2015年6月25日木曜日

東京大学 フィールド科学総論・佐渡島実習 (6/22〜6/25)

東京大学のフィールド科学総論・佐渡島実習を6/22〜6/24の3泊4日で行われました。東大の学生実習は初めてでしたが、実は担当の教員の方は佐渡に何度も来島されている方もいらっしゃいました。佐渡の魅力を知っているので、実習の場所に選んだのでしょう!

今回の実習では、演習林の見学、そして佐渡で広く進められている環境保全型農法が生物多様性の保全へ与える効果について明らかにする事を目指した野外調査、統計解析の演習が行われました。この他にも、環境省のトキ野生復帰ステーションの見学など盛りだくさんな実習でした。

ではでは、恒例の写真で実習を振り返り・・・
到着した初日の夜は演習林で講義。2日目からフィールド実習に入ります。
霧を纏った、演習林が皆さまをお出迎え。
まずは、大倉シラバを目指します。
道の脇には、イブキジャコウソウなど可憐な植物が沢山
(白花もありました)
やはり、霧の中の大王杉はイイ!皆さん、
何とかカメラに全体の姿をおさめようと必死でした。
スギを折っているわけではありません!!
冬にスギを倒す雪の重みがどのくらいなのか実験中なのです。
今年も、ツルアジサイがあちこちで咲き誇っていました。
湿地で両生類を観察中。長靴の中に泥と水が入っても何のその!
皆さま、夢中になっておりました。
午後は、トキ交流会館へ移動し、周辺の水田で翌日の生物調査のサンプリング方法を学びました。
佐渡生き物語り研究所の方から、生物サンプリング
の指導を受けて、まずは練習です。
皆さん、明日の本番に備え、黙々と練習中。
教員も一緒にサンプリング
3日目はいよいよ田んぼ生物調査本番です。
翌日の本番は、天気に恵まれました!
そよぐ風が苗を揺らし、素晴らしい景色を堪能できました。
そんな中、学生さん達は黙々とサンプリング中。
江(承水路)を設ける事によって、田んぼに生息する生物はどうなるのか・・・
サンプリング中も、各々の意見を交換していました。
午後は、トキ野生復帰ステーションの見学。
トキが野生で生き延びる訓練を行う順化ケージ。
順化ケージの中は、トキの生息環境を模した池(棚田)などがあります。
皆さん、興味津々で見学していたのですが・・・
いつの間にやら、興味は池の中の生物へ移ってしまいました・・・
統計解析の講義も大変興味深かったです。
この日は、トキ交流会館の近所のお寿司屋さん「長三郎」
で夕飯を食べました。佐渡名物「ブリカツ丼」に大満足!
(右側の方達は、寿司・半ラーメンを待っているところ。)
夜は恒例の佐渡ゼミが開催されました。
藤田剛先生による猛禽類のサシバの話。
一般の方も多く参加して下さいました。
最終日は、田んぼでサンプリングした生物の同定、集計、基礎解析を行いました。皆さん、結果はいかがでした??
この実習を機会に、佐渡に再び来て頂ければ幸いです。実習、お疲れさまでした!

2015年6月21日日曜日

モニタリング1000

モニタリング1000の調査開始しました。
今回は4人での調査です。

シードトラップをしかけます。               
 技術職員みたいな私。
気温も涼しく。調査日和。

シードトラップの設置箇所は地図を見ながら見つけます。
斜面を信じて登ってしまうと迷ってしまう見通しの悪い調査地です。

次に、去年から埋まっているピットフォールの蓋を開けます。
※ピットフォールとはジャムビンみたいなものを地面に埋めて、
  落とし穴形式で虫を捕獲するトラップです。

しかし、アクシデントが!
2チームに分かれて各地点に散らばるピットフォールの蓋を開けに回ったのですが、
私MTO&I君チーム担当の1個が30分以上探しても見つかりません。
そこに現れたM先輩。
なんと5分かからず見つけました。
さすが、M先輩です。                         
M先輩
昼食のときの一枚。
ヤマオダマキ。不思議な形をしています。

この後、釣りに行って夕食をとってきました。

2015年6月18日木曜日

Reminder:佐渡ゼミ開催6/24(水)20:00-トキ交流会館:東京大学藤田剛氏によるサシバ(鳥類)の話

次回佐渡ゼミの開催案内です!(リマインダー)

来週、6/24(水)20:00から、トキ交流会館(〒952-0103 新潟県佐渡市新穂潟上1101-1)にて、東京大学藤田剛氏による、
「東北から九州まで、日本の里山にくらす猛禽サシバにとって大切な農地景観を明らかにする」
という内容のゼミを行います。サシバはタカの仲間で、夏鳥として本州以南で繁殖しています。もちろん、佐渡でも見られます。

一般の方(もちろん、研究者の方、学生さんも)対象です。どなたさまもお誘いあわせの上、ご来場いただければうれしいです。※事前予約不要。転送可。

2015年6月15日月曜日

基礎農林学実習B(6/13-14)

基礎農林の後半戦、B班が始まった13日はエゾアジサイやハクサンシャクナゲが咲き始めていました。1週間でどんどん季節が移ろいます。
エゾアジサイ
左右にクモとハネカクシが陣取っています。
B班は1泊二日の駆け足。演習林では、様々な環境で、姿かたちが変わっている天然杉をご紹介します。
後半戦B班は千手杉から
杉の枝が雪の影響で地面についています。
ここは積雪3m近くの場所です。
将来発根し、
ここからまた杉の幹が立ち上がるかもしれません。
この杉は、フラッグツリーと言われるように
風の影響で、片側にしか葉がついていません。
天然スギの年輪。この切り株は250年ほど読み取れます
こちらも風の影響を強く受けた杉ですが、
谷沿いの強風のため、大きくしなり、樹高が高くなりません。
2つのスギに見えますが、おそらく同じ個体
大王杉からはハクサンシャクナゲが出ています。
空中湿度が高い証拠です。
大王杉の横の、2本の曲がった杉。
昔は大王杉の枝だった?
杉の上に、別個体の杉が乗っています。
続いて2日目、里地再生(キセン城)の実習です。キセン城は約50年前までは300枚もの棚田が広がり、人が長く利用してきた場所です。その後、耕作放棄地となり棚田は消えていきました。2000年頃から棚田とそこに生息する生物を呼び戻そうという里地再生を目指したプロジェクトが進められています。
 今回の実習では、里地再生をどのように行っているのか、現在はビオトープとして活用されている棚田にどのような生物がいるのかを観察しました。

今は、開けた感じのキセン城ですが、数年前までは耕作放棄地に
侵入した木々でジャングル状態だったそうです。
棚田の脇には、薪炭林として人が利用していた
コナラを主とする里山2次林が広がっています。
昔の棚田を再度開墾し、今はビオトープとして、
多様な両生類や昆虫が生息しています。
人が利用しなくなり、高密度になりすぎたコナラ林の
手入れ(間伐)の様子を見学しました。
切り株(年輪など)から、この林の過去の状態を推察することができます。
学生の皆さんも、チェーンソーにチャレンジ!
説明を聞く様子は真剣そのもの。
この実習をきっかけに、チェーンソーの講習にも
チャレンジしてみて下さいね。
最後は、トキの森公園にて、トキの生態や歴史についての展示を見学しました。
資料館には、トキの情報がギュッと詰まってます。
島外からの観光客もたくさん訪れます。
こちらは、トキをモチーフにしたキャラクター”サドッキー”。
本物のトキと違って、とても人懐っこいです。
実習生の皆さん、一泊二日と忙しいスケジュールでしたが、佐渡は楽しめたでしょうか。またの来島をお待ちしています。

2015年6月10日水曜日

基礎農林実習A(6/5〜6/7、6/7〜6/9)

共同利用実習に続き、学内実習も始まりました。基礎農林実習Aは、農学部農業生産学科2年生の必修の実習です。なので、毎年、参加人数も多く、1班、2班に分け日程をずらして実施しています。今年の参加人数は1班、2班合わせて計61名でした。2泊3日の日程で、演習林のスギ天然林の観察や人工林の手入れ、小佐渡のキセン城で里山林の観察、棚田ビオトープの生物観察などを行いました。
まずは初日の演習林です。天然林、風衝地、人工林を見て回ります。それぞれにスギが生育していますが、環境によって姿かたちが様々に変化しています。
尾根にある千手杉。
今年は雪解けの池がすでに干上がっていました。
杉の説明をする崎尾先生
次に風衝地に移ります。
風が強い風衝地ですが、この日は穏やか。
大王杉のある天然林をトレッキングしながら観察します。
最後に人工林の観察。
夜は佐渡の自然についての講義です。
翌日は里地再生のビオトープでの実習に移ります。
2日目は小佐渡のキセン城に移動し、里山林の手入れや
ビオトープの生き物観察を行いました。
この時期、棚田ビオトープの周辺には
モリアオガエルの卵隗がたくさんあります。
今回は、田んぼの表面の泥を網ですくい、
その中にどのような生き物が居るか観察しました。
泥の中から何が見つかるか・・・気分は宝探しです。
オタマジャクシやヤゴ、貝などが沢山いましたよ!
最後は、ポケット図鑑片手に”この特徴があるから、○○だよ!”
と皆でワイワイ同定作業。
こちらは、里山林の手入れの体験。
ナタやノコギリを腰に下げ、草刈りを行いました。 
チェーンソー作業も体験。皆、初めての作業で腰がやや引け気味でしたが、
技術職員さんに手伝ってもらい無事に終える事ができました。
最終日の午前中は、トキの森公園でトキについてお勉強。 
先生の解説を熱心に聞く学生さんも。
記念に、トキのゆるキャラ”サドッキー”と一緒にハイチーズ
 学生の皆さん、佐渡島の自然はいかがでしたか?またの来島をお待ちしてます!