2020年12月13日日曜日

野生サザンカ調査 その①

サザンカ サザンカ 咲いた道
焚火だ 焚火だ 落ち葉たき

という童謡がありますが、サザンカは晩秋から冬にかけて咲きます。

サザンカなどのツバキ属の園芸品種改良は、江戸時代には大きく発展しており、この歌が出来たころはすでに皆さんのなじみのある「ピンクのサザンカ」だったのかもしれませんが、野生のサザンカは日本原産の種で主に白い花色をし、四国、九州から沖縄にかけて多く見られます。
サザンカは「山茶花」と書きますが、中国語でツバキ属全般を「山茶」といいます。このため、サザンカは山茶花(サンサカ)が訛ったものとも言われています。ちなみに、中国語でサザンカは「茶梅」です。ヤブツバキやユキツバキ(Camellia節)と近いOleifera節です。

それでは、念願の野生サザンカ、ご覧ください!
野生のサザンカ‼
花弁が柔らかくエレガンスです‼

白弁の色はやはり白でした
近くに同じツバキ属もありました。なんだかわかりますでしょうか?
これもツバキ属です
正解は「(Camellia sinensis)」です。原種は中国にありますが、お茶文化とともに、日本にも多く植えられ、野外に移出もしています。ツバキ属の中では古い系統で、白く花が小さいのが特徴です。でも、よく見ると花の構造、似ていますよね?晩秋に咲くのも、多くのツバキ属は寒い時期に咲くので、同じ特徴だと言えます。

おまけ①
九州は落葉樹林の多い佐渡からは目が覚めるほど常緑樹でいっぱいですが、三行脈の葉のものだけでもこんなたくさん!ヤブニッケイ,クスノキ、シロダモ,イヌガシ。どれがどれだかわかりますか?




サザンカに戻りまして、こちらは、菌類部隊の様子です。私は主に花や訪花動物を観察していましたが、彼らは葉の内生菌と落葉のリティズマ菌の研究のための採取です。サザンカは葉が小さく柔らかく、これ!とわかる落ち葉があまり見つからないので、初めは苦労していたようですが、さすがキノコ柱、気づけはサルの落穂ひろいのように素早い動きになっていました(笑)
菌類組のサザンカ採取
こちらは、サザンカの果実。蒴果なので熟すると下部が裂けて、種子が散布されます。これもツバキ属の特徴です。
サザンカの蒴果
調査をしていると、たまに花弁幅が大きいものもあります。
白いヤブツバキみたい!
サザンカの花糸(おしべです)
サザンカの雄しべは根元から分かれている
浸透交雑しているのか?花糸合着タイプのありました。
こちらは花糸が合着したタイプ。
浸透交雑でしょうか?
蜜の形質は、ジャム並みの糖度の蜜、蜜量はすくなめです。ユキツバキタイプですね。虫媒の特徴の、甘く強い芳香もありました。
左がサザンカ、右がヤブツバキ
ヤブツバキとサザンカが同所的に咲いていたりします。
サザンカは訪花昆虫がほとんど来ておらず
そばの野良チャのほうがたくさん来ていました!
(写真は茶に群れているアリです)


おまけ②です。
椿油製油所にお邪魔させていただきました!鹿児島の大隅半島は桜島の噴煙の影響を受けますが、ツバキの仲間はそのような灰にも強いのが特徴です。私も三宅島の噴火後にツバキ属の強さを目の当たりにしているので、良くわかります。このため、産業として椿油の生産をさかんに行うようになったそうです。
お!さすが九州。
ヤブツバキの種だけでなくサザンカも集められていました!
欲しい!(すこし匂いが違うそうです)
椿油は、まず、種を蒸すことから始まります。
蒸したヤブツバキの種の粗熱取り
次に油を搾り取ります
圧搾した種から油が出てきます
搾りだした油を一度火にかけてから、最後に和紙で濾します。
出来上がり!
お土産に椿油をいただきました。ありがとうございました!
酸化されにくいオレイン酸を多く含むため、食用だけでなく(むしろ食用は貴重すぎる)、化粧品に使われています。髪油として有名ですね。一般に出回っている椿油は中国の油茶といわれるサザンカと同じParacamellia節のCamellia oleiferaがほとんどだと思います。
桜島
今日も元気に噴火!
煙が灰色だと灰が出ているそうです
桜島と言えば桜島大根!葉がターサイみたいでした。
今回のサザンカ調査は鹿児島大学高隈演習林でお世話になりました。鹿児島大学のみなさまには、色々とご協力いただきました。ありがとうございました!

サザンカ調査はさらに南下し、トカラ海峡を越え、その②に続きます。

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