1泊2日で行われるため、1日目の昼に佐渡両津港に到着してすぐに演習林の山道を歩き回り、2日目の午前に里山環境の見学とビオトープでの生物観察、トキの森公園の見学、そして昼の船で新潟へ帰る…という弾丸ツアーになっています。
この内容を約30名ずつ6班に分かれて繰り返すため、3班ずつ前半と後半に分かれて行います。
実際には、前半が17日(1班:演習林)→18日(1班:里山、2班:演習林)→19日(2班:里山、3班:演習林)→20日(3班:里山)と4日間連続の実習のようなものですね。
今回は、前半の1-3班の様子をお届けします!
(後半4-6班は7/1-4に行う予定です)
…ただ実習内容は同じため、各班の様子をまとめてご紹介しますね。
【1日目】
正午に両津港に集合し、そのまま黒姫集落から演習林に入ります。
港に到着して一息つく間もなく実習スタートです。
はじめは千手杉からスタート。
千手観音の腕のように伸びる天然スギの枝ぶりと、尾根沿いでありながら長期的に残る池と湿地を観察することができます。
どちらも佐渡演習林ならではの姿です。
1班は少し肌寒さを感じる森の中 |
2班は唯一演習林で天気に恵まれました! |
3班は千手杉周辺を散策しました |
霧の中の天然スギは存在感がありますね |
続いてご一行が降り立ったのは、演習林内でも特に強い風が吹き抜ける風衝地(ふうしょうち)。
強風のため植物が大きく育つことができない地形は、実際に降り立つと目もくらむような崖になっています。
1班と3班は霧でまったく見えなかったけれど… |
実はこんな断崖絶壁にいたんですよ!(2班の様子) |
周辺には食虫植物のモウセンゴケもいるんです |
1・2班はこの後、演習林のシンボルでもある大王杉と王様の小径(こみち)トレッキングしました。
残念ながら大雨に当たってしまった3班は、トレッキングが難しいと判断して千手杉と金剛杉周辺の短時間散策ルートに変更しました。
古いスギの枯死大木の上には、新たな若いスギや他の樹木が育っています |
スギの葉の先には水滴がトラップされ、林内雨として降り注ぎます |
3班は深い霧の中、金剛杉を見学 |
演習林内での実習のラストは、人工林です。
これまで見てきた天然スギの林と何が違うのか、学生たちはじっくり考えこんでいました。
実際に見て感じたことを、頑張ってレポートにまとめてくださいね!
技官さんが作ってくれたお立ち台から、学生に質問する崎尾先生 |
本間先生はなぜか2段目から |
長い1日は、夜まで続きます。
夕飯の後は佐渡の自然に関する講義と、翌日の里山実習に向けてトキの野生復帰に関する講義がありました。
佐渡の自然の豊かさが伝わったでしょうか |
明日も盛りだくさん…疲れてるけど頑張れー |
【2日目】
翌日は朝から国仲平野に移動し、まずは里山の二次林見学とビオトープ調査からスタートです。
NPO活動でトキが暮らす里山環境づくりに協力してくださっている方のお宅で、トキが餌を採りねぐらとして利用する里山環境を実際に見て回りました。
とりあえず見える範囲はすべて個人の敷地という広さ!!
こうした個人の方の努力に支えられて、トキも安心して暮らせるようになっているのですね。
2班は大雨のため捕獲調査ができなかったので、トキがねぐらにする林まで歩いて観察に行きました。
雨でトキ観察も難しいと思われましたが、運よく3羽の野生トキが飛び立つ場面に遭遇!
これはこれで、他の班の人とは違うものを見れたのでラッキーかな?
きれいな里山風景が敷地の一部だなんて、驚きです |
網を使った生き物の取り方をレクチャーします |
さあ何が捕れたかな |
水路でも調査します |
雨の2班は少しでも観察しようと覗き込みます |
この後学生たちはトキの森公園に移動し、施設見学をしてから両津港で解散です。
トキの森公園には、世界中のトキの仲間も飼育されています |
港で解散、お疲れさま! |
今回、1班は「強い低気圧通過後の荒波で大揺れのフェリー」、2班は「深夜の強い地震と翌日の大雨」、3班は「地震翌日の不安と大雨の演習林」と、それぞれに困難が伴う状況でしたね。
それでもめげずに実習を乗り切った皆さん、お疲れさまでした!
今度はぜひ、天候も良く安心できる状況で佐渡を満喫してくださいね。
【おまけ】
1班のビオトープ観察中、おたまじゃくしからカエルに変わる途中の子(おそらくモリアオガエル)を見つけました。
まだしっぽは残っていますが、ほとんどカエル。
体内の機能はもう陸上に適応しているので、バットの端につかまって落ち着いているところらしいですよ。
学生は「かえるじゃくし」なんて呼んでいました |
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