2014年8月26日火曜日

公開林間実習2014

 長年実施している公開林間実習を、8月23、24日(1泊2日)の日程で開催しました。通常、佐渡ステーション演習林は一般の方の入林をお断りしているのですが(エコツアー除く)、公開林間実習では、佐渡ステーション演習林の取り組みを知ってもらおうと、一般より参加者を募集しています。
 今年の参加者は14名で、遠方の他県から参加して下さった方もおりました。

 それでは、今年の公開林間を紹介していきます!

 1日目は、森林で動物調査の体験です。今回は、ネズミと昆虫を捉えるためにシャーマントラップ、ピットヒールを使用しました。

まずは、皆さまとご挨拶。遠い所からありがとうございます。
楽しんで行って下さいね。
シャーマントラップの組み立てや、仕掛ける場所について説明を受けた後・・・
各自、仕掛けて行きます。ネズミの通りそうな場所を探して慎重に・・・
今回は、林床に仕掛けて行きました。中には、ネズミのエサが入っています。
次に、昆虫を捉えるためのピットホールです。
穴を掘って、プラスチックのコップを埋めます。落とし穴の要領ですね。
1日目の作業は、トラップを仕掛けて終了です。結果は明日のお楽しみ。 
夕飯は、佐渡ステーション恒例のBBQです。
参加者には炭をおこす所から準備していただきます。
これも、良い体験になるはず?
今回は、佐渡の美味しい物を余す事無く味わって頂きたく、
豪華食材を取り揃えました!佐渡牛、アワビ、サザエ、
イカの一夜干し、その他の魚介類に佐渡の地酒など・・・
2日目に備えて、食べて飲んで、十分に体力気力を養いました!

2日目は、昨日仕掛けたトラップの回収からです。
中にネズミは入っているのかドキドキ・・・
トラップにネズミなどが入っていた場合の回収方法の説明を受け、
いざ、オープン!!
約40個のトラップから、7匹のアカネズミを捕獲しました。
一通り観察した後、解放しました。
(ネズミを捕獲する場合、必ず手袋をしましょう。)

ピットホールでも様々な昆虫を捕獲する事ができました。
沢沿いに仕掛けたピットホールにはサワガニが入っていました。
大まかに分けた後、皆で観察。どのくらいの大きさの虫が入っ
ていたのか?何種類くらいの虫が入っていたのか?など・・・・

生き物観察の後は、王様の小径のトレッキング。
皆が真剣に写真を撮っているのは・・・
言わずと知れた(?)、王様の小径の主、大王杉です。
相変わらずの堂々とした風格です。
写真を撮るだけでなく、大王杉の側にある別の杉の樹高の
測定にもチャレンジ!超音波を用いた測定機器を使用します。
樹高は約24mでした。
最後は、ボスの総括で締めました。
 参加者の皆さま、遠い所からありがとうございました。佐渡の自然は、見所がまだまだ沢山あります!また、いらっしゃって下さいね。

2014年8月25日月曜日

暑気払い

 夏もそろそろ終わりですが、先日、佐渡ステーションの暑気払いを行いました。


教職員、佐渡研の学生、全員参加でした。ボスの挨拶と乾杯の音頭で幕は開け・・・
 今回の暑気払いは、学生さん達が主になって準備をしてくれました。
佐渡のお寿司、お刺身、そして豪華なオードブルに・・・
お酒の差し入れもちらほら・・・

佐渡で作られているチーズをトッピングしたサラダ(美味しかったです!)
普段は忙しくて滅多に佐渡に来れない、博士課程・社会人コースのNくんや
研究室見学に来ていた3年生のMくんも参加してくれました!
 皆さま、お疲れさまでした!!

 暑い夏と、実習と卒論&修論研究調査はまだまだ続きますが、がんばりましょう!

2014年8月21日木曜日

DNA抽出はじめました

お盆も終わり、にわかに佐渡ステーションが活気づいています。調査、実験、暑気払い、公開林間実習など、盛りだくさんの8月後半戦です。
今週から修士課程1年のM君が、研究対象のヤブツバキとユキツバキのDNA抽出を始めました。うまく抽出できているか、これからPCRをして確認します。
PCRの準備中
サンプルが粉砕しにくい・・・など問題も起きましたが、うまくいくことを祈っております。
(のちほど、DNAがうまく増幅さえていることが確認できました!)
研究内容については以前のブログをご覧ください↓
http://sadoken.blogspot.jp/2014/05/blog-post.html

2014年8月13日水曜日

第14回佐渡ゼミ、樹木生態学特論ー佐渡フィールドスタディー

 皆さま、こんにちは。佐渡ステーションも本日から夏期休暇に突入です!お休みに入る前に、実習ブログの更新です。

 7月30日〜8月2日(3泊4日)に大学院生を対象とした、樹木生態学実習(佐渡フィールドスタディ)が実施されました。実習に併せて第14回佐渡ゼミも開催されました。

 今回の実習は、新潟大学の学生だけでなく、静岡大学からも学生さんが参加されました。また、実習で行うRを使用した統計解析の特別講師(国土技術政策総合研究所 上野裕介さん)の方も参加して下さいました。
 実習内容は、さまざまなタイプの森林に分布する植物の形態や生活史特性を比較し、その生活史戦略を学ぶ。また、草地の生態系が牛の放牧圧や環境とどのような関係があるかを、実際のフィールドでデータを取って統計解析を行いました。
 
佐渡に到着後、すぐに野外実習開始です。かつての放牧地で、放牧中止後の植生の変化等を調べます。
 
どんどん、歩いて行きます。調査項目によっては、人の倍歩いた人もいたようです。お疲れ様でした!
草地での調査だけでなく、佐渡島にある様々なタイプの森林、そこに生育する植物を観察していきます。
 

初日の夜には、佐渡ゼミが開催されました。「ナラ枯れの現状と防除方法」で、発表者の山形県森林研究研修センターの齊藤正一さんは長年、ナラ枯れの防除の研究やその普及に努めておられます。今回は、新潟大学の博士課程社会人コースの学生として、実習に参加されました。




さて、今回の実習のもう一つのメインである統計解析です。特別講師の上野さんから統計解析についてのレクチャーを受けた後、野外実習で得たデータから仮説を立て、Rを使った統計解析で仮説を検証していきます。

各グループでどのような仮説を立てるのか、検討中。大学や年が違っても、熱心に議論するうちに、打ち解けているようです。
各グループ立てた仮説や統計解析を用いた検証結果のプレゼン行いました。質疑応答も盛んに行われ、皆さんの投票でベストプレゼンも選ばれましたが、どのグループも僅差で大健闘でした。

最後に、上野さんから総合講評をいただきました。上野さん遠方からありがとうございました。
  実習の打ち上げのバーベキューは、豪華海鮮盛りでした!(食べるのに夢中で、写真撮るの忘れてました。ごめんなさい)

では、皆さま、よい夏を~

2014年8月12日火曜日

樹木学実習 -胴らん−

7月に入り、佐渡ステーション(演習林)では、新潟大学内の学生実習も盛んになってきました。

 樹木学実習が7月18日〜21日の日程で行われました。樹木学実習の内容は、大まかには前の投稿にある、新潟バイオの実習と同じ、植物採取→標本作製→植物の同定です。
 そんなわけで、実習内容の紹介になると、どうしても前の投稿と同じ様になってしまいますので、今回は、樹木学実習で使用する道具を紹介させていただきます。

実習生の皆さん、採取した植物を厚手のビニール袋に入れます。
今回使用したビニール袋のサイズは、46×60cmです。 
しかし、よく見ると、一人だけビニール袋を持たず、
肩から何やら下げている学生さんを発見!!
近づいてよく見ると・・・
金属(ブリキかな?)製で円筒状になっているカバンでした。
これは「胴乱」といって、昔から使用されている植物採集の
道具で、現在では使用する人は少数になってます。
中を見ると、採取した植物でいっぱいになっています。
ギュウギュウと詰めて、さらに採取した植物を入れていきます。
今回持っていた胴乱はやや小さいサイズだったのですが、
それでも、46×60cmサイズのビニール袋と同等かそれ以上の量
の植物の収納が可能でした。

 今や、使用する人がほとんどいない胴乱(ちなみに、作り手も少なくなり、ほぼ完全受注生産らしいです)。私なりに使用メリット、デメリットを考えてみました。

メリット
 ・肩から下げれるので、両手が空く(使える)
 ・中身が見えないので、怪しまれない
  ※植物採取の場合、学術的な目的であっても、盗掘に間違われる
   場合があります
 ・ビニール袋より丈夫なので、繰り返し何回も使える
 ・ギュウギュウに詰めれるので、大量に植物採取をしても、
  コンパクトに持ち歩ける
 ・胴乱の長辺が、標本台紙とほぼ同じ長さなので、植物を採取する
  時の目安になる。

デメリット
 ・高価なので実習生(学生)は購入しづらい。
 ・少量の植物採取には向かない?
 ・植物採取をしない時は、スペースを取ってしまう。

 うーん、こんな感じですかね。実際に、使用していないのでこれくらいしか出ません。他にも何かあれば、コメントお願いします!

 最後に、学生さんから頂いた実習中の風景を紹介します。

海と夕日と明日向かって拳を突き上げてます!
(青春です!)

2014年8月11日月曜日

佐渡研修および第13回佐渡ゼミの開催(新潟農業・バイオ専門学校)

 皆さま、お久しぶりです。もうすぐお盆ですね。すでにお盆休みに入られている方も、お盆休みなんて無いよ、という方も暑さに負けず、夏をのりきりましょう!

 さて、久々の実習ブログの更新です。ここのところ実習が立て続けにあり、更新を怠っていたら、3つも溜まっていました・・・お盆中に更新して行きたいと思います。

 新潟農業・バイオ専門学校の学生さんが佐渡研修として、佐渡島に今年もやってきました〜。佐渡研修は6月24に3泊4日の日程で、小佐渡(キセン城)、大佐渡(演習林)にて植物採取、標本作製、同定を行いました。参加者数は、学生さん17名、バイオの先生1名、外部講師1名の計19名でした。

バイオの学生さん達は、この4月に入学したばかり。
野外実習用のおそろいの服も、ピカピカです!

指定された樹木を剪定鋏で各自、切り分けていきます。
手の届かない樹木は高枝切り鋏を使い、技術職員さんが取ってくれます。

植物採取の後は、外部講師の小林研究員(森の学校キョロロ)の
レクチャーを受け、標本作り、同定を行います。この作業が一番大変!

実習中は天気にも恵まれて、風衝地からの眺めは最高でした。

小林誠研究員(森の学校キョロロ)による第13回佐渡ゼミ
「多雪地の植物たちの多様な生き方とそのめぐみ」は実習生だけでなく、
一般の方の参加もあり、大盛況でした。

初日の夕食は佐渡のお魚づくしです。豪華かつボリューム満点の食事も、
食欲旺盛な10代の男の子にかかれば、あっという間にペロリ!
佐渡のお米は美味しいと評判でした。
実習の合間には、海に出てこんな一幕も・・・
(青春だねぇ〜)
 バイオの皆さま、来年もお待ちしてまーす!