30日のうち、演習林として実習に関与しない日は6日のみ、逆に2つの実習が重なる日も3日含まれます。
今年も、佐渡自然共生科学センターの3施設(森:演習林、里:朱鷺自然再生学研究施設、海:臨海実験所)が協力する「森里海実習」が行われました!
こちらは4泊5日で佐渡島内の森・里・海に関わる自然環境を体験するという、盛りだくさんな内容となっています。
参加者も全国各地の11大学から29名の生きもの好きが集まりました。
どこの施設でも、隙あらば自分が好きな生きものを探しに行こうとする積極的な学生さんが多いことが印象的でした。
【1日目】
両津港に到着した御一行は、まず「里」パートの実習から始まります。
トキ交流会館でさっそく里山やその周辺環境に生息する生物の講義を聴き、施設前で野生トキの観察を行いました。
観察はトキがねぐらに戻ってくる時間に設定されており、大群で飛び交うトキの姿を目にすることができました。
佐渡ならではの里山環境と生物の関係を学びます |
施設前で待っていると… |
夕空を飛び交うトキの群れ! |
夕食は立食形式で自己紹介をしながら |
引き続き里パートの実習です。
キセン城での水生生物観察やトキに関する講義、さらに佐渡島固有種のサドガエル観察と、盛りだくさんの内容です。
この日は、早朝5時前からねぐらを出るトキの観察に参加した人もいました。
夕方には臨海実験所に移動し、「海」パートの実習へと突入します。
施設前の岸壁で、灯りに集まる生物の採集と観察を行いました。
詳しい種同定は翌日に持ち越しでしたが、一部の学生さんは待ちきれない様子で、自主的に図鑑を手に観察していました。
確かに、競争率が低いこの時間ならゆっくり観ることができますね。
いざ、夜間採集へ! |
光に集まってきたサヨリも捕れました |
先生の解説に興味津々で聞き入ります |
この日は演習林は実習に参加していないのですが、海パートの実習内容が続きます。
佐渡の海環境や周辺に生息する生物の講義、磯でのシュノーケリング採集、川での生物採集を行い、各自が種名まできちんと調べたとのこと。
昼前に急激な雷雨が通り過ぎましたが、学生さん達はその前に一足早く磯での採集を終えていたようで安心しました。
【4日目】
いよいよ「森」パートがスタート!
朝一で臨海実験所から演習林宿舎に移動した参加者は、そのまま山頂付近に位置する演習林へと向かいました。
川沿いの渓畔林~スギ人工林と天然ヒノキアスナロ林~大倉シラバの草原~大王杉~風衝地~千手杉と周辺トレッキングと、こちらも盛りだくさん。
演習林を半日回っただけで、これほど多様な環境が存在することに驚いたのではないでしょうか。
渓畔林ではサワグルミとオニグルミの実の違いを学びました |
人工林の傾斜にはちょっとだけ苦戦 |
秋の花畑のような大倉シラバ |
風衝地もススキが揺れて美しいですね |
こちらはダイモンジソウ…「大」の字が見えますよね? |
千手杉の周辺では、天然杉の森林を観察しました |
モリアオガエルを見つけてうれしそう |
そして夜はお待ちかねのバーベキュー!
地元産の美味しい食材に囲まれながら、佐渡での最後の夜を楽しみました。
たくさん動いて学生達もお腹がすいたのか、少しも残さず食べてくれました!
バーべキューのあとも、翌日に提出する課題を遅くまで頑張っていたようですよ。
佐渡の植生環境はまだまだ多様です |
最後の夜はやっぱりバーベキュー! |
学生が海で釣った魚も一緒に焼いていただきました |
出発の朝は無事に課題を提出し、学生さん達も一安心の様子。
盛りだくさんの森里海実習は、佐渡島の北端近くにある大野亀での散策で締めくくりとなります。
心地よい風の好天に恵まれるなか、秋の草花が多く咲いていました。
捕虫網を手に、草地を駆け回っている学生さんもいましたよ。
長野大の高橋先生から、締めの挨拶です |
大野亀は秋晴れのいい天気! |
チョウの仲間が採れたようです |
今後は森・里・海をつなぐ重要な要素として「川」のパートを拡大し、さらにさらに内容を充実させようという案もあります。
興味をもたれた方は、ぜひ来年度以降の開催をチェックしてくださいね。
【おまけ】
演習林の林道脇に、ひときわ目を引く巨大なキノコが出現していました。
その名も、カラカサタケ。
写真のものはまだ傘が開き始めて間もないためまんじゅう型ですが、成熟すると平行に開いてさらに大きく感じますよ。
高さ約 30cm、すっと真っ直ぐ立つ姿が凛々しい |
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