2012年1月22日日曜日

かきフォーラム・イン・佐渡

昨日、佐渡において、かきフォーラム・イン・佐渡が開催されました。森川海の研究を目指しているので興味があったので参加してみました。かき研究所が主催し、そこの理事長、研究所長をはじめ加茂湖の漁協の組合長らが講演しました。明治30年7月の長雨で洪水が起こり、危険を防ぐために堤防を切って、これまで完全に淡水の湖であった加茂湖を海とつないだことから加茂湖のかき養殖が始まったそうです。その後、海水の流入とともにかきの幼生が入ってきてヨシなどに着いて天然かきがとれるようになったということでした。その後、昭和6年頃に水産試験場の指導のもとに筏によるかきの養殖が始まりました。しかし、昭和50年代の後半から少しずつ死滅するかきが出始め、3年前の台風の影響では赤潮が発生し、大打撃を受けたそうです。この年は、私も佐渡に来て2年目で、かき料理屋でかきづくしを食べようと思っていましたが、この打撃で営業できず、食することができませんでした。ようやく昨年の冬に食べることができました。
これらのかきの死滅の原因を解明しようと、平成5年頃環境調査が行われ、夏場に深い所の溶存酸素が減少すること、加茂湖全体で塩分濃度が均一であるために流れがなく海水が入れ替わらないことがわかったそうです。漁協では加茂湖と海をつなぐ川の掘削を行い海水の流れを良くする工事を要望しているそうですが実現できていないそうです。
湖のような生態系は河川を通じて陸域や海域と密接な関係にあり、流域を通した生態系の管理が重要です。農業地帯から流失してくる養分による富栄養化も大きな問題かもしれません。森、川、農地、湖、海をつなげた生態系の管理の重要性を改めて認識しました。
帰りには生がきのお土産付きのフォーラムでした(ボス)。


2012年1月8日日曜日

国際交流


2012 Niigata Graduate Research Forumが7−8日に朱鷺メッセ国際会議場で開催されました。このフォーラムにはダブルディグリーの協定校からは教員やPDが、新潟大学からは博士課程の留学生を含む院生が参加しました。参加者は100名を超え、農学部から学部長をはじめ10ほどの教員が参加しました。一日目は下條学長の歓迎の挨拶で幕を開け、5名のキーノート・スピーカーのスピーチがありました。George Washington 大学のCummings博士のSleeping giants and leaping tigers : Pacific rim academic productivity changeという講演では、これまでトップを走っていたアメリカ (giant) に論文の出版数の減少が見られ、日本も横ばいか下降気味、それに対して韓国・中国 (tiger)の躍進ぶりが著しいということでした。アメリカでは数年間全く論文を執筆しない教員が20%を超えているのが足を引っ張っているのにたいし、韓国などでは論文を執筆していない教員はほとんどいないということでした。論文を執筆しないと昇進できない上に、地位も危なくなるのでしょうか。また、Illinoi大学のHahn博士は、学生や大学スタッフの英語研修コースについて報告し、国際化が進んでいる中で英語教育の重要性を示していました。
二日目は午前中に13の協定校の紹介プレゼンがあり、午後は大学院生のポスターセッションのあと、教員の研究紹介が行なわれました。今回のポスターセッションは工学系に偏っており、農学系でもバイオテクノロジーや遺伝子関係の発表が多く、森林系は皆無でしたが都市開発のデザインなど興味ある発表もありました。教員の研究紹介では、私は佐渡演習林の紹介とともに、ニセアカシアの拡大メカニズムについて講演を行いました。私は英語が中学生の頃から大の苦手で大学を卒業してから必要のないのをいいことに全く触れておらず、農学部の教員の中で最も英語の話せないことを自負していました。しかし、大学に入ってからは周囲の状況が一変しました。大学ではしばしばシンポジウムが開催されるし、海外との共同研究や国際学会への参加など待ったなしです。はじめは日本語で通そうかと思っていましたが、やはり英語に挑戦することにしました。なぜかって?英語でぺらぺら話すなんて気持ちがいいと思うでしょ。(ボス)

2012年1月1日日曜日

迎春

新年、おめでとうございます。佐渡研究室の皆様も全国の各地でお正月を迎えたと思います。私は奈良で新春を迎えました。大晦日は神戸の北野で異人館を見たり、メリケン波止場に行きました。神戸の大震災の後は波止場に記念として残されていましたが、異人館周辺でもちらほらと崩壊した家屋がそのまま残されており当時の被害のすごさを物語っていました。
今年は辰年です。干支の中で唯一想像上の動物ですが、この動物には多くの物語や言い伝えがあります。今年の一年はどのような年になるでしょうか。私の頭に浮かぶのはロンドンオリンピックです。出場をめぐってしのぎを削る国内予選も見物です。
一年の計は元旦にありと言います。目標を立てないで日常を過ごしているとあっという間に1年間が経ってしまいます。卒論や修論の作成でそんなことなんか考えている暇はないというかもしれませんが、この一年に行ないたい大まかなスケジュールを新しいカレンダーを見ながら考えてみてください。3月までは卒論発表会や学会などがあり、4月からは新しい4年生を迎えてフィールド調査が始まります。院生は7月には黒竜江省で開催される農学部のシンポジウムがあります。プライベートでも目標はあると思います。私の目標は佐渡ステーションで昨年度から試行している他大学の共同利用を名実共に推進することです。すでに4月からは昨年度に加えて数校の新たな実習が計画されています。そのためにはスタッフの大幅な増強が必要です。これをなんとしても実現させたいと考えています。それからプロジェクトSの始動です。Xではありません。これについてはおいおいお話しします。それから論文を1つ書くことです。これは大学の教員としては義務的なルーチンワークで目標とは言えないかもしれません。でも一度はメジャーな科学誌に論文を掲載したいという夢は持っています。雑誌名?、それはご想像にお任せします(ボス)。