2020年5月28日木曜日

連結杉とオオイワカガミ

連結杉と呼ばれる、雪の影響で枝や幹がくねくねと連結している造形美の杉の根元に、オオイワカガミが美しく彩(いろどり)を添えていました!
季節によって、杉の表情が変わりますね!
先日は小佐渡のギンランやエビネを紹介しましたが、大佐渡でもランが花盛り。昨日アップしたクマガイソウをはじめ、暗い林床に美しいランがひっそりと咲く季節が来ました。
こちらはよく見られるコケイラン
この後、サイハイランもたくさん咲きます
しかし!毎年愛でていたサルメンエビネは見当たらず。葉もなく、盗掘でしょうか(泣)
ほんとうに止めていただきたいです。盗掘は生物の絶滅要因の大きな原因の一つです!

2020年5月27日水曜日

待ちに待った学生のフィールド調査始まりました!

いよいよ佐渡島での学生のフィールド調査が始まりました!時はすでに新緑。しかし、佐渡島の大佐渡稜線は雪解けが遅いので、まだ春植物がみられます(シラネアオイとか)。

山の上の側溝の水たまりから、生みたてクロサンショウウオの卵嚢も採取できました!
一対で一腹分。慎重に掬い上げます。
雪解けの水たまりや池には、サンショウウオ、ヤマアカガエル、モリアオガエルが卵を産みに来ます。
池で釣り?
いえ、水深を測っています。
こちらは5月15日には水が干上がっていた水たまり
雨のおかげで復活しました!
 干上がっていた時の水たまりには、タヌキやアカネズミが来ていましたね。しかし、再び水がたまると、全滅したかと思ったサンショウウオ幼生も生き残っていました!
http://sadoken.blogspot.com/2020/05/blog-post_15.html
1週間前は蕾だったクマガイソウも
満開!
両生類調査でしたが
季節の花も楽しみつつ調査するのがお約束
そうそう、今日はアカショウビンを見ました。声は聴けども姿は見えず、のアカショウビンですが、車の行く先をばっちり横切ってくれました!

新緑の佐渡島の生物を目いっぱい楽しみながら、研究に邁進していただけたら嬉しいです!

2020年5月23日土曜日

イワナシの果実がありました(ツツジ科です)

昨日に引き続き、今日も小佐渡方面。女神山から男神山です。
イワナシ
ナシとついていますが、果実がナシに似ているというだけで
ツツジ科イワナシ属です。
wikiでは花期は5-6月と書いてありますが、
佐渡では4月には開花し、すでに果実。
食べるには少し早いかな…
日本海要素植物の一つですね。本州では林縁の岩に多いようですが、佐渡では稜線の岩場にあります。

同じような場所(岩場)には、やはりツツジ科が多いです。その一つ…ん!?ガク長すぎヨウラクツツジ‼
ご存じ、ガクウラジロヨウラク
ウラジロヨウラクの変種で日本海側にあります。
ただ、この個体、ガクウラジロヨウラクの中でも
萼が長すぎ…
同じような場所にオオコメツツジもあります。
開花は7月ごろ。
佐渡では小佐渡にしか生育していません。
展望できるところからの風景。
里山の新緑、美しいです!
こちらは新潟側。
奥にうっすら弥彦山も見えるのですが…
来週から、学生さんがようやく佐渡で研究を始めます。コロナも終息して、研究に取り組めることを祈ります!

2020年5月22日金曜日

無料で読める専門書

崎尾教授がSpringer 社から専門書を編集出版しました.本書籍は,渓畔林の研究成果を英文書籍として出版したものです.30年以上にわたる埼玉県の秩父山地の渓畔林の研究成果をまとめたもので,樹木や草本の生活史,共存,地表徘徊性昆虫,鳥類などの長期間の変化などがトピックです.ニホンジカが森林植生に及ぼす影響や温暖化が樹木の繁殖に与える影響も明らかにしています.カラー写真も多用しているので,楽しんでいただければと思います.この書籍は,オープンアクセスですので,世界中誰でも無料でダウンロードできます.コロナウイルスで大変な時期に,多くの方に無料で読んでいただければと思います.下記からダウンロードできます.

書名 Long-Term Ecosystem Changes in Riparian Forests
編著者  Hitoshi Sakio
出版社 Springer
価格 無料でダウンロード

里山のラン

今日は基礎農林学実習の里山編の教材撮影です。ちょっと林に入ると、きれいなランが咲いていました。大佐渡と小佐渡で見られる植物も変わるので面白いです。
エビネ
北海道から沖縄にかけて広域に分布しますが、最近は珍しくなってきたラン。
管理された里山の少し明るい林内で見かけます。
管理された里山が少なくなれば、当然減少していきますね…

環境省RBDでは準絶滅危惧種です。
演習林ではエビネよりサルメンエビネが良く見られます。

こちらも里山を代表するラン。
ギンラン
場所によっては準絶滅危惧種にも指定されています。
花序になっていなかったのでチゴユリかと思いました…

2020年5月20日水曜日

海沿いの花「トビシマカンゾウ咲きました!」

海沿いも賑やかになってきました!トビシマカンゾウのオレンジとハマダイコンのコントラストが鮮やかです。
このトビシマカンゾウ、山形県酒田市の飛島が名前の由来ですが、どうやら佐渡原産のようです。最近、論文が出たようです↓新潟日報より
https://www.niigata-nippo.co.jp/news/local/20200325533190.html
スカシユリ(イワユリ)も
沿岸の岩にはマルバシャリンバイが満開
トビシマカンゾウがアクセントです
マルバシャリンバイ
ミヤコグサ
北海道から沖縄まで、広域に分布しています
マメ科なので、鞘のある種子が出来ます
ハマヒルガオ
これから、トベラやハマナス、ハマボッスなど、続々と咲きます。

2020年5月18日月曜日

5月上旬~中旬の佐渡の花々

ゴールデンウィークが明けて以降、佐渡も急激に暖かく(ときには暑いほどに)なりました。
周囲の自然も、すっかり春らしさが消えて緑が濃くなってきましたね。
イネ科花粉症の身にはつらい季節です…。

さて、今日は相川や小佐渡の山中、演習林などで観察された花々をご紹介します。
ボリュームたっぷり目でお届けします。

緊急事態宣言は解除されましたが、まだしばらくは長距離の移動を控えて用心しましょうね。
アケビの雌花...紫色の3枚の萼(がく)とチューブ状の雌しべが、宇宙人のような奇妙な形です
アケビの雄花...雌花とは違い萼が白っぽく、雄しべはほぐれた毬のような形です
石垣の隙間からは多様な植物が顔を出しており、おすすめの観察場所です
ヤブニンジン...小さい白い花が、線香花火が飛び散るように咲いています
タニギキョウ...葉が透き通るような淡いグリーンで、小さく可憐なキキョウの仲間です
ヤマシャクヤク...白い大きな花は存在感が抜群で、つい中を覗き込みたくなります
クマガイソウ...開いた扇子のような葉も目を引く、ランの仲間です
まだ蕾でしたが、ちょっと失礼して萼をめくると、おじさんのあご(のような花)が膨らみ始めています
シラネアオイ...中心には雌しべが2つ、段々と人の顔に見えてくる?(私はボタンに見えます)
ザゼンソウ...何だかイモっぽい葉(悪口ではない)がいるなぁと思っていたら、それがザゼンソウでした
サンカヨウ...昨年はこれほど雑草のように多く生えていた記憶はないのですが…気づかなかっただけでしょうか

そして、何よりもご紹介したいのは…

サンカヨウに気を取られて立ち寄った場所で、急斜面の上部に見慣れない濃いピンク色を発見!

オオサクラソウです!
昨年は花期に遭遇し損ねたため、念願かなっての初対面です。
オオサクラソウ...とても野生の株とは思えない、洗練された姿です

こちらは、しっかり根付いていそうな立派な株

サクラソウの仲間は園芸品種としての人気も高いため、乱獲の対象となり野生株の数は激減してしまいました。
生息に適する環境も減り、ますます希少な存在となりつつあります。

花には雌しべの長さが異なる2タイプがあり、違うタイプ同士で受粉を行うことで近親交配を避けているそうです。
短花柱花(雌しべが雄しべより短く見えない)タイプ...5つの雄しべがきれいに並んでいます
長花柱花(雌しべが長く飛び出ている)タイプ...わかりやすいくらい飛び出ていますね
通常は両タイプがおよそ半数ずつ存在すると考えられますが、急激な株数の減少などでタイプに偏りが生じると、遺伝的な多様性も低くなってしまいます。
今回見つけた個体群は6株とそれほど大きな群落ではありませんが、花タイプはちょうど3:3でした。

佐渡演習林は貴重な自生地なので、このまま長く咲き続けてほしいです。


【おまけ】

阿部先生が演習林内で面白いかたくりを発見しました。
最初は何だ!?と思いましたが、蕾のときに誰か(ウサギでしょうか)に先端だけかじられちゃったんですね。
後ろが本来のカタクリの花、中心の模様だけきれいに残って別の花のように見えます