2025年11月18日火曜日

2025年度 佐渡ゼミ(第2回) 「佐渡島におけるヤマトグサの分布と環境条件の関係」11月27日(木)12:00~12:40

 2025年度 佐渡ゼミ(第2回)のご案内です!

「佐渡島におけるヤマトグサの分布と環境条件の関係」
【開催日時】
2025年11月27日(木)12:00~12:40
【開催形式】
Zoom配信によるオンライン開催
【参加方法】
※下記の問い合わせからお申し込みください
【参加費】 無料
【発表者】
指村 奈穂子 先生
(山梨大学大学院 総合研究部 工学域 土木環境工学系 研究助教)
【発表概要】
 ヤマトグサは日本と中国に隔離分布するアカネ科の多年草で、日本では24府県に記録され、多くの地域で絶滅危惧種に指定されている。
本研究では、佐渡島におけるヤマトグサの生育環境と生活史特性を明らかにし、その隔離分布の要因を検討した。
 現地調査と気候・地形要因を用いたGIS解析の結果、夏季日照時間が短い谷部に生育が偏ることが示され、霧によって高湿度が保たれる環境が必要であると考えられた。気象観測および室内実験では、生育地で高頻度に霧が観測され、高湿度条件下で節から根を出しシュートを維持することを確認した。交配試験の結果、自殖はあるものの種子繁殖は少なく、個体群維持は主に栄養繁殖に依存していることが示唆された。また、日本全国を対象とした生態ニッチモデリングにより、夏季の日照時間が少なく、上昇霧が発生する海に近い孤立峰で分布確率が高いことが明らかになり、これがヤマトグサの隔離分布の主因であると考えられた。佐渡島はニホンジカの不在により湿潤な林床が保たれており、ヤマトグサの重要な生育地となっている。
【お問い合わせ】
新潟大学 佐渡自然共生科学センター(担当:蕪木)
Tel:0259-78-2613
Mail:sadoken2011アットマークgmail.com
牧野富太郎が新種記載した「ヤマトグサ」

佐渡で調査した時の牧野富太郎の書

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