2022年5月29日日曜日

2つ葉のヒロハテンナンショウと背丈ほどのコウライテンナンショウ

佐渡島にはヒロハテンナンショウとコウライテンナンショウとウラシマソウの3種のテンナンショウ属(Arisaema)があると言われています。テンナンショウ属にも佐渡シンドローム(アイランドシンドロームの佐渡版をこう呼んでいます)があるのでしょうか・・・。

ほぼ一つ葉と言われているヒロハテンナンショウに、あっさり2つ葉があったり、ミニミニサイズで花をつけている(写っているのは仏炎苞ですが)ものがあったり・・・
2つ葉のヒロハテンナンショウ
たくさんついているように見えるのは小葉(つまり複葉です)

手のサイズより小さい
花をつけているヒロハテンナンショウ
いっぽうで、背丈ほどのコウライテンナンショウがあったりします。コウライテンナンショウは佐渡シンドロームの一つ、白花シンドロームがあるのか、佐渡では紫が強い仏炎苞をもつものが少なそうです。
手前のペットボトルの左は80㎝くらい
奥はその倍以上の高さ(私より高い…)
コウライテンナンショウです
たった1日で佐渡のテンナンショウに面白い発見が次々とありました。訪花昆虫などの比較を含め、佐渡の植物の面白い生態を4年生のA君が明らかにしてくれると思います。乞うご期待!
おまけのササバギンランと蜘蛛

2022年5月28日土曜日

雨上がりのサンカヨウ

 そうそう、これが撮影したかったんです。雨で花弁が透明になったサンカヨウ。

2022年5月27日金曜日

島嶼生態学特論(5/23-25)

佐渡研究室のHです。

523日から25日まで大学院生向けの島嶼生態学特論がありました。

1日目は、妙見山に行きました。

妙見山は、ものすごく霧が発生しており、周囲の景色はほとんど見えませんでした。

さらに、気温は10℃前後だったのではないでしょうか。「何月だっけ」と思いながら、登山をしました。

霧で景色はほとんど見えませんでした。私は「なんてついていない」と思いました(伏線です)。

夜は、植物写真家の猪狩先生に、カメラについて教えていただきました。車のボンネットの中を見るようにカメラの機能を、あとは構図を勉強しました。

いざ実践!と明日が楽しみになりました。

妙見山のブナ林

2日目は演習林内で実習を行いました。

演習林内に入ってからは、ちょっと進んではすぐ車を止め、撮影会。

学生は、習ったことを試したくて、うずうず。

初日はみんな立ったまま撮影していましたが、今日は、地面に寝ころび一生懸命写真を撮っていました。

写真撮影に熱中する学生

そして撮った写真を猪狩先生に見せに行ったり、植物について教えてもらったり、学生はとても楽しそうでした。

演習林を降りる頃には、みんな写真を撮ることや植物にすっかり魅了されてしまいました。

夜は、学生が撮影した写真をみんなで見て、猪狩先生に講評していただきました。

習ったことを活かしたり、工夫したり、見ていてとてもおもしろく、きれいな写真が多かったです。

そこで、留学生の方が撮影した写真を見ました。そこには、とても幻想的な霧の風景が広がっていました。霧の中でうっすらとしか見えなかった木々や花が、かえって霧によって美しく鮮明に映っていました。留学生の方は、インドネシアから来て現在は太平洋側の大学に通っています。霧は、珍しいのでしょうか。彼の目には、こんなにも静かに幻想的に映っていたのかと、衝撃を受けました。

もっと物事を素直に見よう!と思いました。

3日目は、大野亀に行きました。

ちょうどトビシマカンゾウが見ごろで、カンゾウのオレンジと海と空の青とが鮮やかでとてもきれいでした。

学生は短い時間の中で二日間の成果を存分に発揮していたようです。

大野亀に咲くトビシマカンゾウ

とても楽しく、勉強になる実習でした。何より植物と写真がとっても好きになりました。両方こんなにおもしろいだなんて、知りませんでした。

きっと実習を受けた人達はこれからも植物と写真のとりこでしょう。

今後、演習林で発行しているニュースレターに学生から寄せられた「わたしのベスト写真」が掲載される予定です。

ぜひお楽しみに!

2022年5月25日水曜日

ニセアカシアが満開!

佐渡演習林宿泊施設裏のニセアカシアが満開です。これまで見た中で一番咲き誇っているのではないでしょうか?玄関を出ると甘い匂いが漂ってきます。オオハナウドやトビシマカンゾウも斜面を咲き誇り、海岸の岩場ではイワユリ(スカシユリ)も咲き、春先とは違うにぎやかさです。
今日は島嶼生態学特論実習の最終日。大野亀でもいい写真が写せそうです。実習のご報告は後日・・・

2022年5月20日金曜日

土壌研環境DNA調査

先日、新潟大学の土壌研の皆さんが調査で演習林を訪れました。

今回は調査地の下見と予備調査ということで、演習林内の大倉川や池での水サンプルの採取やシードトラップの設置などを行いました。

シードトラップの設置

演習林内の池での採水

大倉川源流での採水

今後は採取した水サンプルから抽出したDNAが周囲の環境情報をどれくらい反映しているのかなど、継続的に調べていくそうです。

何か面白い発見があると良いですね!

2022年5月19日木曜日

今年もナガミヒナゲシ(外来種)あちこちで・・・

今年も外来種ナガミヒナゲシが佐渡島のあちこちで見られます。海岸植生にまで入り込んでいるので耐塩性も高いのでしょうか・・・。

ケシ科の一年草なので、散歩している海岸では種子繁殖を防ぐように花茎だけ折っておけば、広がりが抑えられているようですが、対策をしていない場所では、もう手を付けられないくらい増えています。

以下、以前のブログの再掲載です。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ヨーロッパ地中海沿岸原産のナガミヒナゲシ(Papaver dubium)です。佐渡島でもちらほら見かけます。

国立環境研究所の侵入生物データベースではまだ佐渡に分布が確認されていませんが、最近、庭先などで植えられているようです。半野良化しているので、フランスギクやオオキンケイギクのように畔や山道際でも見かけるようになってしまうかもしれません。
http://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/DB/detail/80080.html
ナガミヒナゲシの半野良
佐渡島
なお、ナガミヒナゲシはアレロパシー活性が強く、雑草化リスクが大きいので、広がらないようにする必要がある植物だそうです。
http://www.naro.affrc.go.jp/archive/niaes/sinfo/result/result26/result26_38.html

2022年5月17日火曜日

樹木の花の季節がやって来た!

 林床の春植物の花が減ってくると、樹木の花が咲きだします。春も終わりですね・・・。

ハマナスが咲き始めると、
もうストーブはしまっても大丈夫(だと思う)

マルバシャリンバイは花盛り

山ではオオカメノキ

タニウツギも咲いています

今年は豊作なのか
ミツバウツギも負けじと沢山咲いていました

地味ですがオニグルミの雄花も咲き始め・・・

フジの紫がとてもきれいです

2022年5月16日月曜日

ユビナガコウモリ調査

 土曜日はコウモリの胚発生の研究をしている東邦大学博士課程のUさんと佐渡の生物物知り博士のSさんのコウモリ調査を覗いてきました。

今回はユビナガコウモリが対象。口から超音波を出すタイプなので、口はキツネのように出ています。鼻から出すタイプもいます(キクガシラコウモリなど)。

超音波を受け取る耳が大きいです

 翼手が体のわりに極端に長いのが、
ユビナガコウモリの特徴

クモバエついていました
羽が退化していて、確かにクモのよう・・・

2022年5月13日金曜日

山形ユキツバキ訪花昆虫コレクション

 今年も、山形での訪花昆虫調査(と蜜の菌類群集解析用の採取)に行ってきました。

以下、マニアックな写真(の一部)をただただ並べたいと思います。クモの種類が多かったように感じました。









2022年5月4日水曜日

2022佐渡の春植物 part5 演習林

 GW真っ只中ですね。人混みを離れて、毎年山の中です。

オオタチツボスミレとナガハシスミレの交雑
(オオタチツボ寄りの個体)
にビロードツリアブ

ミヤマキケマン

トラマルハナバチ

左からキクザキイチゲ青
キクザキイチゲ白
ショウジョウバカマ赤

シラネアオイが咲き始めていましたが

稜線にはまだ雪が残っており

オオミスミソウもまだ見られます

紫(大佐渡に多い)のエゾエンゴサク

ショウジョウバカマ

今年は積雪が多かったため、稜線はまだ早春、山の中腹はシラネアオイも咲き始め、山のふもとはオドリコソウも咲き始め、上から下までめぐると季節を追っていくことが出来ます。

再来週にはクマガイソウやオオサクラソウも咲くかな…