2019年5月26日日曜日

2019/5/20-23 樹木生態学特論

2019年度の実習シーズンが始まりました!
私、まつくらにとっても初めてとなった実習、樹木生態学特論の様子をご報告します!

公募型であるこの実習は、全国の大学から学生が参加します。
今回は、新潟大・東北大・静岡大・秋田県立大・東京大の5大学の皆さんにお集まりいただきました。

【1日目】
実習初日は暑いくらいの好天。
お昼に港で集合した後、大佐渡(上側の島)の南部にある妙見山に登りました。
白雲台の展望台から実質標高差は200m弱の短いトレッキングですが、株立ちするブナ林~低木帯へと標高に伴う森林の違いを実感できるおもしろいコースでした。
いよいよ実習スタート!
細く曲がったブナが株立ちする森の中を抜けます
途中、まだ雪が残る斜面を必死に登ります
頂上はまぶしい青空。強風が吹くため周りの木はほとんど育ちません
【2日目】
演習林内を回る予定だった2日目、残念ながら午前中は大雨のため予定を変更し、映像による講義となりました。
佐渡演習林の紹介と、崎尾先生も以前関わった「屋久島の巨木探し」の映像資料を鑑賞しました。
そうこうしているうちに空も明るくなったので、雨上がりの演習林へと観察に向かいます。
人工林の細くまっすぐなスギを見たあとに…
天然スギ(金剛杉)を見ると、迫力がものすごい!
サンカヨウの花びらは雨に濡れて透明になりかけています
午後は演習林のシンボル「大王杉」からトレッキング
雪の圧力がどれほど強いか、崎尾先生が体をはって実演します!
雪による造形美、連結杉。どれが幹?どれが一つの個体?
夕食後には、特別講師いがりまさし先生による写真の撮り方基本講座が行われました。
皆さん、明日はどんな写真が撮れるかな?
夕焼けがきれいだったので、急きょ演習林前の海岸で撮影会が行われました
【3日目】
そして、本実習のメイン(?)のいがりさんによる植物写真の撮り方実習の始まりです!
コツは植物の目線になること、ですよ!
スミレの花の柱頭のように微少な被写体は、特別な道具と技術で撮影するそうです
納得のいく写真が撮れたかな
講義室に戻った後は、いがりさんから代表3名の学生の写真への講評がありました。
最後に、リコーダー奏者でもあるいがりさんの生演奏と美しい映像を堪能しました

夜は懇親会。
佐渡の美味しいお寿司とオードブル・お酒のおかげで、他大学の学生同士の交流が深まります。
崎尾先生のケーナといがりさんのギターによる特別演奏もありました
この後、二次会はケーナ吹き大会の様相に。
すぐにメロディまで奏でられる強者がいる一方、いつまでたっても音が出る気配すらしない居残り組(私含む)も…
こちらは真面目に努力しているというのに、「変顔しないでください」と笑われる始末でした。

【4日目】
あっという間に最終日。
前日の講義でいがりさんの美しい写真に心惹かれた学生の要望により、急きょ大野亀経由でトキ観察に向かうことになりました。
大野亀は黄色いトビシマカンゾウの花が咲き始め
野外で野生化したトキ探し、見えるかな?
飛んだ!!
実習に参加された皆さん、4日間お疲れさまでした!!
今回学んだ撮影テクニックも活かして、それぞれの大学で研究を頑張ってください。
ぜひまた佐渡にも来てくださいね!


【おまけ】
雨上がりの林内、謎の球をつけたもやし(のようなもの)がたくさん生えていました
…変なもの好きにはたまらない
翌日、晴天になると…なんと球が割れて中からもしゃもしゃが出てきた!
これは、ミズゼニゴケの仲間の朔(胞子を飛ばす器官)のようでした

2019年5月23日木曜日

ザゼンソウとカタクリ

今週は樹木生態学実習と東北大学から研究チームなど、コラボ実習がありました。ちょうどザゼンソウが花盛り。中には小さいおじさんが住んでいそうです(笑)
小さいおじさんはいませんでしたが、
ハエが来そうな臭いにおいがします。
(来ていませんでしたが)

おじさん妖精はいませんでしたが、奥にはかわいらしい気配が・・・
奥に見えるピンク色

お姉さん妖精の姿が!

カタクリさんがスポットライトを浴びていました!

 
雪解けが遅かったこの小さい谷はまだカタクリも咲いていました。今年は雪解けも早く、春植物も早く花期が終わってしまいそうで名残惜しいですが、それでも最後まで嘗め尽くすよう堪能したいと思います。
実習の様子は後ほどブログにupします!

2019年5月8日水曜日

おしべのないユキツバキとオオミスミソウ

GWから天気の良い日が続いており、山に行かずにはいられません。さて、今日はおしべのない花。野外では、典型的ではないいろいろな個体が見つかって楽しいですね!
まずはユキツバキ。
昆虫に食べられたかと思いましたが、
退化した?葯もついています。
おしべの長さもそろっています。
ちなみにユキツバキにはハエや甲虫が良く来ています。
 つづいて、オオミスミソウのおしべなし。
オオミスミソウは葯の色も華やかで
花弁と葯のコントラストにも送粉者への
ディスプレイ効果がありそうですが…
この個体は、おしべなし。
 さいごにおまけの「ヤマトグサ」。開花しております。雄蕊がなびいております。
日本に生育するヤマトグサ属はこの一種のみ。Theligonum japonica Okubo et Makino
牧野富太郎が大和草と名付けました。
佐渡ではハコベのごとくそこらじゅうにあります。
百聞は一見にしかず。この春、お外で生き物観察を楽しみましょう!

2019年5月4日土曜日

調査シーズン始まっています!さっそく成果が!

4月に入り、4年生の卒論調査が始まりました。修論生の調査も本格化です!
さっそく成果が!
イワナが釣れました!
成果はその胃内容物
ヤマアカガエルの卵が!
良く見ると大腿骨らしきが2個体分。
イワナの食性を研究しています。
森川海の繋がりについての研究の一環です。臨海実験所のKさんより、イワナがカエルを食べているという話を聞き、早速学生が調査をはじめたところ、やはりカエルを食べていました。本州でもカエルは食べるそうですが、佐渡では頻繁に利用されている可能性があります。川と田んぼが密着している佐渡ならでは!
こちらも頑張っています!
ヤマアカガエルとサンショウウオの研究チーム
修士のIくんも、シマヘビの魚食を研究しています。
生態学会では高評価だったよう。
今年は餌環境を調査するため、ハゼ採取中。
GW後半は天気も良く、調査日和です。事故のないよう、気を付けて調査に励んでください!



フランスから画家さんが来島!

フランスからDenis Clavreul(ドゥニ・クラヴルール)さんが来島し、ユキツバキや里山、トキ、天然杉などを描いていかれました。素早く描く水彩画は、その場を生き生きと捉えており、素晴らしかったです。
それもそのはず、デニスさんは生態学(鳥類と昆虫の相互作用)でphDも取得されています。ユキツバキに来ているハエ採取をしている私の話も、熱心に聞いてくれました(笑)
初日は雨でしたが、
ユキツバキの観察の際には
雨も小降り
ちょうど満開です。
1枝に2つづつ花芽を付けているツバキもあり、
豪勢です。
岩首の棚田へ
水も入りきれいです。
トキの採餌を観察
途中で田植えの様子を見学させていただきました!
トラクターにも載せてもらいました!!
デニスさん(英語読み)のHPは以下です。
https://www.denisclavreul.com/
6月30日からツバキなどの展示がフランスで開催されるそうです。今回の絵も展示されるかと思います!
https://www.denisclavreul.com/expositions-et-stages.asp