2025年9月4日木曜日

公募型の「フィールドワーカーのためのリスクマネジメント実習」A日程(9/1-4)

 9月1日~4日には、佐渡演習林の公募型実習である「フィールドワーカーのためのリスクマネジメント実習」のA日程が行われました。

研究・調査でフィールドでの作業を行う学生を対象に、現地での様々なリスクを想定し対応する能力を養う実習で、その内容は多岐にわたります。


初日は佐渡市消防本部へ出向き、救急救命講習を受講しました。やはり人命救助が最重要ですね。

演習林の宿泊施設に到着後は、宿泊中に地震が起きることを想定した避難路の説明がありました。実習本体とは直接関係ありませんが、これもリスクマネジメントの一環となりえます。

夜は調査計画の立案や天気図の読み方、観天望気についての講義がありました。地図読みや天気図読みは、リスクの予防に高い効果があります。



2日目は朝から登山を開始。前日の地図読みの実践や、現場での対応力を養いました。また、道中ではプロットを設定し、植生調査を行いました。


道中では様々な生き物を観察することもできました。
アケボノシュスラン(画像上)はまだつぼみで、見ごろはもう少し先のよう。ルリボシヤンマ(画像下)は林内でたくさん飛び交っていましたね。



3日目午前は「フィールド調査における自動車運転」と題して、タイヤのパンクやバッテリー上がりなどの自動車に関するリスクへの対応について学びました。


午後は山へ上がり、ロープワーク実習を行いました。セルフビレイや懸垂下降と呼ばれるロープワークの手法を実際に体験し、危険を伴う作業への理解を深めました。

学生の目線に近い場所から撮影。実際にやってみると、思った以上に高くて足がすくみます。


さらに、夜は宿舎周辺にて露営用具の使用についての実習。計8張りのテントを設置し、テント内で一夜を過ごす学生もいました。

演習林の教職員もへとへとになるほどの、内容の濃い実習でした。皆さんの今後の安全管理に、ぜひ役立ててくださいね!
(K.S.)

2025年9月1日月曜日

公開型の臨海実習1(8/30)

 8月30日には、公開型実習である臨海実習1が行われました。
当演習林と同じ新潟大学佐渡自然共生科学センターの施設である、臨海実験所が主催している実習で、臨海実験所ではシュノーケリングなどをおこなって多くの分類群の動物を採集し、観察およびスケッチをするというものとのこと。

今回はその最終日に、演習林の紹介をかねた講義と大野亀の散策を行いました。


大野亀の看板で説明を受けている様子。
国定公園にも指定されている大野亀の「自然草原」という
希少な植生やその成り立ちについて勉強しました。

散策している様子。中には山頂?まで走って登っていった人も...!

臨海実習とはいえ、せっかく佐渡に来たのだからと、佐渡の植生についても熱弁した教員K。その想いは学生の皆さんに届いたのでしょうか...!!
(K.S.)

2025年8月30日土曜日

筑波大学の野生生物管理実習(8/25~29)

 8月25日から29日には、筑波大学の野生生物管理実習が開催されました。
大学院生を対象とした実習で、理学・農学系はもちろん、世界遺産学学位プログラムという遺産の保存技術等の習得を目指す学生の方も参加していました。

実習初日は、港から直接トキの森公園へ。飼育されているトキ幼鳥を観察しました。また夜には、演習林のA先生による佐渡の自然の講義がありました。


2日目午前は車中から大野亀を見学後、願集落~賽の河原~二ツ亀の
海岸散策ルートにて、佐渡の海岸植生を学びました。

天気も良く、二ツ亀も綺麗に見えています!
トンボロは繋がっていませんね。

散策中に出会った"幸せの青いハチ"、
セイボウの仲間(おそらくオオセイボウ)。


また、午後には里山領域のT先生による講義がありました。
講義では、地域の方との合意形成を図りながら圃場整備を進めて
管理面や生物多様性の観点からよりよい圃場を目指す取り組みが説明され、
その後は実際の圃場を見学しました。

夜は演習林教員Kによるセミナーを開催。
希少生物の保全管理についての研究が話題として提供され、
議論に花が咲きました。



3日目はついに演習林へ!午前中は少し雨が降っていましたが、
そのおかげで霧が立ち込める幻想的なスギ天然林を見学できました。


入林中に実習車がパンクするという事態に見舞われたものの、
演習林の最強技術職員さんの力により即解決!
さすがです...!



そろそろ実習も大詰め!4日目午前はトキ保護センターと
トキのテラスの見学を行いました。
環境省の職員さんによる講義のほか、トキ順化ケージの
中に入っての見学もさせてもらうことができました!

午後にはドンデン山をトレッキング。
珍しい植生タイプである半自然草原を観察しました。


筑波大のS先生が待ちわびていたヘビ(アオダイショウ)との遭遇や、季節の花であるヤマハハコ、カニコウモリを見つけることもできました。

最終日は尖閣湾の揚島遊園と相川金山を見学して、すべての工程が終了!ボリュームたっぷりな内容でしたが、みなさん元気に取り組んでいましたね!
若者の無尽蔵体力、恐るべし!!
(K.S.)

立正大学のフィールドワークA佐渡実習(8/19-22)

 8月19日~22日に立正大学のフィールドワークA佐渡実習が開催されました。
地球環境科学部に所属する学部2年生の皆さんが実習生として参加しました。

初日は演習林教員による佐渡の自然に関する講義がありました(ブログの記者自身が
講義を担当したため、写真はありません)。

来島は初めての人も多いようで、興味をもって聞いてくれていました!



2日目は演習林の見学を行いました。天然スギ林や風衝地など、
普段なかなか見ることのできない多様な植生に圧倒されています。



3日目は小佐渡地域にて、トキ関連施設の見学と
ビオトープの観察、水生生物調査を行いました。



様々な水生昆虫を捕まえることができました!

最終日は佐渡北端の景勝地である大野亀を訪問し、実習は無事終了!
天気も良く、佐渡の自然を十分に満喫できたのではないでしょうか?
(K.S.)

2025年8月18日月曜日

東京都立大学理学部の生態学野外実習(8/6-11)

 8月6日~11日には、東京都立大学の生態学野外実習が実施されました。

佐渡の自然を生かして、主に昆虫や植物に関する様々なデータを収集し、解析する実習...なのですが、今年はあいにくの豪雨に見舞われ、初日、2日目はなかなか身動きがとれませんでした。


初日、2日目は海岸や演習林
での調査区設置を予定していましたが、
雨のため急きょ内容を変更し、トラップの説明などが行われました。


トラップや装置を組み立てる学生たち。

過去に採集されたサンプルを用いて計測の練習もしています。

2日目午後にはギリギリ晴れ間が...!



ビーチコーミングを行い、取れた貝殻やきのみなどのサイズを計測しました。

3日目以降はなんとか天気が回復したため、演習林へも上がれることに!



様々なトラップの設置を行いました。


天然スギ林や風衝地の見学もできました!

4日目以降は演習林側の担当者が同行できなかったため、写真はありません。
トラップでの昆虫採集や植物調査は順調に進行し、実習は無事終えられたようです!
一時はどうなるかと思いましたが、フィールドでの臨機応変な対応も含め、学生たちにとっても学びの多い実習になったんじゃないでしょうか?
(K.S)