2025年8月30日土曜日

筑波大学の野生生物管理実習(8/25~29)

 8月25日から29日には、筑波大学の野生生物管理実習が開催されました。
大学院生を対象とした実習で、理学・農学系はもちろん、世界遺産学学位プログラムという遺産の保存技術等の習得を目指す学生の方も参加していました。

実習初日は、港から直接トキの森公園へ。飼育されているトキ幼鳥を観察しました。また夜には、演習林のA先生による佐渡の自然の講義がありました。


2日目午前は車中から大野亀を見学後、願集落~賽の河原~二ツ亀の
海岸散策ルートにて、佐渡の海岸植生を学びました。

天気も良く、二ツ亀も綺麗に見えています!
トンボロは繋がっていませんね。

散策中に出会った"幸せの青いハチ"、
セイボウの仲間(おそらくオオセイボウ)。


また、午後には里山領域のT先生による講義がありました。
講義では、地域の方との合意形成を図りながら圃場整備を進めて
管理面や生物多様性の観点からよりよい圃場を目指す取り組みが説明され、
その後は実際の圃場を見学しました。

夜は演習林教員Kによるセミナーを開催。
希少生物の保全管理についての研究が話題として提供され、
議論に花が咲きました。



3日目はついに演習林へ!午前中は少し雨が降っていましたが、
そのおかげで霧が立ち込める幻想的なスギ天然林を見学できました。


入林中に実習車がパンクするという事態に見舞われたものの、
演習林の最強技術職員さんの力により即解決!
さすがです...!



そろそろ実習も大詰め!4日目午前はトキ保護センターと
トキのテラスの見学を行いました。
環境省の職員さんによる講義のほか、トキ順化ケージの
中に入っての見学もさせてもらうことができました!

午後にはドンデン山をトレッキング。
珍しい植生タイプである半自然草原を観察しました。


筑波大のS先生が待ちわびていたヘビ(アオダイショウ)との遭遇や、季節の花であるヤマハハコ、カニコウモリを見つけることもできました。

最終日は尖閣湾の揚島遊園と相川金山を見学して、すべての工程が終了!ボリュームたっぷりな内容でしたが、みなさん元気に取り組んでいましたね!
若者の無尽蔵体力、恐るべし!!
(K.S.)

立正大学のフィールドワークA佐渡実習(8/19-22)

 8月19日~22日に立正大学のフィールドワークA佐渡実習が開催されました。
地球環境科学部に所属する学部2年生の皆さんが実習生として参加しました。

初日は演習林教員による佐渡の自然に関する講義がありました(ブログの記者自身が
講義を担当したため、写真はありません)。

来島は初めての人も多いようで、興味をもって聞いてくれていました!



2日目は演習林の見学を行いました。天然スギ林や風衝地など、
普段なかなか見ることのできない多様な植生に圧倒されています。



3日目は小佐渡地域にて、トキ関連施設の見学と
ビオトープの観察、水生生物調査を行いました。



様々な水生昆虫を捕まえることができました!

最終日は佐渡北端の景勝地である大野亀を訪問し、実習は無事終了!
天気も良く、佐渡の自然を十分に満喫できたのではないでしょうか?
(K.S.)

2025年8月18日月曜日

東京都立大学理学部の生態学野外実習(8/6-11)

 8月6日~11日には、東京都立大学の生態学野外実習が実施されました。

佐渡の自然を生かして、主に昆虫や植物に関する様々なデータを収集し、解析する実習...なのですが、今年はあいにくの豪雨に見舞われ、初日、2日目はなかなか身動きがとれませんでした。


初日、2日目は海岸や演習林
での調査区設置を予定していましたが、
雨のため急きょ内容を変更し、トラップの説明などが行われました。


トラップや装置を組み立てる学生たち。

過去に採集されたサンプルを用いて計測の練習もしています。

2日目午後にはギリギリ晴れ間が...!



ビーチコーミングを行い、取れた貝殻やきのみなどのサイズを計測しました。

3日目以降はなんとか天気が回復したため、演習林へも上がれることに!



様々なトラップの設置を行いました。


天然スギ林や風衝地の見学もできました!

4日目以降は演習林側の担当者が同行できなかったため、写真はありません。
トラップでの昆虫採集や植物調査は順調に進行し、実習は無事終えられたようです!
一時はどうなるかと思いましたが、フィールドでの臨機応変な対応も含め、学生たちにとっても学びの多い実習になったんじゃないでしょうか?
(K.S)

2025年8月10日日曜日

夏の神津島調査

実習続きで、その隙間に行っていた野外調査のブログ全然更新できていなかったのですが、今回はひさびさの調査シリーズに戻ります。先週まで行ってきた神津島でのツリガネニンジン調査でみた植物などを紹介します(ごく一部)。津波と台風の影響で、長旅になりました…。

まずは、昨年度まで調査をしていたAさんの調査地の一つに行ってみました。
だがしかし…
花が咲いた後に、枯れた!?
ものの見事に、花が枯れておりました。おそらく猛暑と渇水のせいです。早速調査に暗雲が立ち込めます。
といいつつ、いろいろ観察
ニオイウツギ
でかいです

なにかくわえているオカダトカゲ

オオバヤシャブシ
でかいです

タマアジサイ
でかいです

タマアジサイ
シャクナゲのような蕾ですが
でてくるのは、やはりアジサイなのですね

ガクアジサイ
園芸品種のアジサイの原種ですね
でかいです
本命のツリガネニンジン、林の傍ではちゃんと開花していました!
今回は昼と夜での訪花昆虫の除去実験。昼のハナバチなどと、夜の蛾で、どちらが繁殖に寄与しているかを調べます。その他、自然自家受粉や自然受粉も調べます。
調査は日の出前後と日の入り前後。このため、寝不足なのですが、日中は野外に出てしまいます。

神津島と言えば天上山ですよね!
表砂漠の方を登りました。
佐渡島といっしょですね
なにが?
海浜植物が山の上のガレ地にあるということです
何だかわかりますか?(イソギク。アシタバも生えています)

佐渡と一緒ですね
なにが?
山の上は霧がかかるということです

ハチジョウオトギリ
(ハチジョウなんたら、も、多いです)

こっちも海浜植物の一つ
なんだかわかりますか?
(ワダンです。食えます)

佐渡島でもみました、トコロシリーズ
ウチワドコロ
いえ、「シマ」ウチワドコロ、です

そして、懐かしの(以前研究していた)コウヅシマヤマツツジ。
 コウヅシマヤマツツジはオオシマツツジ(ヤマツツジ)とハコネコメツツジの雑種
佐渡と一緒ですね
なにが?
島では本州では出会っていないもの同士が出会って交雑する
「出会いの場」ということです


ほんとは、こちらの方を調べていたのですけどね
まだ咲き残っていたハコネコメツツジです

本州にあるもので、なんか似ている種があったら、シマとかハチジョウとかイズとかコウヅとかオオシマとかハコネとかつけとけばいいのではないかと思います。オオとかも(葉が大型化しているものが多いですよね)。
あと、トゲナシとかつけとけばいいです
トゲナシサルトリイバラ
植食者がいないのでトゲがないのですが
人が草刈りする場所では、棘が少し復活しているので、やはり油断は禁物です

ハチジョウアザミとかも大型化していてトゲトゲないですね。

(≧∇≦)
キキョウ!野生の、キキョウ!

ほかにもハクサンオミナエシの変種とされるシマキンレイカとか、言ってはいけない貴重な植物とか、色々見れました。が、きりがないのでこの辺にしておいてあげます。

船に乗って本土に戻り、また船に乗って佐渡へ戻り…、久しぶりの佐渡は雨が降った後で、夜は涼しく、昼は霧がかかっていました。