2012年2月19日日曜日

生物多様性学術研究発表会

昨日、佐渡の金井コミュニティセンターで表記の発表会と「トキと共生する佐渡の里山」特別講演会が開催されました。この発表会は佐渡の生物多様性に関して佐渡市が学生や院生に研究助成金を支給しているので、その報告会として開催されました。新潟大学の5人を含む、8人の大学生や院生が発表しました。トキ集団の遺伝的多様性、農薬がトキの繁殖や水田生態系に及ぼす影響、トキの探餌効率を高める農地管理方法、水系ネットワーク再生手法など多岐にわたる興味深い内容でした。最後に環境省佐渡自然保護官事務所の長田氏がGIAHS認定を契機とした佐渡地域活性化について講演しました。聴衆の多くは農家の人たちで真剣なまなざしで最後まで聞いていました。
佐渡ステーションでも様々な研究を行って、学会などでは発表していますが、地域に向けた情報発信も必要と感じました。しかし、今回の発表の内容は私が聞いても理解できないものがあり、もう少し一般市民向けの発表の時には、わかりやすく発表する必要があると感じました。

2012年2月12日日曜日

卒論発表会

昨日、今日と卒論発表会が行われました。佐渡研究室からも4名の学生が1年間の研究成果を発表しました。今日も徹夜をして直前までプレゼンを作成していた学生もいました。ここ数日、プレゼンの作成をしていましたが、なかなか1年間のまとめを12分に凝縮するのは大変と見えて、最初は20分ぐらいかかっていましたが、本番ではなんとか時間内にまとめることができました。ほんとうにお疲れさまでした。教員もかなりの時間付き合っていましたので、終わったら肩の荷が下りたように気分になりました。これで一息入れた後は、学会発表の準備が控えています。先週、発表会の終わった院生は、1週間後から佐渡ステーションで4泊5日の論文合宿に突入です。M2は大学を去りますので、3年間の研究成果を論文という目に見える形にして残して行ってもらいたいものです。

卒論発表課題
・異なった光条件におけるクローナル植物ハナイカダの繁殖投資と資源配分の雌雄比較
多雪地の天然スギ林における台風撹乱後の更新
・伊南川における大規模河川撹乱が山地河畔林に与えた影響

2012年2月9日木曜日

雪の上の種子

先日、秩父の森林に調査に行った時のことです。積雪が30cmほどありましたが、雪上に木の枝や葉などが落ちていました。そのほかにも、細かなゴミのようなものがたくさん落ちていました。よく見てみると樹木の種子でした。樹木の種子は秋のうちに地上に落ちて雪の下に埋もれているものが多いのですが、意外と雪上にもたくさんの種子が見られました。大部分は風散布種子でしたが、ハクウンボクのような大型の種子も見られました。風散布ではカツラ、フサザクラ、サワシバが、少し大型の風散布らしいサワグルミやシオジも落ちています。かなりの量になりますが、これらの雪上の種子は春になると発芽するのでしょうか。低温や乾燥には耐性がありそうですが?
右下の大きなのがシオジ、中央下がフサザクラ、非常に小さく薄茶色がカツラ、その他にサワシバも見えます。これらは並べたのではなく、この状態で落ちていました。
サワグルミの果穂

2012年2月4日土曜日

修士論文発表会

本日、一日かけて修士論文の発表会が新潟大学で行なわれました。我が、佐渡研究室からも4名の院生たちが、2年間の、いや、3年間の研究成果を発表しました。年があけてからは修士論文の提出、発表会と忙しい毎日でした。晴れ舞台の本日は、あいにくの雪まじりの天気でしたが、これまでの研究成果を堂々と発表してくれました。ご苦労様でした。

発表課題

・土石流跡地における水辺林構成種4樹種の初期定着過程と共存機構
・多雪地に生育する高木性樹木サワグルミの萌芽の生態的意義
・雌雄異株植物マタタビの有性繁殖器官及び栄養器官における雌雄差
ナラ枯れが里山林の群集動態に与える影響