2014年5月27日火曜日

第12回佐渡ゼミのご案内(6/2 19:00〜:佐渡ステーション )

第12回佐渡ゼミのご案内(6/2 月 19:00~:佐渡ステーション)

「宮島の植物と自然」
坪田 博美 先生- 広島大学理学部研究科生物科学専攻 多様性生物学講座

場所:佐渡ステーション(小田94-2)
時間:2014年6月2日(月) 19時から1時間程度

事前申し込みの必要はありませんが、
宿泊希望の方は、
sadoken2011アットマークgmail.com  菅まで、5月29日(木)までにご連絡ください。
2日の夕食は済ませ、3日朝食持参でお願いします。
利用料(雑費300+1滞在につきクリーニング300円=計600円)です。

【佐渡ゼミとは・・・佐渡ゼミは島内外の研究者が実習・調査などで来島される際に、最新の研究を一般向けに紹介していただく機会として開催しています】

2014年5月12日月曜日

ハマナスが咲きました!

海岸沿いではハマナスが咲きました!斜面ではオオハナウドも咲き始めています。
いかにもバラ科バラ属という見事な大きな花です。
全国では自生する個体は少なくなっているようですが、
佐渡では海岸沿いにまだまだ見られます。
ハマハタザオ
シロイヌナズナの近縁種なので、ヤマハタザオなどが
野外での進化学的な研究に用いられています。
もう、初夏の様相になってきました。じきにイワユリ(スカシユリ)やトビシマカンゾウ(キスゲの仲間)も咲き始めますね。

2014年5月10日土曜日

JST実習「春植物」

今日は午前中は雲がかかり寒かったものの、稜線に出るまでには天気も回復し、春植物を観察するのにはとても良い日和になりました。
閉じていたカタクリも開き始め、午後には開いておりました!
班の無い佐渡のカタクリ。やはりスマートできれいです!
春植物と言いつつ、山腹までは春の終わりから初夏にかけて咲く花を観察しながら、山の上へ。下から順に見ることが出来た花を下記に記します。書き逃しているものや実習では紹介していないものがあるかと思いますが、ご容赦ください。
ウマノアシガタ
フキ
オドリコソウ
ヒメオドリコソウ
コンロンソウ
クルマバソウ
ムラサキケマン
ミヤマキケマン
コウライテンナンショウ
コチャルメルソウ
ヤマトグサ
ネコノメソウ
サワハコベ
ユリワサビ
アオキ
エンレイソウ
フデリンドウ
ナルコユリ
オオアマドコロ
ヒトリシズカ
ミヤマカタバミ
タチツボスミレ
オオタチツボスミレ
ナガハシスミレ
ニョイスミレ
ニシキゴロモ
ニリンソウ
オオイワカガミ
シラネアオイ
スミレサイシン
キクザキイチゲ
エゾエンゴサク
ユキザサ
チゴユリ
カタクリ
オオミスミソウ
ミツバツチグリ
その他、キブシ、ハウチワカエデ、タムシバ、モミジイチゴ、サワグルミなどなど、樹木の花もたくさん咲いておりました。

2014年5月8日木曜日

シラネアオイが咲きました!

演習林林道の中腹ではシラネアオイが咲きました!
これから続々と咲きます!
道横の水たまりにはクロサンショウウオの卵塊がたくさん!
稜線は雪解けが進み、カタクリが満開です!
本日は川にリタートラップをかけてきました。今月末から始まる実習の準備です。今年も新しい挑戦をしていきますよ!

2014年5月4日日曜日

ツバキの種分化と送粉シンドローム

今日はM1のM君が研究対象としている「ツバキ」について紹介します。

一般に「ツバキ」というとヤブツバキCamellia japonicaのことを示すかと思います。このヤブツバキは日本の沿岸部を中心に広く分布している普通種ですが、冬期に赤い大きな花を咲かせ、鳥によって花粉を媒介してもらうという、日本では非常に特徴的な送粉シンドローム(送粉様式に特化した花形質)を持っています。しかしながら、日本海側のヤブツバキは冬ではなく春先に咲き、鳥類による送粉行動はあまり観察できません。そして日本海側山地には、過去の気候変動で多雪地に取り残され、分化したのではないかというユキツバキ(種Camellia rusticanaとしたり亜種Camellia japonica L. subsp. rusticana としたり等、分類の見解は分かれる)が生育しており、これらは虫によって花粉媒介が行われているようです。

ヤブツバキとユキツバキの典型的な違いについては、過去のボスのブログをご覧ください。
http://sadoken.blogspot.jp/2012/04/blog-post_09.html

これらの花形質の違いはやはり送粉者(花粉媒介者)との相互関係に起因するかと思います。
こちらは佐渡のヤブツバキ。3月末-4月上旬をピークに咲きます。
鳥媒介に特化した赤い大きな筒型の花弁。
さらに雄蕊の間には空間があるような感じで(中心の雄蕊が短い)、
合着した雄蕊の根基にたっぷり蜜がたまっています。
これもまた鳥媒介に特化した形なのでしょう。
つぎに佐渡では小佐渡の尾根付近に出てくるユキツバキ。
4月末から5月上旬をピークに開花します。
花は大きく開閉し上向きなものが多く、雄蕊もばらけています。
花粉や蜜には多くのハエの仲間が集まっています(他に甲虫やアリ等)。
葯は大きく(花糸が細い?)、花弁も色が薄いものなど変異幅が大きそうです。
蜜はヤブツバキより少なめ。
最後に太平洋側のヤブツバキ。
下の花弁についているのはメジロの爪痕。
これが訪花の証拠にもなります。
ちなみにヤブツバキは太平洋側と日本海側に遺伝的構造があるのではなく、九州地方と関東地方を両極として混じり合うような遺伝的構造があるそうです↓
「広葉樹の種苗の移動に関する遺伝的ガイドライン(PDF) - 森林総合研究所」
http://www.ffpri.affrc.go.jp/pubs/chukiseika/documents/2nd-chukiseika20.pdf

同じツバキでも送粉者によって花形質が異なるようですが、両種の詳細について定量的にまとめられている学術論文はほぼありません。赤い大きな花を咲かせるという鳥に対する適応形質が、春咲きで鳥の訪花がほとんどみられないユキツバキでも残っているのは面白いですね。形・花色・におい・花粉媒介者・フェノロジー・遺伝的構造など、これからM君と中心に研究を進めていく予定です。ご期待ください!

2014年5月1日木曜日

新日本風土記「佐渡」国際放送版!5/14HPで閲覧

昨年1月に放送された新日本風土記「佐渡」(演習林も協力しました)の国際放送版(英語)が放映されるそうです。日本では5/14(水)に下記のホームページで閲覧できるそうです。↓
http://www3.nhk.or.jp/nhkworld/
10:30-10:58、16:30-16:58、22:30-22:58、28:30-28:58の4回です。英語版は28分に再編集されているため、演習林は出ているかわかりませんが、佐渡の魅力は演習林の魅力!是非、ご覧ください。