2015年8月29日土曜日

公開林間実習2015(8/22〜8/23)

 今年も一般公開実習である、公開林間実習2015を開催いたしました。今年の参加者数はは22名、なんと!4才から72才とこれまでに無い程の幅広い層の皆さんに参加して頂けました。
初日、森林性の動物や地上に徘徊する昆虫を調べるための、
ピットホール、シャーマントラップを仕掛けます。
参加者の皆さん、昆虫や動物の気持ちになって(?)
仕掛ける場所を探しています
最年少の参加者Tくんもお父さんと一緒に仕掛けました。
今年は、センサーカメラも数台仕掛けました!何が写るのか・・・
(センサーカメラの詳細とその結果についてはコチラで!
夕方には、崎尾先生の佐渡島の自然についての講義がありました。
参加者の皆さん、熱心に聞いておりました。
そして、お楽しみのバーベキュー!佐渡の幸が並びます!
参加者の皆さん、交流を深めつつ、焼いて食べて・・・
そうそう、今回は佐渡研の暑気払いも一緒に行いました。
参加者の皆さんと学生さん達も和気あいあいと盛り上がりました!
2日目は、まず、前日に仕掛けたピットホールと
シャーマントラップの結果から・・・
ピットホールにはオサムシ、コクワガタのメスなど
いろいろ引っ掛かっておりました。
44個のシャーマントラップの方は、残念!何も掛かっていませんでした。
自然界のエサ(木の実等)等の影響もあり、掛からない年もあるのです。
去年は、40個中7個にネズミが掛かっていました。
次は、気を取り直し、森林性のアブラムシの観察!
使用しているのは、ファーブルという携帯用の実態顕微鏡。
野外で微小な生物を観察する時はとても便利ですよ。
そして、恒例の王様の小径のトレッキングです。
この日は、快晴ではなく、曇りで霧も発生しており天然スギ林内は
なんとも言えないしっとりとした良い雰囲気に包まれておりました。
トレッキング後は皆でお弁当を食べ、解散しました。
皆さん、公開林間実習へのご参加ありがとうございました!またの来島をお待ちしております!

2015年8月27日木曜日

樹木学実習(8/18〜8/21)

 お盆明けの8月18日〜21日、新潟大学農学部の樹木学、佐渡島実習を行いました。今回の実習では、佐渡島の森林に分布する樹木の標本を作製することで樹木の特徴を把握し、樹木の見分け方を学びました。最終的な目標は樹木100種の同定です。

今年も100種以上の樹木を採取しました。
TAのM君も大忙しです。崎尾先生が次々に指定する樹木を
高枝切りバサミでまとめて切って行きます。
高枝切りバサミは最長で3m!
これを上手に使って高木の樹種を採取します。
この実習は、樹木を採取してからが大変。
採取した樹木を標本にし、その同定を行うのですが・・・
慣れないうちは、図鑑を使うのも一苦労。
膨大なページから検索表を元に目当てのページを割り出して行きます。
樹木採取の次の日は、お待ちかね崎尾先生の樹木解説があります。
前日に採取した樹木の樹種名、特徴などを解説していきます。
皆さん、同定できなかった樹種もあるのでメモ取りに必死です!
双眼鏡を使って、向かいの山に見える樹木の解説も!
葉っぱからだけではなく、樹木の全景から同定できる樹種もあります。
そして、最後はお楽しみのバーベキュー。
海の幸をお腹いっぱい楽しみました!
樹木学の授業は、講義も含め、後期にまだまだ続くそうです。皆さん、がんばって下さいね!

公開講演会のお知らせ( 9月7日 17時〜 in トキ交流会館)


公開講演会のお知らせです。下記の要領にて講演会が開催されます。皆様お誘い合わせの上、ぜひご参加下さい。
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新潟大学理学部附属臨海実験所 公開講演会

 新潟大学理学部附属臨海実験所は、農学部附属フィールド科学教育研究センター佐渡ステーション演習林、研究推進機構 朱鷺・自然再生学研究センターと共催で公開講演会を開催します。興味のある方は是非ご出席下さい。一般の方や学生の参加も歓迎します。なお、本講演会は、公開臨海実習「森里海をつなぐ野外生態学実習」、新潟大学個性化科目「森・里・海フィールド実習」、長野大学環境ツーリズム学部「水環境学ゼミナール」の実習プログラムに組み込まれているため、実習の参加者は本講演会に出席します。

日時 : 平成27年9月7日(月曜日) 17:00〜18:00
     事前予約不要

場所 : トキ交流会館(〒952-0103 新潟県佐渡市新穂潟上1101-1
     1F大ホール

講師 : 神戸大学・大学院理学研究科・生物学専攻 
                    佐藤拓哉准教授

演題 : 「森川海の連環
                       ―生態系を超える資源移動が駆動する生態系の動態ー」

要旨 : 国土の7割を占める森林生態系は、我が国を代表する自然環境であるが、中でも、森林と河川の移行帯(森林-河川生態系)は、陸域と水域をまたぐ物質や生物の相互作用によって独自の生態系サービスを生み出している。また、近年の研究から、川は森と海を物理的につなぐ単純な土管ではなく、森と海の間でなされる生物や物質の流動を規定することで生物多様性や生態系の維持にも大きく影響することが明らかになってきている。本講義では、上記のような生態系間の相互作用について概説するとともに、演者が最近発見した寄生虫を介したユニークな森と川の繋がりについても紹介する。講義を通して、生態系の理解やその保全において、なぜ生態系間の繋がりに対する理解を深める必要があるのか、受講者とともに積極的に議論したい。

問い合わせ先
安房田 智司(Satoshi AWATA
952-2135
新潟県佐渡市達者87
新潟大学理学部附属臨海実験所
Tel: 0259-75-2012
Fax: 0259-75-2870
E-mail: sa-awata@cc.niigata-u.ac.jp

2015年8月24日月曜日

センサーカメラの写真には?

昨日まで、演習林の公開林間実習が開かれました。1泊2日の実習の内容は後日報告いたします。今日は、初の試みで設置したセンサーカメラの結果について。

センサーカメラは赤外線センサーがついており、撮影範囲に動物が通り過ぎると、センサーが作動し写真を写します。今回設置したカメラには・・・
起動確認で通過してもらった参加者のTくんと・・・
何か飛んでいる昆虫だけが写りました。
1晩の短い設置なのでいたしかたありませんが、悔しいので撮影続行しています。また何か移りましたらブログで報告しますね。

2015年8月15日土曜日

日本植物学会 公開講演会 佐渡島の自然環境と植物


日本植物学会の公開講演会が、9月5日(土)14時から、新潟日報メディアシップにおいて開催されます。テーマは「佐渡島の自然環境と植物」で、佐渡研究室からは崎尾・阿部先生および今春大学院を修了した宮島さんが講演します。また、6日から8日までは、朱鷺メッセにおいて植物学会第79回大会が開催されます。学部生は無料で参加できますので、ぜひお越しください。

2015年8月6日木曜日

佐渡のオオコメツツジ

実習が一段落をしている7月の末、教員は学会や調査で忙しくなります。
こちらは現在調査しているオオコメツツジ。コメツツジの仲間は日本の亜高山の崖地や湿地に生育しており、遺伝的にも分化が進んでいると考えられます。
小佐渡のオオコメツツジ。
本州と佐渡のコメツツジの遺伝的分化を調べると
佐渡島成立の歴史も、ひも解かれていくかもしれません。
こんな崖地にあります。
ほら、ここに。
本州でもいろいろと調査をしてきましたが、途中、佐渡では見られない動物たちがお出まししました。こちらはアナグマ。
道路をてくてく、ずっと歩いていたアナグマ。
車が近づく音で振り返りますが、車が止まるとまたテクテク。
だるまさんが転んだ状態で、しばらくお供しました。
右斜面から降ってきたカモシカ。
大慌てで、クズの葉っぱを頭につけて、逃げて行きました。
佐渡では大型の哺乳類は居ないので、普段は油断していますが、本州では、クマやイノシシなど、気を付けないといけないですね。カモシカも獰猛な動物ではないですが、目の前に落ちてきたときには、向かってきたらひとたまりもない、と思いました。

2015年8月3日月曜日

チェコ国際植生学会最終日

最終日は湿地の観察です。参加者の多くは草本植物に興味がありましたが、私は周辺のヤナギ林に興味がありました。

最近では牛や馬の放牧が減少してきて湿原の生物多様性が失われてきたために、大きな機械で草刈りを行っていました。

水辺にはムシトリスミレの仲間が分布していました。


 参加者は、ガイドの話を聞いてメモをとっています。

ビーバーの通り道です。 

最後の昼食を共にして、一路ブルノまで戻り解散しました。これで、私の国際植生学会参加報告を終わります。