2020年8月7日金曜日

コイヌノエフデの成長記録

着実に、キノコネタの投稿が増えていますね。
個人的な「趣味のキノコブログ」になってしまわないように気を付けます。

それでも、今日もやっぱりキノコネタ。


今日ご紹介するのは、「コイヌノエフデ」というスッポンタケの仲間です。
(すみません、写真を撮るの忘れていました)

成長が早いキノコなので、いつかタイムラプスで成長記録を撮りたいと思っていたところにちょうど良い幼菌(卵)を見つけました。
4年生の学生Nくん、Hくんが絶妙な設定と時間で撮影を行ってくれたおかげで、念願のコマ撮り動画が撮れました!



始めは長径1cmほどの小さな白い卵型の菌ですが、短時間で中からスポンジ状の柄が伸びてきます。
5分間隔で60コマ=300分(5時間)の成長がこの4秒に収められています。
朝日と共に成長したようでした。

赤い部分には緑色の「グレバ」と呼ばれる粘液を着け、においでハエなどの昆虫を誘引して胞子を散布してもらいます。
花と同じようなシステムですね。

他のスッポンタケの仲間は悪臭を放つものが多いのですが、今回はほとんど無臭でした(図鑑には「木が焦げたようなにおい」と書かれています)。
キノコの種類によって、違うにおいで違う昆虫を誘っているのでしょうか…?


2020年8月4日火曜日

遭遇したらラッキー!レアきのこ「ミミブサタケ」

今回紹介するのは、こちらのキノコ。

地面から生える耳!

「ミミブサタケ(Wynnea gigantea)」というチャワンタケの仲間です。
日本全国で発生するようですが、稀にしか出会えないレアな存在です!
その希少さから、都道府県によっては準絶滅危惧種に指定されていることもあります。

なんと今回の菌類調査で、初めて出会うことができました。
おそらく佐渡島内では初の報告ではないでしょうか。

そばだてています

まるでウサギの耳が地面から伸びているかのような、不思議な形!
(H先生はロバの耳と言っていましたが)
想像していたよりも大きく、見つけたときは思わず叫んでいた…ような気もします。

耳の一部をかじる毛虫

数本の耳(状のきのこ)が、根本で束になって柄につながっています。
柄は地中深くまで伸び、菌核を形成しているようです。

食用には向きませんが、それ以上に希少な存在なので食べないでください!!
また来年、同じ場所で出会えるでしょうか…?

植物の種のような胞子

まさか実物に遭遇できるとは思っていなかったので、びっくりでした。
調査開始直後に大雨に振られて(晴れ予報だったのに…)テンションが落ち気味でしたが、見事に回復してくれましたね。


軽く刺激を与えると耳の内側(チャワン面)から勢いよく胞子を吹き出しますので、もし見つけたら優しく胞子をまく手伝いをしてあげましょう。

8/7追記:胞子を吹き出すところの動画を追加しました!
予想外の勢いです。



2020年8月3日月曜日

国際宇宙ステーション(ISS)「きぼう」が連日通過!

国際宇宙ステーション(ISS)「きぼう」が連日通過しているのが、佐渡からも良く見れます。
飛行機よりも早く、スーッと通過していきます。写真撮影に失敗したので、明日、また挑戦!
ちなみに明日は新潟は以下の時間のようです(多少前後している気がします)。
是非、夜空を眺めてみてください!

倉敷科学センターホームーページより
https://kurakagaku.jp/tokusyu/iss/iss.html#NIGATA
8 月 4 日
20 時 31 分ごろ西北西の低い空で見え始め, 20 時 34 分ごろ 南西の低い空( 21.8 °)でいちばん高くなり, 20 時 34 分ごろ南南西の低い空( 21.8 °) で地球の影に入り見えなくなる。

2020年8月1日土曜日

美しき蝶スミナガシ(墨流)

さて、東北調査に行ってきました。梅雨前線をうまくかいくぐり、連日曇りの調査日和。あ、車で移動で野外調査なので、ほぼ人と接触していません!

調査目的(植物)のもの以外でも、色々楽しめるのがフィールドのだいご味なので、それらをメインに紹介いたします。

まずは山形で見たスミナガシ。実はつぶれた獣糞にいろんなチョウが集まっており、へんなオオムラサキ(♀ってこんなだったっけな?)と思って写した写真が「スミナガシ」でした。オオムラサキ(♂)もいたのですが、写真ブレブレだったので、スミナガシのみです。
スミナガシ
羽のブルーもきれいですが、口吻の赤と目の青も鮮やか

続きまして、津軽半島のニホンザル。車のすぐ脇からこちらを観察していました。

本州と佐渡と共通する植物の形態変異を見比べるのも楽しいです。
こちらは山形の変哲もないクルマユリですが、
本州と佐渡では違うようで面白いです。
佐渡はクルマユリは花数が多く、花の斑が目立ちません。
輪生する葉も大きいです。

そういえば奥尻も佐渡島のようなタイプでした。島嶼型ですね。http://sadoken.blogspot.com/2020/07/blog-post_15.html

つづいて、青森の海岸沿い松林のキノコ(Mさんに触発されて、キノコ写真が増えました)。
キノコからキノコ(同種かな?別種かな?)

→「キノコからキノコの追記です。Mさんより、ヤグラタケという菌寄生菌でキノコ型になるのはこの種だけとのこと、クロハツやシロハツなどに寄生するそうです。結構すぐに劣化してしまうので、きれいな子実体だそう。ほかに調べてみたところ、学名Asterophoraはギリシャ語で「星を載せた」という意味を持つとありました」

その場所は、タマゴタケ天国でした。あらゆるところからこの可愛らしいキノコが顔を出していました。とても美味しいキノコとして知られています。
タマゴタケの成長
傘が開くとこんな感じ
今年は長雨のせいか、キノコ多いですね。ただ、植物探索ときのこ探索は両立しないので(使う目線が違います)、2頭を追わないよう、植物に集中しながら調査をすることを心掛けました(笑)

おまけ*というか、こちらが調査の目的だったのですが・・・
山形のマッスルユキツバキの葉
山形のユキツバキ
分かりにくいですが、側脈がしっかり盛り上がり
腹筋のようなマッスル感!
遺伝的には、とても純粋なユキツバキですが、なんか顔つきが違う(←形態が他と違ことを言っています)ユキツバキでした。ウワミズザクラの葉を想像するようなパットでした。そういえば、同属の茶(チャ)の葉っぱも、マッスルですね。

2020年7月31日金曜日

カメムシタケ軍団の襲来!

1か月が経つのは早いですね。
まだ湿気が多くぐずついた天候ではありますが、今月も菌類調査の週がやってきました。

例年は梅雨が明けて高温+乾燥のため、一度キノコの発生も減少する時期のはずなのですが…
今回は梅雨が終わらない上に気温が低い状態が続き、「梅雨時期に発生する種類」と「初秋に発生する種類」が共に観察され、予想以上に多様性が高い状態になっている印象を受けます。

その中でも、林内で多数観察されたのがこちら。

総勢 22本!

前々回のブログ記事でもご紹介した、冬虫夏草「カメムシタケ」です。
今年の長梅雨の影響なのか、佐渡で元々多いのかは、まだわかりません。
暗い林床でひっそりと生えていることが多いため、あまり注目されていなかっただけかもしれません。
調査もまだ行程の3分の1しか進んでいませんので、来週さらに標本が増えそうです。

様々な種類のカメムシに寄生するそうですが、よく見るとこのカメムシの中にも違う特徴があるため複数の種類が混ざっていそうです。
(カメムシの種同定はできていません、ごめんなさい)

お尻に大きなツノがあったり

肩幅がごつかったり

また、通常はキノコ先端がオレンジ色でぷっくりと膨らむのですが、2個体だけは赤く細長いものが観察されました。

ちょっと変わった形のタイプ

ちなみに、演習林の宿舎にも毎年カメムシが大量発生しますが、そのカメムシ遺骸と比べても種類は違うようでした。

…カメムシの種類や発生環境に傾向はあるのか?
…カメムシにいつ、どうやって寄生して生活しているのか?
…先端が太くならないものは未成熟なだけ?同じ種類?
気になることはたくさんありますね。

臭いにおいで厄介ものなカメムシですが、カメムシタケはにおいがしませんのでご安心を。

部屋の中で遺骸を掃除するのは少々気持ち悪くて苦手なのですが、なぜかカメムシタケの状態になると気にせず触れてしまいます(笑)
少しかわいいとさえ思えてくる…?

身近な人工林の林道沿いなどで見つかることも多いので、気になる方は探してみてくださいね。


2020年7月30日木曜日

佐渡でも豪雨…倒木(+キノコ)にもご注意を!!

九州での豪雨に続き、今週は東北地方を中心に再び豪雨被害が起きてしまいました。
佐渡市内でも、大規模な道路の落盤があったようで心配ですね。
被害に遭われた皆様に、心よりお見舞い申し上げます。

幸い演習林の林道では、現時点まで大きな被害は確認されていないようです。
しかし、大雨の後では複数の倒木や落石が発生していました。
直接的な水害だけではなく、雨が止んだ数日後までこのような二次被害にも気を付ける必要があります。


今回倒木した樹木の一部(ハリエンジュ/ニセアカシア)では、倒れた幹の内部が白っぽくすかすかの状態(白色腐朽)になっていました。
そして、根際にオレンジがかった大きなサルノコシカケ型のキノコが発生していました。

こちらは「ベッコウタケ」というキノコだと思われます。
(胞子は大雨で流れてしまったのか確認できませんでしたが、子実体の形状から同定しました)

都市部でも街路樹の急な倒木の原因となりうるため、「有害菌」として注意喚起されていることが多いようですね。

幅約15cmほどの子実体…これより一回り大きいものも一緒に生えていました

材の内部は、樹皮近くぎりぎりまで普及が進んでいた様子

木材を腐らせて分解する「木材腐朽菌」の仲間は、森林の物質循環を維持するためには欠かせない存在です。
しかしこのベッコウタケが厄介なのは、まだ生きている樹木の内部に侵入し、樹木が見た目には元気に育っているまま内部だけを腐らせるという点。

一見すると葉が生い茂り弱っていそうにもない樹木なので、倒木するまで腐っていることに気が付かなかった…なんてことも多いようです。


この倒木ケースでは、知らず知らずのうちに内部で菌(キノコ)による腐朽が進み、また樹上ではつる性の植物が巻き付いて重みが加わっていたところに、大雨が最後の一押しをしてしまった…というような、複合的な要素もあったようです。


いずれにしろ、このキノコが発生してしまった樹木は既にちょっとした刺激で倒れやすい状態になりやすくなっています。
今後も台風などで似たような事故が起こりかねませんので、どうぞ防災の参考としてキノコにも注意してみてください。



2020年7月25日土曜日

4連休もキノコ三昧

今週も周辺の山で菌類の材料探しをしていたところ…
とてもおもしろいキノコたちを続々と発見しました!

他にも多数のキノコを動画として記録したのですが、個人的ベスト3(+1)はぜひ見ていただきたい!
というわけで、動画を作り終えるまで待てないので一気にご紹介します。

①美しい朱鷺色!!佐渡にぴったりな「トキイロヒラタケ」
②地味な普通のキノコ…と思いきや、裏返すとびっくり鮮やかな「ウラムラサキシメジ」
③謎のもふもふ「オニイグチ属幼菌」

④おまけの「カメムシタケ」 

どれも一押しのインパクトが強いキノコです。


①トキイロヒラタケ
まずは、とにかく写真を見てください。
森の中に鮮やかな朱鷺色!

佐渡にぴったり!

胞子紋までピンク!

実は食用キノコとしても人気があり、昔栽培品は食べたことがあるのですが…
野生株を見たのは初めてでした。
朽ちたつる(フジ?ツルアジサイ?)に生えていました。
「トキ」を冠するキノコが佐渡で見つかったというのも嬉しいですね。

さっそく、分離培養にも挑戦中。
菌糸はどのような色なのでしょうか?


②ウラムラサキシメジ

道端の草むらに茶色い傘の群生を発見したときは、「お、でかいイグチが出てるなー」くらいにしか思っていなかったのです。

ハート型にも見える

それが…裏返してびっくり。

予想外にムラサキ!そしてイグチじゃない

こちらも初めて見ました。
発生が比較的稀な種のようで、「日本のきのこ(新版、山と渓谷社)」には掲載されていません。
先日「北陸のきのこ(特別版、橋本確文堂)」を眺めていたときに初めて認識した種で、ちょうど頭の片隅に残っていました。

胞子は白く、まきびしのような特徴的な形

まさか、こんなにすぐに出会えるとは。
しかも大量発生。
実は佐渡では稀ではなかったりするのかも…?
興味は尽きず、もう少し詳しく調べている最中です。


③オニイグチ属幼菌

こちらは、教材用にチチタケ属菌を探していた時のこと。
倒木に沿うように、猫のしっぽのような細長いもふもふの塊を発見。

気持ちよさそうな毛並み!

意外と足(柄)が長い(12cmほど)

傘裏まで完全にもふもふに包まれいる

思わず、「…あなたはだあれ?」とキノコに話しかけてしまいました。
(一緒にいたA先生が「名前はまだニャイ」と答えてくれました笑)

実験室に持ち帰り、図鑑から「ワタカラカサタケ」の仲間だろうかと推測し、さあ胞子を確認しようと縦に割ったところ…。

断面がみるみる赤く変色

そして黒変、管孔!

これは…イグチ!?

図鑑のイグチ科のページを急いで確認すると、オニイグチが近いようです。
幼菌なので特徴が当てはまらない部分もあり、正確な種までは確定できませんでしたが。

胞子は網目模様があるが、とげがやけに長い…気がする


私が過去に見たオニイグチ(成菌)は、もっと黒くていかにも鬼のような猛々しいイメージ。
…まさか、幼菌の頃はこんなにもふもふと柔らかく、かわいらしい姿だなんて知りませんでした。

ただ、このグループはまだまだ隠蔽種が多いようです。
そのうちちゃんと成長した姿のキノコが見つかったら、改めて観察してみたいですね。


④カメムシタケ(おまけ)

こちらは前回に引き続いて冬虫夏草の一種、カメムシタケです。

土の中からマッチ棒のようなキノコがにょろり

直径数ミリの小さなきのこですが、蛍光オレンジの先端が異様(?)な雰囲気を出しているので慣れるととても目につきます。

カメムシ付きだとこんな感じ

佐渡では比較的簡単に見つけられます。
また、カメムシから延びる黒い棒の部分も硬く丈夫なため、掘り出すのも簡単!
元から乾燥気味なので標本にして保管するのも簡単!

そのため、見つけるとついつい掘り出してコレクションしてしまう一品なのです…。
そのうち研究材料にもなるかもしれないので、こつこつと集めていきましょう。