもおなじみのアサギマダラ。結構飛んでいました。
おそらくミヤマヨメナ

コシキジマシライトソウ
固有種です!
群生しています

ニシノヤマタイミンガサ
花も咲いていました。甑島が南限です
実は今回の調査、南限のホタルブクロや、ツリガネニンジン属のサイヨウシャジン、そしてツバキ属のサザンカがお目当てでした。
ムサシアブミ
なんか南方系という感じの植物ですね
テンナンショウ属です

ムサシアブミの果実

ユウコクラン
後ろのコシキジマシライトソウに気を取られますが
目の前に地味で優美なランがいました
甑島は、植物の北限、南限のものも多く、佐渡みたいですね(笑)。固有種もちらほら。色々紹介したいですが、きりがなさそうなので、今回はこの辺で…
次回は北海道、奥尻島が呼んでいる気がするので、弾丸調査を行えればと画策しています!