ツユクサは花の構造が面白く、山田孝之さんの出演するシュールな番組「植物に学ぶ生存戦略」でも、送粉者による授粉が十分でないときに自分で受粉する遅延自家受粉など、取り上げられていました。身近によく見かける花ですが、その青い花も、夏の暑さを忘れさせてくれますね!
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なんか複雑な構造です
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青い花弁だけでなく、 おしべとめしべとなんか黄色い花みたいなのが
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左の黄色い花は退化した仮雄しべとのこと 右上はめしべ 右下はおしべです |
主な送粉者であるハナアブなどは、仮雄しべや花粉の少ない上部にある雄しべに気をとられているうちに、腹部あたりにある花粉たっぷりの雄しべに花粉をくっつけられてしまいます。フフフ♪
これだけでも、面白い!
ところで、ツユクサにはツユクサCommelina communisとケツユクサC. communis f. cliataがあり、ツユクサのほうが倍数体のようです。ケツユクサには苞の外面に白い毛があります。交雑して種が出来ても、しいなになるそうです。
家の近所1キロほどの犬の散歩道で、角ごとにツユクサをとってみてみたところ…
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右の3つはツユクサ? 左の10はケツユクサ |
圧倒的にケツユクサばかりでした。
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しかも、毛が無いように見えるのも うっすらあるんですよね |
ということで全部ケツユクサかもしれません
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毛がわかりやすいのはこちら |
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苞を開いてみると2つの果実(花の跡が2つ)がありました (中を見ると1つの果実に3つ程度の胚がありました) |
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苞の中には毛はありません
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ツユクサは遅延自家受粉の例で有名ですが、先行自家受粉もするようで、「ツユクサとケツユクサの繁殖干渉下における先行自家受粉の進化」について、昨日とても興味深くセミナーを聞かせていただいていました。その調査ではツユクサのほうが多数派だったのですが、佐渡島ではケツユクサのほうが多いのかもしれません。先住効果でしょうか?ほかの場所でも調べてみようと思います。仮に、佐渡では繁殖干渉がなかったら、ケツユクサの自家受粉はどうなっているのでしょうか…?
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栄養繁殖もします
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種子散布はどのようにして行われるのか(海外だとハトという事例や、エライオソームがある種もあるそうです)も気になります。
続報:外海府の佐渡ステーションや演習林でもケツユクサでした。ツユクサがケツユクサの倍数体ならば、祖先的なケツユクサは佐渡に入ってきており、倍数体のツユクサは入っていないのかもしれません(人為的な影響の大きい国仲平野や小佐渡は入っているかもしれませんが)。クサギとシマクサギの関係を思い出します…
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