2012年5月22日火曜日

大阪産業大学公開実習


はじめまして。佐渡研4年の宮島です。
51921日にかけて大阪産業大学との公開実習が行われました。
今回は私の卒論の研究対象の一つである草地の観察もするということで全日程に参加させていただきました。実習中は3日間快晴に恵まれ、さらには金環日食と重なりました。佐渡でも部分日食が見られ、ピーク時は普段より暗くなりました。部分日食でも十分感動できましたよ!!
さて実習の日程は以下の通りに行われました。

19日:熊野神社のタブ林、大野亀の草地・カシワ林案内・観察,第一回佐渡ゼミ
20日:演習林案内・観察
21日:ドンデン高原案内・観察

演習林やドンデン高原での実習では様々なスプリング・エフェメラルや春植物が観察できまし た。新潟市にある角田山に4月の中旬登った時はすでに終わりかけており,くたびれたカタクリしか見られませんでした。しかし今回訪れた場所では雪もまだ残 り,たくさんのスプリング・エフェメラルが咲き乱れていました。その時はまるで時間が戻されたかのような感覚を味わえました。


ショウジョウバカマ(演習林)
オオイワカガミ(演習林)
オオミスミソウ(ドンデン)
乾燥地に生えていたカタクリとアマナ(ドンデン)
カタクリの群生(ドンデン)
シラネアオイの群生(ドンデン)
      
カタクリ(中央)オオミスミソウ(奥)キクザキイチゲ(左右下)エゾエンゴサク(カタクリの下)(ドンデン)
現在,ニホンジカの食害により西日本を中心にこのような林床植物を見ることが難しいそうです。そのため,大阪産業大学の前迫先生をはじめ,学生の皆さんもとても感動されていました。もちろん,佐渡研の人々も興奮していましたが。スプリング・エフェメラルは何度見ても飽きることがないですね。

今回,大阪産業大学の方々とは数日過ごさせていただきとても楽しく貴重な経験をすることができました。やはり他大学の先生や学生と関わりを持つとお互いに刺激になり視野が拡がることを実感できます。大阪産業大学の方々,数日間でしたがありがとうございました。またぜひ佐渡に来てください!!


ドンデン高原
3日目にして初めて現れた雲
                         
(宮島伸子)
 

2012年5月10日木曜日

第3回佐渡ゼミのご案内


6/3(日) 第3回佐渡ゼミ 於:トキ交流会館 (予約不要)
①13:00~14:00 東邦大学理学部3年生による佐渡実習の成果報告
「大佐度地域2河川における、水生昆虫の流呈分布(上流、中流、河口域)と環境要因との関係」
②14:00~14:40 瀧本岳先生(東邦大学理学部)
「食物連鎖はどこまで伸びる?-バハマ諸島での研究から
【要旨】
 「食物連鎖」の概念は比較的あたらしく、イギリスのチャールズ・エルトンが、自然界にはいろいろな長さの食物連鎖があることを指摘したのが80年くらい前である。それ以来、生態学者は、食物連鎖の長さがどんなしくみで決まるのかを明らかにしようと研究をかさねてきた。古典的に主流だったのは、一次生産性の大きさや撹乱の強さによって食物連鎖の長さが決まるとする仮説である。しかし近年、食物連鎖が成立している生態系の物理的サイズ(生態系サイズ)が食物連鎖の長さを強く制限しているという証拠が、湖や河川の食物連鎖において見つかりはじめた。そこで私は、陸上生態系の食物連鎖でも生態系サイズの効果が見つかるのかを調べるため、バハマ諸島の様々な面積の島の食物連鎖の長さを比較した。また、比較的静かな内海と荒れやすい外海にある島を比較することで、撹乱が食物連鎖の長さに与える影響も評価した。それぞれの島の上位捕食者を調べ、その栄養段階を安定同位体比から推定し、食物連鎖の長さを島間で比較した。その結果、撹乱が強くなっても、上位捕食者がトカゲから網グモに交替するものの両者の栄養段階は違わないため、食物連鎖の長さに違いは生じなかった。その一方で、生態系サイズが106倍になると、上位捕食者の栄養段階が1段階分増えて食物連鎖が長くなっていた。このバハマ諸島の結果を理論的に説明するために、食物連鎖における食うものと食われるものの関係を単純化した数学モデルをつくり、一次生産性や撹乱、生態系サイズがどのように相互作用して食物連鎖の長さを決めているのかを調べた。このモデルから、食うものと食われるものが強く結びついた生態系では、生産性が高すぎたりや撹乱が弱すぎると食物連鎖が短くなるが、それでも食われるものの移動能力が高ければ、十分大きなサイズの生態系では、食物連鎖は長くなることが分かった。また、バハマ諸島の結果と他の湖や河川からの結果をあわせて総合的に解析し、一次生産性、撹乱、生態系サイズの食物連鎖長への影響の強さを比較した。その結果、いろいろな生態系を平均してみると、生態系サイズおよび一次生産性の影響は強いこと、しかし撹乱の影響はあまり強くないことが分かった。また、一次生産性の影響の強さは、どの生態系でも比較的同じ強さで現れるが、生態系サイズの影響の強さにはばらつきがあることが分かった。

2012年5月9日水曜日

第2回佐渡ゼミのご案内



第2回5/22(火)17:00より(30-40分) 、森林総合研究所の津村義彦先生による講演を行います。
「仮題:日本産樹木(広域分布種)の分子系統地理」

合わせて院生(M1)の長島君による研究発表があります。お誘い合わせの上ご参加頂ければ幸いです。

2012年5月1日火曜日

佐渡ゼミのご案内

佐渡ステーション(演習林)では他大学の共同利用を推進しておりますが、この機会に、内外研究者による佐渡ゼミを開催することになりました。場所は佐渡ステーション演習林です。遠いところ申し訳ありませんが、お誘い合わせの上、お越しいただければ幸いです。宿泊ご希望の方は、1週間ほど前までに佐渡ステーションにお知らせください。1泊3食付き2700円です。

・・・・佐渡ゼミのご案内・・・・

第1回5/19(土)17:00-17:30 前迫ゆり先生(大阪産業大学)
「世界遺産春日山照葉樹林における外来植物の拡散」
※講演後に、学生による演題もあります。

第2回5/22(火)17:00-(30-40分) 津村義彦先生(森林総合研究所)
「仮題:日本産樹木(広域分布種)の分子系統地理」
 ※講演後に、学生による演題もあります。
夕食後には内外10名ほどの研究者によるポスター発表予定です。
夕食込みでご参加希望の方は、佐渡ステーションまでご連絡をください。

「佐渡ゼミ」
http://www.agr.niigata-u.ac.jp/fc/sado_html/sadozemi.html